「反響が入る前に、うちのサイトはどこを見られているのか」——住宅会社の広報担当者・経営者と話していると、この質問が出てくるのは決まって、GA4を開き始めた直後です。
多くの会社が、まず「トップページをどう改善するか」の議論から入って、そのまま止まっています。順序が逆で、先に見るべきは「実際に読まれている上位3ページ」です。GA4なら5分で出てきます。

目次
「反響前の3ページ」を見ないと、直す順番を間違える
住宅会社のホームページで反響(資料請求・来場予約・電話)が発生するまでには、たいてい複数ページ・複数回の訪問が挟まります。SUUMOリサーチセンターの「住宅購入・建築検討者調査(2025年)」でも、ネットで下調べをしてから住宅展示場・モデルハウスへ動く動線が主流であることが定点調査で示されており(SUUMOリサーチセンター)、初回訪問でいきなり問い合わせが入るケースはむしろ少数です。
つまり、反響数だけを追いかけていると、その手前で「何ページを何回」読まれた末に反響につながったのかが見えないままになります。ここが見えないと、サイト改修の相談を受けても「では、まずトップページのファーストビューを直しましょう」という教科書どおりの提案しか出せません。
先に確認すべきは、いま現在のサイトで、反響前に実際にいちばん読まれている3ページはどこか。これがトップページとは限りません。多くの住宅会社サイトでは、施工事例のほうがトップページより長く読まれているというのが普通です。
GA4で「最初に見られる3ページ」を確認する2つの入り口
GA4で「よく読まれているページ」を見るには、実は2つの別のレポートがあります。両方見ないと、"反響前の3ページ"の実像はつかめません。
ページとスクリーン:どのページが何回読まれたか
1つ目の入り口は、「レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン」です。ここでは、サイト内のどのページが表示回数(PV)として何回見られたか、平均エンゲージメント時間はどれくらいか、を一覧で確認できます(インハウスプラス GA4レポート解説、株式会社クリエル GA4 PV数の見方)。
住宅会社サイトの場合、上位に並ぶのはトップページ/施工事例(一覧+主要な事例)/会社案内 or スタッフ紹介の3ジャンルになるのが典型です。上位10行の中でこの3種類がだいたい過半のPVを占める、というのが実務での目安になります。
ランディングページ:どのページから入ってきたか
2つ目の入り口は、「レポート → エンゲージメント → ランディングページ」です。こちらは「サイト訪問時に最初に開かれたページ」だけを集計します(アドエビス GA4ランディングページ分析、プリンシプル GA4ランディングページ実験)。
同じサイトでも、この2つのレポートで上位が入れ替わります。「ページとスクリーン」ではトップページが1位でも、「ランディングページ」では施工事例の個別ページが1位——というのはむしろ普通で、これは検索エンジンから直接、事例ページに着地している人が多いことを意味します。

「うちのサイトのファーストビューを直そう」という議論に入る前に、この2枚を並べて見るだけで、直す優先順位が変わってきます。トップページの改修に半年かけるより、上位に来ている施工事例ページの1枚目を1画面ぶん整えるほうが、反響までの距離が短くなる会社は少なくありません。
住宅会社サイトで実際に上位に来やすい3ページ
「ページとスクリーン」の上位を見ていくと、住宅会社サイトの場合はほぼ次の3ジャンルに収束します。工務店・リフォーム会社向けのGA4活用解説でも、施工事例・お客様の声・会社案内といった主要ページが計測の中心になると整理されています(ゴッタライド 工務店・リフォーム会社向けGA4活用術、株式会社ベイス 住宅業界×GA4)。

1位になりやすい:トップページ
トップページは、指名検索(会社名・代表者名)で入ってくる人と、サイト内で一度別ページを見た人が"戻る"人の両方が集まるため、PVが機械的に膨らみます。
ここで注意したいのは、トップページのPVが多い=トップページの見せ方が効いている、とは限らないということです。指名検索の受け皿として通過しているだけで、実際には次のページ(施工事例・お問い合わせ)へすぐ抜けているというパターンがよくあります。
トップページで見るべきは、PVそのものよりも、「トップページの次にどこへ行っているか」です。これはあとで説明する経路データ探索で追いかけます。
2位になりやすい:施工事例(一覧+個別)
施工事例ページは、検索エンジン経由でいきなり着地することが多いページです。「新潟 平屋 事例」「新潟 二世帯 施工例」など、検討者が具体的な条件で検索したときにヒットしてきます。
「ページとスクリーン」で見ると、施工事例の一覧ページと個別事例ページ数件が上位に混じっているのが普通で、合算するとトップページを上回っていることも珍しくありません。「ランディングページ」レポートでは、施工事例の個別ページが1位を取っているサイトも多いです。
反響前の検討者にとって、施工事例は「うちが建てたい家に近いものが作れる会社か」を判断する材料です。ここが上位に来ているということは、「読まれている」のは事実。問題は、その施工事例ページから次にどこへ動線が繋がっているかです。
3位に来やすい:会社案内/スタッフ紹介
会社案内・スタッフ紹介は、施工事例を数件読んだあとに「じゃあ誰が建てているのか」を確認しに来る、比較検討フェーズの終盤で必ず通過するページです。LIFULL HOME'S Businessの工務店向け解説でも、施工事例集の"次のステップ"としてファンをつくる会社案内の重要性が指摘されています(LIFULL HOME'S Business 工務店の会社案内デザイン)。
このページの平均エンゲージメント時間が1分を切っているなら、多くの場合、代表挨拶と沿革だけで終わっているか、現場で家を建てている人の顔と名前が載っていないサイトです。反響直前で信頼を積み損ねているサインなので、優先的に手を入れる価値があります。
ここでよくあるのが「うちの会社案内は読まれていない」という思い込みですが、GA4を実際に開くとほぼ必ず上位10行以内に入っています。読まれていないのではなく、読まれた結果、そこで止まっている——というのが実像です。
上位3ページで押さえるべきこと(反響直前でこぼさない)
3ページそれぞれに、この段階で最低限やっておきたい実装があります。新しくコンテンツを作る話ではなく、順序を整える話です。
トップページ:最初の1画面で「誰向けの会社か」を言い切る
トップページに来た検討者が最初に見るファーストビュー1画面で、「新潟の◯◯エリアで、△△な家を建てている会社」だと1行で分かるようにする。ここが「あたたかい家」「家族の笑顔」といったどの会社にも当てはまるコピーで埋まっていると、次のページに進む理由が消えます。
そのうえで、上部に「施工事例」「モデルハウス来場予約」「資料請求」の3本柱を目立たせる。トップページの役割は、次のページに送り出すことで、そこで完結させることではありません。
施工事例:一覧ページから絞り込めるようにする
施工事例で反響につながっているサイトは、延床・坪数・予算帯・エリア・こだわり(吹き抜け/二世帯/ガレージ等)で絞り込めるフィルタを持っています。「事例が並んでいるだけ」だと、検討者は自分に近い1〜2件を探せずに離脱します。
集客できる工務店ホームページの実装解説でも、事例・サービス・強みが連動していないと問い合わせにつながらないと整理されています(スリーカウント 集客できる工務店ホームページの作り方)。
個別事例のページには、同じ会社の別の事例への内部リンクを2〜3本張っておく。1件を読むと、自然にもう2件読める状態にすると、平均閲覧ページ数が変わります。
会社案内:現場で家を建てている人の顔と名前を出す
代表挨拶と沿革だけの会社案内は、「誰が建てているのか」の答えになっていません。反響直前の検討者が確認したいのは、設計士・現場監督・大工の顔と名前と役割です。
工務店ホームページ制作の解説でも、大工・現場監督・設計士の顔・役割・コメントを載せることで、相談時の心理的な安心感につながると整理されています(NTTタウンページ デジタルリード 工務店ホームページ制作)。
顔写真・氏名・役割・簡単な経歴・ひとことの5点セットが5〜10人分並んでいるだけで、滞在時間が2〜3倍になる会社もあります(自社GA4で改修前後を比較して確認する価値があります)。

上のグラフは、住宅会社サイトで上位3ページに閲覧が集中しやすい割合のイメージです。この3ページで全PVの7割前後を占めるサイトが多く、残り3割を"その他ページ"が分け合っている、というのが典型的な分布です。自社のGA4で同じ集計を出して、まず自社の3ページを確定させてください。
「上位3ページ」だけでは足りない。反響直前ページを別に見る
ここまでは「よく見られているページ」の話です。ただし、よく見られているページ=反響に効いているページ、とは限りません。トップページはPVが多くても、そこから反響ページに直接進んでいるかは別の話です。
反響に効いているページを特定するには、GA4の「探索 → 経路データ探索」を使います。終点に「resource_request(資料請求フォーム)」や「/thanks」などの反響ページを指定すると、その1歩手前にどのページがあったかが分かります(コアース・デザイン GA4経路データ探索、クロスエモーション GA4経路データ探索の使い方)。

住宅会社サイトの実務では、反響直前の1歩手前ページは「施工事例の個別ページ」か「モデルハウス紹介ページ」のどちらかに集中していることがほとんどです。「ページとスクリーン」の上位3ページと、「経路データ探索」で出てくる反響直前ページを並べて確認すると、PVは多いのに反響につながっていないページ(=改修余地)が見えてきます。
たとえば、「ページとスクリーン」で1位のトップページが、経路データ探索の反響直前ページにはまったく出てこない——ということもあります。この場合、トップページの改修は後回しでも構いません。先に触るのは、経路データ探索に出てきているページです。
2段階で見ると、直す順序が決まる
住宅会社サイトのGA4分析は、「ページとスクリーン/ランディングページで上位3ページを確定させる」→「経路データ探索で反響直前ページを確定させる」の2段階で見るのが実務的です。
- 1段階目(上位3ページ):トップページ/施工事例/会社案内の3ジャンルが上位に来ているか。それぞれの平均エンゲージメント時間はどうか。"読まれているが止まっている"ページがないか
- 2段階目(反響直前ページ):資料請求・来場予約・電話の1歩手前は、実際にはどのページか。その上位3ページと重なっているか、それとも別のページか
この2段階で自社サイトを見ると、「まずどこから直せば反響数に効くか」の順序が自然に決まります。トップページを直すのは、この2つを確認したあとでも遅くありません。
住宅会社のサイト改修で反響数を伸ばすときに、最初にやるべきことは「新しいコンテンツを作る」ことではなく、「いま何が読まれ、何が反響につながっているかをGA4で確定させる」ことです。
御縁のGA4分析サービスでは、上記の2段階の見方でサイト全体を棚卸ししたあと、"次にどこから触るべきか"を順序の形で出しています。「アクセス解析は開いてはいるが、次に何をすればいいか分からない」段階の相談から入っていただけます。
この記事を書いた人
Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)
上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表
新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。
関連記事


