「うちの規模だと、だいたいいくらになりますか?」
サービスの説明ページを見て、初回相談の入口でよくいただくご質問です。
先に結論を書きます。費用は会社の規模ではなく、「決まっていない項目の数」で変わります。売上規模や従業員数を教えていただいても、そこから金額はほとんど動きません。動かすのは、目的・窓口・頻度・範囲の4つが、頼む前にどこまで言葉になっているかです。
この記事は、御縁 GROWTH で費用が変わる仕組みを、業種を問わず整理したものです。具体的な金額は書きません(案件で変わるためです)。書くのは、頼む前にご自身で書き出せる項目と、お受けしていないご相談、そして中身が固まると何が変わるのか、の3つです。
先に判断材料を渡してから、金額はご相談の場でお話しできればと思っています。
目次

1. そもそも「決まっていない項目の数」って何のこと
見積もりの世界には、要件がどこまで固まっているかで金額の幅が変わるという前提があります。個人の感覚ではなく、業界の共通ルールに近いものです。
PMBOKの目安では、超概算(企画段階)の見積精度は-50%〜+100%、概算で-25%〜+50%、要件定義後の確定見積でようやく-5%〜+10%とされています。同じ仕事でも、依頼側で決まっていないことが多いほど、見積もりの幅は大きくならざるを得ません。

御縁の料金設計もこの考え方と同じです。規模で値付けしていない理由は、同じ規模でも「決まっていること」が違えば必要な工数が全然違うからです。
さらに、決まっていない項目が多いままプロジェクトを始めると、スコープクリープ(当初決めた範囲が正式な合意なしにじわじわ広がっていく現象)が起きます。アトラシアンの解説では、これが納期遅延・コスト超過・品質低下の主要因として整理されています。
だから御縁は、中身が固まっていないときは「安く見せて後で膨らむ」形にせず、最初にご一緒に固める工程を含めた金額をお伝えします。これは値上げではなく、後で壊れないための設計です。
2. 中身の1つ目 —— 目的と成果の言葉
一番大きく費用を動かすのは、目的と成果の言葉が固まっているかです。
「なんとなくGA4を整えたい」と「資料請求・来場予約・電話の3つのイベントをGA4で取れるようにする」は、同じ『GA4を整える』でも作業量が全然違います。前者はまず「何ができれば整った」と呼ぶかを一緒に決めるところから始まります。この「何ができれば完成か」の工程が、費用の一番大きな変動要因です。
要件定義の費用について解説したGXO社では、「要件定義段階でプロジェクト全体の費用の輪郭が決まる」と書かれています。御縁のようなコンサルティング系サービスでも構造は同じです。目的の言葉が具体的だと、その先の作業を過不足なく設計できます。
2-1. 具体化のレベルの例
同じテーマでも、目的の言葉のレベルによって進め方が変わります。
- レベル1: 「アクセス解析を整えたい」(目的が広い)
- レベル2: 「反響の入り口を可視化したい」(目的が中間)
- レベル3: 「資料請求・来場予約・電話の3イベントをGA4で分けて計測したい」(目的が具体)
レベル3まで固まっていれば、話は最短で進みます。レベル1でご相談いただくのは全く問題ありませんが、その場合は「目的を言葉にする1〜2週間」が最初の工程に入ります。この分の時間がそのまま費用に影響します。
2-2. 「成果」の定義もセットで必要
目的と対になるのが「何が起きたら成功と呼ぶか」の言葉です。「反響を増やしたい」だけだと、増えたのか増えていないのかを後で判定できません。
- 「フォーム送信の月間件数が今より増えていること」
- 「来場予約の月次CVRが1%以上」
- 「サイト経由の問い合わせが月◯件以上」
この判定基準を最初に一緒に決められると、伴走の中身がぶれません。ここが決まっていない相談では、「成果を定義する会」を1回入れることが多く、その分の時間がやはり費用に乗ります。
3. 中身の2つ目 —— 社内の窓口
2番目に大きいのが、社内の窓口が誰なのか決まっているかです。
「窓口はまだ決まっていません。誰かに声をかけながら進めます」というスタート方法は、進行のたびに合意形成の相手が変わるため、同じ話を何度もすることになります。これがそのまま時間になり、時間はそのまま費用になります。
一方、「私が窓口です。私が返事をします」と最初におっしゃっていただけると、それだけで進行が半分の時間で回ります。窓口が1人でなくても構いません。要は「返事の権限がどこにあるか」が最初から見えていることです。
3-1. 窓口に求められるのは「時間」ではなく「返事」
窓口の方に長時間の会議に出ていただく必要はありません。必要なのは、決めごとに1〜2営業日以内に返事をいただけることです。
御縁の場合、月額の伴走で窓口の方にお願いしているのは、週に10〜15分の返事の時間です。これが確保できれば、月次の進捗は詰まりません。逆に、この10〜15分が取れないまま契約すると、こちらから追いかける時間が増え、それは全て費用のロスになります。
3-2. 窓口が兼務のときは、担当領域の合意が必要
「窓口は経営者本人だが、本業もあるので即答は難しい」というケースはよくあります。この場合は、どの範囲までは窓口の方に判断いただき、どの範囲までは社内の別の方に降ろしていただくかを、契約前に決めておきます。ここが決まっていると、返事待ちで進行が止まる時間が減ります。

4. 中身の3つ目 —— 確認・意思決定の頻度
3番目は、確認の頻度です。月に1回で決まるのか、週に1回で決めていくのか、都度なのか。
一見「回数が多いほど手間だから高いはず」と思われがちですが、実際は逆のことが多いです。確認の頻度が決まっていると、そのリズムで進行が組めて、無駄な確認待ちが減ります。
4-1. 頻度によって進め方が変わる
御縁の伴走では、次の3パターンをよく選んでいただいています。
| 確認の頻度 | 向いている状況 | |---|---| | 月次(月1回・60分) | 変化が緩やか/固まった運用の見直しがメイン | | 隔週(月2回・30分) | 施策を回しながら微調整が必要 | | 週次(月4回・15分) | 立ち上げ期/変化の速い領域(AI検索・広告) |
ここが決まっていないと、こちらから「今週いかがですか」と何度もお声がけする形になります。この時間は伴走の中身とは別のコストで、いつの間にか積み上がります。
4-2. 頻度が変わると、月額の中身も変わる
同じ月額でも、月1回の見直しなのか、週1回の伴走なのかで、必要な工数は3〜4倍違います。頻度が固まっていない状態で「月額いくらですか」とご質問いただいても、正直お答えできません。
初回相談で最初にお聞きしているのは、まさに「どの頻度でご一緒するのが現実的か」です。ここが決まると、金額の話は残りわずかです。
5. 中身の4つ目 —— 範囲の線引き(やること・やらないこと)
4番目は、範囲の線引きです。「何をやるか」と同じくらい大事なのが「何をやらないか」です。
5-1. 範囲が広がる典型パターン
範囲が決まらないままだと、進行中に次のような話が入ってきます。
- 「ついでにこれも見てもらえますか」
- 「本業のこの資料も、ちょっと直してもらえると助かるんですが」
- 「他社の見積書も、意見を聞かせてもらえますか」
御縁として断る話ではないのですが、当初決めた範囲を超えていく話は、都度「これは含みますか、別ですか」の判断が入ります。この判断自体が時間を食います。
国内のIT開発現場に関する解説記事でも、要求の精度が低いまま進めると見積もりのブレ幅が大きくなると整理されています。中身が固まらないままの契約は、こちらだけでなく依頼側にも「途中で金額が変わる」不安が残ります。
5-2. 「やらないこと」を先に書く
御縁の初回相談では、「今回はここまで。ここから先は次回」の線を先にご一緒に引きます。この線を先に引くのは、範囲を狭めるためではなく、引いた線の内側に集中するためです。
- ✅ 今回やること: GA4計測改修/資料請求フォームの離脱分析/月次レポート運用
- ❌ 今回やらないこと: サイトのデザインリニューアル/広告運用の代行/別サービスのGA4も同時に見る
線を引いておくと、後で「あれも含まれてると思ってました」の摩耗が起きません。追加でお願いしたいことが出てきたら、その時点で追加のご相談として承ります。

6. 決まっていない項目が多いと、実際にどう費用が変わるのか
ここまでの4項目が固まっていないと、費用は次の順に変わっていきます。
6-1. 見積もりの往復が増える
前提が固まっていないと、初回の見積を出してから「実はこの前提だとこう変わります」の書き直しが発生します。国内の解説記事でも、要件定義段階での認識ズレは、そのまま大きな工数増につながると整理されています。
見積修正が2〜3往復すると、それだけで契約前に1〜2週間かかります。この時間はこちらもですが、ご依頼側にとってもプロジェクト開始が遅れる時間です。
6-2. 進行中に追加費用の相談が入る
いよいよ始まったあと、範囲を超える話が入るたびに「これは別料金で承ります」という追加見積のやり取りが増えます。進行中に金額の話が何度も入るのは、双方にとってストレスです。
6-3. 関係が摩耗する
一番避けたいのがこれです。金額の話が何度も入ると、仕事の中身よりも「損得の摩耗」で関係が疲れます。「頼んでよかった」という気持ちが薄れる原因は、実は金額の高さではなく、金額の話が繰り返される回数だったりします。
だから御縁は、最初に4項目を固める時間を惜しみません。ここでの30分〜2時間が、後の3〜6ヶ月分の摩耗を防ぎます。
7. 頼む前に、自分で書き出せること
ここまで書いてきた4項目は、頼む前にご自身で紙に書き出すだけで、初回相談の質が大きく変わります。書き方の型を置いておきます。
7-1. 4項目を1枚に書き出す
A4紙1枚で十分です。上から順に、次の4行を書きます。
1. 目的: いま何を達成したいか(1〜2行) 2. 成果: 何が起きたら成功と呼ぶか(数字・状態) 3. 窓口: 社内で返事をする人は誰か 4. 範囲: 今回やること/今回やらないこと
全部埋まらなくて大丈夫です。埋まらなかった箇所こそが、初回相談で一緒に固めるところです。「ここが決まっていない」と言葉にできているだけで、話は前に進みます。

7-2. 完璧に埋めてから相談する必要はない
「もっと固めてからご相談しよう」と思ううちに、時間だけが過ぎることがあります。4項目のうち2つが埋まっていれば、十分に始められます。
残り2つは、初回相談の1〜2時間で言葉にする作業を、御縁が伴走する仕事の一部として引き受けます。それが結果として、あとで金額が壊れないための工程になります。
8. お受けしていないご相談
信頼を作るために、お受けしていないご相談も先に書きます。
8-1. 「決まっていない項目」を隠したままの見積依頼
「とりあえず見積だけ出してください。中身は後で詰めます」というご依頼は、御縁ではお受けしていません。
理由はシンプルで、中身を詰める前に金額だけ出すと、後で必ず金額が変わるからです。それは双方にとって時間の無駄で、プロジェクトが炎上する主因の1つとしても指摘されている、認識ズレの入口そのものです。
初回相談は無料ですので、中身が固まっていない段階でも、まずご相談ください。その場で4項目を一緒に固める時間を取ります。
8-2. 「他社の見積もりと比べたいので、まず御縁の金額だけ」
金額だけで比較したいというお申し出も、御縁ではお受けしていません。同じ「GA4分析」でも中身が違うため、金額だけの比較は意味を持ちません。
代わりに、御縁がお引き受けする場合の「何を、どの頻度で、どこまでやるか」の内訳はお出しします。他社の内訳と並べていただければ、公平に比較できる形になります。
8-3. 「決まってないから安くしてほしい」
「まだ本気じゃないから、その分安くしてください」というお申し出も、お引き受けしていません。むしろ、決まっていないほうが工数はかかります(この記事全体で書いてきた通りです)。
もし本気のフェーズがまだ先であれば、今は無料の初回相談だけをご利用いただき、決まってから改めてご相談いただくのが、双方にとって健全な進め方です。
9. まとめ
費用は会社の規模ではなく、「決まっていない項目の数」で変わります。中身は次の4つです。
- 目的と成果の言葉(何ができれば完成か・何が起きたら成功か)
- 社内の窓口(返事の権限が誰にあるか)
- 確認・意思決定の頻度(月次/隔週/週次)
- 範囲の線引き(今回やること/今回やらないこと)
決まっていない項目が多いと、見積修正の往復が増え、進行中に追加費用の相談が入り、関係が摩耗します。だから御縁は、最初に4項目を固める時間を惜しみません。
頼む前にできることは、A4紙1枚に上の4項目を書き出してみることです。埋まらない箇所こそが、初回相談で一緒に固めるところです。
料金の話は「安いか高いか」よりも先に、「何が決まっていて、何が決まっていないか」を言葉にできると、後で壊れません。
「うちの案件で4項目がどこまで固まっているか、聞いてみるだけ」——このくらいの温度感で、初回相談にお越しいただければ十分です。
この記事を書いた人
Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)
上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表
GA4分析・AI検索(GEO)対策・サイト制作・公式LINE構築・現場事務所のバックオフィス支援まで、業種を問わず「本業に集中できる状態」を作るための実務支援をしています。
関連記事








