「それ、本当に合ってるの?」が、次に気になる

前の記事で、メールの下書きをAIに頼む3つの材料をお渡ししました。実際に試した方から、次に多く届くのがこの声です。
- 「AIが出してきた文章の中身、本当に合っているのか不安」
- 「自分で読み返すけれど、どこを確かめればいいのか分からない」
- 「お客様に送る前に、必ず読み返すようにはしているが、見落としが怖い」
noteのコメントにも、同じ声が届いています。「AIが参照している数字が古い場合、どの段階で人が確認して直しているのか」「公開する前に『これは自分の言葉として出して恥ずかしくないか』と読み返している」——悩みの中身は、ほぼ同じです。
使い始めて1〜2週間で、必ず当たるのがここです。AIは、文章としては不思議なくらい自然に書きます。だから便利に見える。でも、だからこそ、どこを確かめればいいのか分からなくなります。
▶ 関連:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」
まちがえる場所は、決まっている

帝国データバンクが2026年3月に出した調査では、企業がAIを使ううえで一番の課題として挙げたのが「情報の正確性」で、全体の50.4%でした。2位の「人材・ノウハウ不足」41.3%、3位の「使う業務の範囲」40.0%を押さえて、堂々の1位です。
つまり、「中身が本当に合っているか」は、業界や会社の大小に関係なく、みんなが同じように不安に思っている場所です。
ではなぜ、AIはそんなに間違えるのか。AIには ハルシネーション(直訳すると「幻覚」)という性質があります。事実と違うことを、まるで事実のように、自信たっぷりの文章で書いてくる性質です。
ここで、私の恥ずかしい体験を1つ書きます。
私はこの御縁ブログの記事を、AIに書かせる仕組みで運用しています。ところが、ある時期までに公開した8本を通して読んだら、
- 私の経歴の年数が、記事ごとにちがう数字で書かれていた
- 私の名前が、「石本 政晴」のほかに別の漢字に化けた誤字で、複数の記事に混じっていた
という状態になっていました。AIが「それっぽい」綴りに勝手にすり替えていたのです。
恐ろしいのは、どれも文章として読むと、まったく違和感がないことです。別の漢字に化けた名前も、ふつうに読めてしまいます。経歴の年数も、どの数字が並んでいても、経営者の経歴として自然に見えてしまいます。だから私自身も、しばらく気づけませんでした。
この体験から、1つの整理ができました。AIが間違えるのは、「もっともらしく書ける場所」です。具体的には 3つしかありません。
- 数字(金額・数量・年数・パーセント)
- 固有名詞(人名・会社名・商品名・地名)
- 判断(やるべきかどうか・提出していいかどうか)
逆に、文章の流れ・言い回し・丁寧さ・論理の順番は、AIはあまり間違えません。前後のつじつまで書いていけるからです。
▶ 関連:AIに任せて事故りかけた話 —— 数字と固有名詞は人が確認する
【実物】公開前に見る、確認の3ステップ

ここからが実物です。AIの下書きが出てきたら、お客様に送る前に、下の3ステップで見てください。メール1本なら3分、長い文書でも10分で終わります。
ステップ1:数字だけを拾い読みする
いちばん先にやるのは、文章として読まないことです。本文を読むと、流れや言葉づかいに引っ張られて、肝心の数字を見落とします。
やり方は、本文の最初から最後まで、数字が出てくるところだけ、指でなぞって拾っていく。日付・金額・数量・パーセント・年数。1つずつ、元の資料(メール、見積、名刺、カタログ)と見比べる。合っていたら〇、違ったら赤で直す。
5分もかかりません。これだけで、金額の桁ずれ・日付の間違い・パーセントの読み違えは、ほぼ防げます。
ステップ2:人の名前・会社の名前・商品名を照合する
次は、固有名詞だけを拾います。
- 相手の会社の正式名称(「株式会社」が前か後か)
- 相手の名前と役職(名字と名前の漢字・役職の呼び方)
- 商品やサービスの名前(カタカナの表記ゆれが多い)
照合する相手は、相手の公式サイトか、過去にやり取りしたメールです。1つでも違ったら、AIにそのまま打ち返して直してもらう。
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〈相手の会社名〉の正しい表記は「〈正しい名前〉」です。文中の表記を、すべてこれに統一してください。
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ステップ3:数字の出どころを聞き返す
もしAIの下書きの中に「〜%」「〜円」「〜年」など、AIが外から持ってきた数字が入っていたら、そのまま使わずに、必ず出どころを聞きます。
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その数字の出典(元のデータ・公的な調査名・サイトのURL)を、1つずつ教えてください。
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AIが「出典は不明」「一般的に言われている数字」と答えたら、使わないでください。公的な調査・企業の公式発表・ニュース記事など、出典が言える数字だけを残します。
ひと言、まとめます。
AIは、文章としては自然に書く。だから、数字と名前だけ分けて見る。この順番だけ守れば、「もっともらしいまちがい」は、ほとんど止められます。
▶ 関連:AIに最初の質問をしてみよう。無料で始める3つの手順(note #5)
同じ困りごとなら、代わりにやります

「社員がAIを使い始めたが、公開前のチェックが仕組みになっていない」
「お客様に送る文書で、名前や数字の間違いが混じらないようにしたい」
「社内の『正しい表記』をAIに毎回渡して、間違えない運用にしたい」
そんな社長は、私に任せてください。会社ごとの正式名称・代表者名・住所・サービス名の表記を、AIに毎回渡す「正典ファイル」の形にして、社員がどのAIで書いても同じ正しい表記で出てくるようにします。公開前のチェック手順も、紙1枚にまとめます。
その困りごと、AIで解決します。
御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。
バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。
▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)
▶ サービス一覧:御縁のサービス
参考データ・関連記事
- 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」— 企業がAIを使う上での課題1位は「情報の正確性」で50.4%
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260514-genai/
- 御縁ブログ「AIに任せて事故りかけた話 —— 数字と固有名詞は人が確認する」— 私の名前が複数の誤字で書かれていた話・経歴年数の記述が記事ごとに食い違っていた話の実測
https://goen-growth.com/aiに任せて事故りかけた話-数字と固有名詞は/
- 前回のnote記事:お礼メールやあいさつ文を、AIに下書きしてもらう。そのまま使える頼み方3つ
https://note.com/goen_ishimoto/n/nff79f952833c
次回は、「ChatGPT・Claude・Gemini、最初はどれを使えばいい?」です。「中身の確認」の次に多い質問が「結局どれを使えばいいのか」です。3つの違いを目的別に表にして、お渡しします。
質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。
「うちの会社でも、今からAIを始められる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。
御縁 代表 石本政晴
この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

