前回の実験(「新潟市 注文住宅 おすすめ」とAIに聞くと何が出るか実験した)で、AI検索は同じテーマでも聞き方を少し変えるだけで挙がる会社と参照元がガラッと変わる、という結果になりました。
「たまたまじゃないのか」——そう思われた方もいると思います。再現性を確かめないと、対策の話には進めません。 そこで今回は、聞き方の型を意図的に変えた3つのクエリで同じ実験を走らせ直しました。

目次
なぜ第2弾を回すのか
第1弾でわかったのは、大きく3つのことでした。
- AIは自社サイトを直接読んで会社を選んでいるわけではない。住宅比較ポータルやGoogleクチコミ集計サイトを経由して会社名にたどり着いている
- 同じテーマでも質問の言葉が変わると参照する情報源そのものが変わる。挙がる会社が総入れ替えになる
- Web検索を使わないAIに聞くと、地元の会社は土俵にすら上がらず、全国区の大手の話に終始する
ここから対策に進むには、「別のクエリでも同じ現象が起きるのか」を先に確かめる必要があります。1回きりの結果に対策を張っても、翌月の聞き方には効かないからです。
検証方法
前回と同じくAIアシスタント(Claude)のWeb検索機能を使い、住宅会社の経営者・広報担当が実際に検索窓へ入れそうな3つの言い回しでAIに答えてもらいました。
- テストA(市レベル・工務店指名): 「新潟市 工務店 おすすめ ランキング」
- テストB(県レベル・時点明示): 「新潟県 注文住宅 ハウスメーカー ランキング 2026」
- テストC(属性指定・話し言葉): 「新潟市 家を建てる 高性能 住宅会社」
前回の2クエリ(「新潟市 注文住宅 おすすめ 会社」「新潟市 工務店 口コミ 評判 ランキング」)と重ならない言い回しをあえて選び、「範囲」「時点」「属性」という3種類の変化を1回ずつ加えています。

テストA: 「新潟市 工務店 おすすめ ランキング」
まず前回と一番近い、市レベル・比較検討寄りの言い回しから。
AIが挙げた会社は次の3社でした(要約より抜粋)。
- オフィスHanako(新潟の気候・風土を熟知、通常10年の地盤保証を20年に)
- イシカワ(作業効率と大量仕入れでコストを抑えた家)
- 株式会社本間工務店(高性能断熱材と高断熱樹脂窓のゼロエネルギー住宅)
参照元として名前が挙がったのは、Houzz(住宅プロ検索)/いい家ネット/auka/LIFULL HOME'S/フドナビ/お家の買い方相談室/みんなの工務店リサーチ——すべてが住宅比較ポータルでした。前回テスト1(SUUMO・HOME4Uなど)と参照元の顔ぶれは少し入れ替わっているものの、「ほぼ全部がポータル」という骨格は完全に再現しています。
テストB: 「新潟県 注文住宅 ハウスメーカー ランキング 2026」
範囲を「市」から「県」に広げ、末尾に「2026」を付けて時点を明示しました。ここで結果の性質がはっきり変わります。
- 一条工務店(1位・参考本体価格 1,750万円〜・坪単価 50.0〜60.0万円)
- タマホーム(2位)
- DETAIL HOME(3位)
- パパまるハウス(北陸基準の厳しい気候に対応した高性能)
県レベルにした瞬間、全国区の大手ハウスメーカーが上位を占めるようになりました。 参照元もSUUMO・LIFULL HOME'S・auka・onetopなどで、「県全体でのランキング」を出しているポータルが優先的に選ばれる動きです。県ランキングはページ設計上、規模の大きい会社が上に来やすいので、地域密着の中小工務店が県レベルのクエリで前面に出るのは構造的に難しいという読み方ができます。

テストC: 「新潟市 家を建てる 高性能 住宅会社」
最後は、話し言葉に近い「家を建てる」と、属性キーワードの「高性能」を組み合わせました。
- スターホーム(長期優良住宅の認定基準を超える基本性能、北海道基準の断熱)
- アドハウス(R+house)(耐震・断熱・気密の性能重視)
- ハーバーハウス(坪40万円台からの完全自由設計、年間約480棟)
参照元はHOME4U 家づくりのとびら/タウンライフ/LIFULL HOME'S/R+house公式サイト/おうちの教科書。ここで初めて、ネットワーク型のブランド公式サイト(R+house)が参照元として登場しました。「性能」という属性ワードは、性能を打ち出しているローカルビルダーとネットワーク公式サイトを引き寄せる、という傾向が見えます。
前回と今回、4クエリで見えた3つのこと
第1弾の2クエリと今回の3クエリを並べて、共通点と相違点を整理します。

①「参照元はほぼポータル」は再現された。 5クエリすべてで、AIの参照元の中心はSUUMO・LIFULL HOME'S・HOME4U・Houzz・aukaなどの住宅比較ポータルでした。自社サイトが参照元として直接引かれるケースは、この5クエリでは1件も観測されませんでした。 GEO対策の話でよく「自社サイトを整える」が語られますが、その前段としてポータル上の見え方がAIに拾われる出発点になっている、という現実は動きませんでした。
②複数のクエリで再登場する会社がいる。 5クエリを通じて、オフィスHanako・スターホーム・DETAIL HOMEの3社は2つ以上のクエリで名前が挙がりました。これらは複数のポータルに厚く掲載され、坪単価・施工事例・強みが具体的に整理されているという共通点を持っています。1つのポータルに載っているだけの会社は、クエリが変わると簡単に外れます。ここが「アンカー効果」の輪郭です。

③範囲・時点・属性で顔ぶれは総入れ替えになる。 市レベルは地域密着の中小、県レベルは全国大手、属性指定はその属性を打ち出しているローカルとネットワーク型ブランド——同じ「新潟で家を建てる会社」でも、聞き方の型が変わればAIの向き先も変わります。「うちの想定顧客はどの型で検索するのか」を先に決めないと、対策は空振りする、というのが今回のいちばん重い学びです。
AI検索の対策は、自社サイトの中身を磨く前に「AIが参照する場に、うちがちゃんと載っているか」を先に見に行くほうが早い。 これが2回の実験を通して確信に変わったことです。
住宅会社が今日からできること
対策の順序は、次の4つで整理できます。
- 主要ポータル4〜5社の掲載内容を見直す:SUUMO・LIFULL HOME'S・HOME4U・auka・お家の買い方相談室あたり。坪単価目安・施工事例・強みの3点が具体的に書かれているかを1件ずつ確認する
- 自社が狙う「聞かれ方」を3〜5パターン決める:市レベル/県レベル/性能属性/価格帯/子育て・二世帯などライフスタイル——想定顧客が使いそうな型を先に洗い出す
- 想定パターンで実際にAIに聞いてみる:ChatGPT・Google AI Overviews・Perplexityで月1回、5パターンずつ回して自社の名前が出るかを記録する。出ないパターンは、そのパターンで参照されているポータル側の掲載を厚くする
- 自社サイトも構造化データで下ごしらえしておく:将来AIが自社サイトを直接読むようになった時に備える。詳細は 住宅会社がAI検索に引用されるための構造化データ を参照
まとめ
第2弾の実験でわかったのは、第1弾の「聞き方が変わると顔ぶれが変わる」は別のクエリでも再現したという事実と、その中で複数のクエリで再登場する会社は複数ポータルに厚く載っているという新しい観察でした。
対策の起点は自社サイトではなく、ポータル上の見え方——この順番だけは、5クエリの結果が同じ方向を向いています。まず自社が「どのポータルに、どのくらいの厚さで載っているか」を1枚のシートに書き出すところから始めるのが、遠回りに見えて最短でした。
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参照した情報源
- Houzz「新潟県 新潟市の工務店 人気ベスト15」
- いい家ネット「新潟県 新潟市全域で施工できる工務店・リフォーム会社」
- auka「新潟市の注文住宅 おすすめ工務店・ハウスメーカー」
- LIFULL HOME'S「新潟県の住宅メーカーの人気会社ランキング(2026年4月)」
- SUUMO注文住宅「新潟県ハウスメーカー・住宅メーカーランキング(2026年3月4日更新)」
- HOME4U「家づくりのとびら」新潟県エリアページ
- タウンライフ家づくり「新潟市でおすすめの注文住宅ハウスメーカー・工務店9選」
- R+house公式「新潟県の注文住宅」
- おうちの教科書「新潟県の注文住宅おすすめ住宅会社5選」
この記事を書いた人
Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)
上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表
新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。
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