「どう頼めばいいか、わからない」

AIを使い始めた人から、こんな声をよく聞きます。
- 「AIに何かお願いしようとすると、最初の1文で手が止まる」
- 「同じことを頼んでも、人によって返ってくる答えがちがう」
- 「英語で書かないと、ちゃんと動かないんじゃないか」
難しいのは、「使えば便利そうだ」とは分かっているのに、なんて書けばいいか浮かばないことです。
noteのコメント欄にも、「あいさつ状をお願いしてみたけれど、ぼんやりした文章しか出てこなかった」「『プロンプト』ってよく聞くけど、結局なにを書けばいいのか」と、同じ声が届いています。
AIに頼むときの、この頼み方の文章のことを、プロンプトと言います。英語で「うながす」「きっかけ」という意味の言葉です。
今日は、このプロンプトの正体と、どんな頼みごとでもうまくいく「3つの材料」を、そのまま使えるひな形つきでお渡しします。
▶ 関連:毎日AIに使う3つの型 —— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ
プロンプトは、AIへの「頼み方の文章」

プロンプトは、AIに書いて渡す、頼み方の文章です。難しいものではありません。
- 日本語の、ふつうの言葉で書けばいい
- 1行でも、何行書いてもいい
- 気に入らなければ、もう1回打ち直せばいい
ChatGPT・Claude・Geminiのどれでも、やることは同じです。パソコンかスマホで chatgpt.com(またはそれぞれのアプリ)を開き、画面の下のほうにある長い横長の入力らんに、頼みごとを書いて送信するだけです。
ただし、同じ頼みごとでも、プロンプトの書き方で、返ってくる答えが大きく変わります。「お礼メールを書いて」→ 誰あてか分からない、ぼんやりしたお礼メール。「アイデアを出して」→ ふつうの思いつきが10個並ぶだけ——よくあるパターンです。
これは、AIの性能が低いからではありません。AIに渡した材料が足りていないだけです。
総務省の調べ(令和7年版 情報通信白書)では、生成AIを使ったことがある人は、日本では26.7%。アメリカは68.8%、中国は81.2%です。使わない理由として「使い方がわからない」が多く挙がっています。
「使い方」の中心にあるのが、プロンプト、つまり頼み方の文章です。
▶ 関連:総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状
頼み方は、3つの材料で決まる

AIにうまく頼める人と、うまく頼めない人のちがいは、3つの材料を渡しているかどうかです。
材料1:誰が、誰に向けて頼んでいるのか(誰が)
AIは、頼んでいる人のことも、相手のことも知りません。「取引先のお客様に送るメール」と「社内に出すお知らせ」では、ことばづかいが全然ちがうのに、材料がないとそこを決められません。
- 「私は〈あなたの会社名・立場・名前〉です」
- 「相手は〈取引先の社長/社内の20人/初対面の担当者〉です」
この一言があるだけで、AIは「どのくらい丁寧に書くか」を決められます。
材料2:何を頼みたいのか(何を)
次に、具体的に何をしてほしいかです。箇条書きで、思いついた順に並べれば十分です。
- 「来週の打ち合わせのお礼を書いてほしい」
- 「新商品の名前を10個、候補を出してほしい」
- 「この文章を、半分の長さにまとめてほしい」
ここで「いい感じに」「それっぽく」といった、あいまいな言葉を減らすのがコツです。あいまいな言葉はAIには伝わりません。
材料3:どんな形にしたいか(どんな形で)
最後は、出てくる形です。文字数か、行数か、表か、箇条書きか。1つ決めるだけで、返ってくるものがぐっと安定します。
- 「メール本文で、300字くらいで」
- 「表にして、縦3列・横5行で」
- 「候補を10個、箇条書きで」
この3つが揃っていれば、AIは的を外しません。逆にどれかが抜けると、AIが勝手に補ってしまい、ぼんやりした答えが返ってきます。
▶ 関連:AIを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び方
【実物】そのまま使える「頼み方のひな形」

下のひな形を、スマホのメモに貼り付けて保存しておいてください。何かAIに頼みたくなったら、〈 〉の中身を書き換えるだけで、どのAI(ChatGPT・Claude・Gemini)でも使えます。
ひな形:3つの材料テンプレート
“`
【誰が】
私は〈あなたの会社名・立場・名前〉です。
相手は〈相手の立場・会社名/社内の誰/初めての担当者〉です。
【何を】
〜してください。
- 用件1:
- 用件2:
- 用件3:
【どんな形で】
〈メール本文/箇条書き/表/200字/3つの候補〉で出してください。
“`
たとえば、取引先へのお礼メールなら、こう書き換えます。
“`
【誰が】
私は、新潟の中小企業向けにAI導入を手伝っている石本と申します。
相手は、昨日ごちそうになった取引先の社長です。
【何を】
お礼のメールを下書きしてください。
- 昨日の夕食でごちそうになったお礼
- 来週中に次の打ち合わせの候補を3つ提案したい
- 新しい資料も合わせてお送りしたい
【どんな形で】
メール本文で、300字くらい。件名も1つ提案してください。
“`
これを、画面の下の入力らんにそのまま貼って送信すれば、7割の完成度の下書きが出てきます。
もう一歩:出てきた下書きは、何度でも直してもらえる
下書きが出てきても、そのまま使う必要はありません。続けて話しかければ、AIは何度でも直してくれます。
- 「もう少し短く、200字にまとめ直してください」
- 「もっと丁寧に、社長宛ての言葉づかいにしてください」
- 「冒頭に『先日はお世話になりました』を1行足してください」
ここで覚えておきたい教訓は、ひとつです。
AIは、頼んだ材料ぶんしか考えてくれない。だから、3つの材料を揃えて渡す。
材料は、プロンプトの長さではありません。短くても構いません。ただし、「誰が」「何を」「どんな形で」の3つは、必ず入れる。これだけで、どのAIも、あなた専用のお手伝いさんになります。
▶ 関連:AIに最初の質問をしてみよう。無料で始める3つの手順(note #5)
同じ困りごとなら、代わりにやります
「3つの材料は分かったが、業務ごとのひな形まで作る時間がない」
「社員によって頼み方がばらばらで、AIから出てくるものの品質がそろわない」
「毎回同じことをAIに渡し直すのが面倒で、結局使わなくなってしまう」
そんな社長は、私に任せてください。会社ごとのお客様の呼び方・商品名・よく使う言い回しを「土台」の形にして、社員が明日からそのまま貼り付けて使える「頼み方の指示書」を一緒に作ります。
その困りごと、AIで解決します。
御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。
バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。
▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)
▶ サービス一覧:御縁のサービス
▶ 関連:「ChatGPTは使っている」の次にやると効くこと —— 社内の型をAIに毎回渡す仕組み
参考データ・関連記事
- 総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状 — 生成AIの利用経験:日本26.7%、米国68.8%、中国81.2%。使わない理由として「使い方がわからない」が多数
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112210.html
- 御縁ブログ「毎日AIに使う3つの型 —— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ」— 自社ブログをAIで毎晩書く運用のなかで残った3つの型
https://goen-growth.com/毎日aiに使う3つの型-プロンプトの土台・チェ/
- 御縁ブログ「AIを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び方」
https://goen-growth.com/aiを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び/
- 前回のnote記事:「AIに仕事を奪われる?」と聞かれたら、こう答える
https://note.com/goen_ishimoto/n/nd0fee76b98a6
次回は、「2022年から課金してきた私が、今も使っているAI・やめたAI」です。「3つの材料で頼めば、どのAIでも動く」が今日の話でした。では、私が実際にどのAIにお金を払って、どれを使い続け、どれをやめたのか。目的別のおすすめをお渡しします。
質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。
「うちの会社の『頼み方の指示書』を作ってほしい」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。
御縁 代表 石本政晴

