「メール1本に、30分かかる」

「お礼メール1本に、30分もかかってしまう」——中小企業の社長や事務の担当者から、よく聞く声です。
内容そのものは、決まっています。前日ごちそうになったお礼、次の打ち合わせの日程確認、資料をお送りする一言。用件は決まっているのに、書き出しで手が止まるのです。「拝啓」から始めるべきか、「お世話になっております」でいいのか。締めは「よろしくお願いいたします」でいいのか。
同じ悩みは、noteのコメントにもよく届いています。
- 「退任のあいさつ状の言い回しが、思いつかない」
- 「あいさつ文が、いつも同じ形になってしまう」
- 「細かな事務作業に追われて、本来の仕事に時間が使えない」
用件は決まっている。相手も決まっている。それでも、書き出しで止まる。ここでAIの出番です。
▶ 関連:工事写真とその日のメモをAIに渡して、日報の下書きを当日中に作る手順
文章の下書きは、AIが一番得意にしている仕事

帝国データバンクの調べ(2026年3月・生成AIに関する企業の動向調査)では、企業がAIを実際に使っている用途で、一番多かったのは「文章の作成・要約・校正」で45.1%でした。2位の「情報収集」21.8%を大きく引き離しています。
つまり、AIが一番得意にしていて、実際に一番使われているのが、文章の下書きです。メールやあいさつ文は、そのど真ん中に入ります。
私自身も、お礼メール・案内メール・請求書に添えるひと言などは、まずAIに下書きさせてから直す形にしています。ゼロから書き始めるのではなく、下書きを直すやり方に変えるだけで、かかる時間はだいぶ短くなります。
大事なのは、「うまく書けなくていい」ということです。AIが出してくる下書きは、7割の完成度で十分。そこから相手に合わせて言葉を1〜2か所直せば、10分で1本のメールが仕上がります。
▶ 関連:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」
頼み方は、3つの材料で決まる

AIに文章を頼むとき、うまくいく人と、うまくいかない人には、はっきり差があります。差は、3つの材料を渡しているかどうかです。
材料1:相手はだれか
取引先の社長なのか、初めて連絡する担当者なのか、社内の同僚なのか。相手が変わると、言葉づかいと丁寧さの度合いが変わります。
材料2:用件はなにか
お礼だけなのか、次の予定の確認もあるのか、資料の送付があるのか。ここは箇条書きで、思いついた順に並べれば十分です。
材料3:どんな形にしたいか
メール本文なのか、ハガキの文面なのか、200字の短いあいさつなのか。文字数か、行数か、形式を1つ決めるだけで、出てくる下書きが安定します。
この3つが揃っていれば、AIは相手に合った文面を出してきます。逆にどれかが抜けると、「取引先」なのか「友人」なのかで迷ったAIが、当たり障りのない、ぼんやりした文章を出してきます。
▶ 関連:毎日AIに使う3つの型 —— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ
【実物】そのまま使える頼み方3つ

下の3つは、ChatGPT・Claude・Geminiの入力欄に、そのまま貼り付けて使えます。山かっこ〈 〉の中身だけ、あなたの状況に書き換えてください。
その1:お礼メール
“`
取引先へのお礼メールを、下書きしてください。
相手:〈相手の会社名と役職。例:御縁株式会社 石本社長〉
用件:
- 昨日〈日時〉に〈場所〉でごちそうになったお礼
- 次の打ち合わせの日程を、来週中で3つ提案したい
形:メール本文で。件名も1つ提案してください。300字くらい。
私は〈自分の会社名と名前〉です。
“`
その2:あいさつ文(役職や部署の変更のとき)
“`
社内の異動のあいさつ文を、下書きしてください。
私:〈これまでの部署・役職〉から〈新しい部署・役職〉に、〈日付〉付けで異動しました
渡す相手:これまで一緒に仕事をした社内の部署(30人ほど)
形:メール本文で。200字くらい。あまり堅くしすぎず、感謝を1行、これからのお願いを1行、必ず入れてください。
“`
その3:案内メール(社外へ)
“`
展示会のご案内メールを、下書きしてください。
相手:これまでにお取引のあるお客様(既存顧客)
用件:
- 〈日付〉に〈会場〉で開かれる〈展示会名〉に、当社が出展する
- ブース番号は〈番号〉
- お立ち寄りいただければ、〈新しい商品/サービス〉をご案内する
形:メール本文で。件名も3つ提案してください。400字くらい。押しつけにならない言い方で。
私は〈会社名・部署・名前〉です。
“`
もう一歩:直したいところが出てきたら、続けて話しかける
下書きが出てきたあと、そのままコピーする必要はありません。続けて話しかけると、AIは何度でも直してくれます。
- 「もっと短く、150字にしてください」
- 「もっとていねいに、社長宛ての言い方にしてください」
- 「〈相手の名前〉さんは、去年うちの社員研修に来てくれた方です。そのお礼を1行、冒頭に足してください」
メールは、書くより「頼む」が先。ゼロから書き始めるのではなく、AIに下書きを頼んで、あなたは直すところだけを考える。この順番に変えるだけで、事務の時間はまるごと軽くなります。
▶ 関連:「ChatGPTは使っている」の次にやると効くこと —— 社内の型をAIに毎回渡す仕組み
同じ困りごとなら、代わりにやります
「頼み方の型を、社内の誰でも使える形にしたい」
「メールだけでなく、あいさつ状・案内状・社内文書もAIで回したい」
「うちの業種に合った文面のひな形を、いくつか作っておいてほしい」
そんな社長は、私に任せてください。会社ごとの言い回しの好み・お客様の呼び方・よく使う定型文まで含めて、社員が明日から使える「頼み方の指示書」を作ります。
その困りごと、AIで解決します。
御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。
バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。
▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)
▶ サービス一覧:御縁のサービス
参考データ・関連記事
- 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」— 生成AIの活用用途で「文章の作成・要約・校正」が45.1%で最多
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260514-genai/
- 御縁ブログ「毎日AIに使う3つの型」— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ
https://goen-growth.com/毎日aiに使う3つの型-プロンプトの土台・チェ/
- 前回の公開記事:AIに最初の質問をしてみよう。無料で始める3つの手順
https://note.com/goen_ishimoto/n/nc4aafe1cfeab
次回は、「AIは、なぜ自信たっぷりにまちがえるのか」です。今日の頼み方でAIが下書きを出してくれるようになると、次に気になるのは「その中身、本当に合っているのか」です。まちがいを見つける確認の3ステップを、次の記事でお渡しします。
質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。
「うちの会社でも、今からAIを始められる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。
御縁 代表 石本政晴
この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

