「AIに仕事を奪われる?」と聞かれたら、こう答える

「お前も、AIに仕事を奪われるんじゃないか」

「お前も、AIに仕事を奪われるんじゃないか」

AIの記事を書いていると、コメントでこんな声に出会います。

  • 「親戚に『お前もAIに仕事を奪われるんじゃないか』と言われた」
  • 「子どもに『お父さんの仕事、AIに取られて大丈夫?』と心配された」
  • 「会社の上司から『この部署、AIで半分にできるんじゃない?』と冗談のように言われた」

同じ質問を、私も家族や友人から受けます。

以前の私は、うまく答えられませんでした。「大丈夫だよ」で済ませたこともあれば、「わからない」と黙ってしまったこともあります。

今日は、同じ質問を受けたときに、落ち着いて答えられる形をお渡しします。

答えのひな形まで、記事の後ろに置いておきます。

▶ 関連:AIに任せた仕事が、8日間ぜんぶ空振りしていた。「完了」の表示を信じてはいけない理由


「仕事がなくなる不安」は、日本でも増えている

「仕事がなくなる不安」は、日本でも増えている

まず、事実から見ます。

総務省の調べ(令和7年版 情報通信白書)では、生成AIを使ったことがある人は、日本で26.7%。でも、AIを使うときのリスクとして「既存の仕事がなくなる」という懸念が、前の年より目立って増えています。使ったことがある人も、まだ使っていない人も、同じ不安を持っているということです。

一方で、企業が実際にAIにさせていることを調べると、別の数字が出てきます。

帝国データバンクの調べ(2026年3月・生成AIに関する企業の動向調査)では、企業の活用用途の1位は「文章の作成・要約・校正」で45.1%。2位の「情報収集」21.8%を大きく引き離しています。

つまり、企業は仕事を「ぜんぶ」渡しているのではなく、「下書き」や「要約」といった作業の一部を渡しているだけです。

そして同じ調査では、企業が感じている一番の課題は「情報の正確性」で50.4%。AIが出したものを、最後に人が確かめている会社がほとんど、ということです。

「仕事がなくなるかもしれない」という漠然とした不安と、現場で起きていることの間には、思っているより大きな差があります。

▶ 関連:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」


仕事を「ひとかたまり」で見ると、不安になる

仕事を「ひとかたまり」で見ると、不安になる

「AIに仕事を奪われる?」と聞かれて不安になるのは、仕事をひとかたまりで見ているからです。

でも、どんな仕事も、よく見ると作業の集まりです。

たとえば、経理の仕事を分けてみます。

  • 請求書を見て、仕訳を入力する
  • 月末に、売上と経費を集計する
  • 消費税や源泉税の計算を確認する
  • 来月の資金繰りを判断する
  • 税理士と相談して、節税の方針を決める
  • お客様に、支払いの相談を直接する

このうち、AIが得意にしているのは最初の2つくらいです。

「集計する」「下書きを作る」「表に整える」。ここは、AIに頼むとすぐに答えが返ってきます。

でも、資金繰りを判断する、税理士と方針を決める、お客様に直接相談する。この3つは、人に残ります。数字の読みと、お客様との関係と、責任を取ること。この3つはAIには渡せません。

仕事全体を見ると「奪われる」と感じる。

でも、作業に分けてみると、AIに渡せるところと、残るところが、はっきり分かれる。

この見方の違いが、不安と現実のあいだのギャップです。

▶ 関連:AIに任せてよかった仕事・任せられなかった仕事 —— 自社で試して分かった6つの線引き


【実物】「AIに渡す仕事・人に残す仕事」の仕分け表

【実物】「AIに渡す仕事・人に残す仕事」の仕分け表

迷ったら、この表を見てください。

スマホのメモに貼っておくと、聞かれたときにすぐ出せます。

AIに渡せる作業(任せられる)

  • □ 情報を集めて、短くまとめる
  • □ 文章の下書き(メール・報告書・あいさつ文)
  • □ 数字の集計、表の整理
  • □ 録音した話を、文字に起こす
  • □ 長い資料を要約する
  • □ 言葉の意味を、やさしく言いかえる

人に残る作業(手放さない)

  • □ 最後の判断(出すか/出さないか・買うか/買わないか)
  • □ お客様に顔を出す、直接話す、頭を下げる
  • □ 責任を取ること
  • □ 新しいことを決める(まだ答えがないこと)
  • □ 数字と固有名詞の最終確認
  • □ 社内の人の気持ちを汲むこと

答え方のひな形(親戚や家族に聞かれたとき)

“`

仕事ぜんぶが奪われるわけじゃないよ。

今、企業がAIにさせているのは、

下書きとか集計みたいな「作業の一部」。

人の仕事は、

最後の判断、お客様とのやり取り、責任を取ること。

ここは人に残る。

だから、仕事の中身は少しずつ変わるけど、

「ぜんぶなくなる」ではなく、

「作業の一部を手放す」が、今起きていること。

“`

この表の教訓は、ひとつです。

「AIに仕事を奪われる」のではなく、「作業の一部を手放す」。

手放すのは、下書きや集計のような、やらなくても困らない作業。

残るのは、人がやるからこそ意味のある、判断と関係と責任です。

▶ 関連:AIを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び方


同じ困りごとなら、代わりにやります

「うちの会社の仕事を、AIに渡せる作業と、人に残す作業で分けてほしい」

「社員の不安に、社長としてちゃんと答えたい」

「作業の一部をAIに移して、人の時間を判断と関係づくりに回したい」

そんな社長は、私に任せてください。

会社の仕事をひとつずつ見て、AIに任せる作業・人に残す作業に仕分け、社員が明日から安心して使える「渡し方の指示書」を一緒に作ります。

その困りごと、AIで解決します。

御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。

バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。

▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)

▶ サービス一覧:御縁のサービス

▶ 関連:御縁に相談すると、最初の1ヶ月で何が起きるのか


参考データ・関連記事

  • 総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状 — 生成AI利用経験者は日本で26.7%、AI利用リスクのうち「既存職が消滅する可能性」への懸念が顕著に増加

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112210.html

  • 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」— 生成AIの活用用途で「文章の作成・要約・校正」が45.1%で最多、課題のトップは「情報の正確性」50.4%

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260514-genai/

  • 御縁ブログ「AIに任せてよかった仕事・任せられなかった仕事 —— 自社で試して分かった6つの線引き」

https://goen-growth.com/aiに任せてよかった仕事・任せられなかった仕事/

  • 前回の公開記事:ChatGPT・Claude・Gemini、最初はどれを使えばいい?

https://note.com/goen_ishimoto/n/n8e9d38b191fb

次回は、「『プロンプト』ってなに? AIへの頼み方は、3つの材料で決まる」です。今日の仕分け表で、AIに渡せる作業は見えました。次は、その作業をAIにうまく頼むための「3つの材料」を、ひな形付きでお渡しします。

質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。

「うちの会社の仕事、どこまでAIに渡せる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。

▶ https://lin.ee/S9bBejs

御縁 代表 石本政晴

この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

ChatGPT・Claude・Gemini、最初はどれを使えばいい?

「3つあって、選べない」

「3つあって、選べない」

「ChatGPTは聞いたことがある。けれどClaudeやGeminiもあって、結局どれから触ればいいのか分からない」——会社の社長や、これからAIを触ってみたい担当者から、よく聞く声です。

テレビや新聞では「ChatGPT」の名前がよく出ます。社内の若い社員は「Gemini」を使っていると言う。SNSでは「Claudeがいい」という投稿が流れてくる。3つ並ぶと、どれを選べばいいのか、よけい分からなくなります。

noteのコメントにも、同じ悩みがいくつも届いています。

  • 「限られた予算で、どのAIを優先して使えばいいか分かりません」
  • 「無料プランから、有料プランに移すべきか判断がつきません」
  • 「ChatGPTとClaude、課金するならどちらを先にすべきか、毎日のように考えてしまいます」

答えから先に書きます。3つとも、まずは無料で使えます。だから、選ぶ前に全部触っておく。選ぶのは、触ってみてからです。

▶ 関連:AI導入で最初に必要なのは、ツール選定ではなく「渡す情報の棚卸し」


3つとも、無料プランがある

3つとも、無料プランがある

まず、2026年10月の時点で、3つのツールの料金はこうなっています。無料プランと、月額の有料プランが用意されているのは、どれも同じです。

ChatGPT(オープンエーアイ社)

無料プランがあります。アカウント登録だけで、ブラウザから使えます。有料プランもあります(金額はログイン後の案内画面でご確認ください)。

Claude(アンソロピック社)

無料プラン $0。アカウント登録だけで使えます。有料のProプランは月$20(公式サイトの料金ページで公開されています)。無料プランでも、同社の「Sonnet」「Haiku」というモデルが使えます。

Gemini(グーグル社)

無料 ¥0。Googleアカウントがあれば、そのまま使えます。有料のGoogle AI Proプランは月¥725(公式サイトの料金ページで公開されています)。無料プランでも、「Gemini 3.6 Flash」というモデルが使えます。

数字の桁や呼び方は時々変わります。使う前に、必ず各社の公式ページを一度ご覧ください(検索窓に「ChatGPT 料金」「Claude pricing」「Gemini 料金」と入れれば、公式のページが最初に出てきます)。

大事なのは、「とりあえず有料から入らない」ということです。3つとも、無料プランで、文章の下書き・質問・ちょっとした相談は、ふつうにできます。有料プランは、無料で物足りなくなったときに考えればいい話です。

▶ 関連:Claude.ai 公式料金ページ


私はこう使い分けている

私はこう使い分けている

「とはいえ、仕事で毎日使う1つは決めたい」という声もよく届きます。参考までに、私が今、3つをどう使い分けているかを書きます。会社員22年のあと独立し、2022年から複数のAIツールに月額を払って試してきた結果の、今の形です。

メインは Claude(文章・分析・自動化)

会社の資料づくり、長い文章の下書き、お客様とのやり取りの整理、自動化の仕組みづくり——いちばん時間を使う仕事は、Claudeに任せています。前後のつじつまが合った文章を、長く安定して書いてくれるのが選んだ理由です。

画像の生成は ChatGPT

会社のチラシ・ブログの見出し画像・紹介カードなど、絵が必要なときは ChatGPTの画像生成を使っています。日本語のあしらいが崩れにくく、「オフィスの写真風」「イラスト風」などの指定も、素直に出してくれます。

動画のナレーション音声は Gemini

最近は、動画の読み上げ音声を Gemini で作っています。無料プランでも1日に何回か使え、聞いたときの違和感が少ないのが決め手です。

ひと言、まとめます。

3つとも無料で触れる。選ぶのは、使ってみた後でいい。1つに決めてから、物足りない部分だけ、別のツールの無料プランで補えば十分です。

▶ 関連:「ChatGPTは使っている」の次にやると効くこと —— 社内の型をAIに毎回渡す仕組み


【実物】目的別の選び方表+「最初の3日」で3つを無料で試す順

【実物】目的別の選び方表+「最初の3日」で3つを無料で試す順

ここからが実物です。まず、よくある用途と、今おすすめのツールの一覧です。有料プランは、無料で続けてみて物足りなかったときに検討してください。

目的別の選び方表(私の使い分け・2026年10月時点)

| やりたいこと | まず試すツール | 次の候補 |

|—|—|—|

| お礼メール・あいさつ文の下書き | Claude(無料) | ChatGPT(無料) |

| 社内資料の要約・たたき台 | Claude(無料) | ChatGPT(無料) |

| 分からないことを聞く(調べもの) | Gemini(無料) | ChatGPT(無料) |

| アイデア出し・雑談 | ChatGPT(無料) | Claude(無料) |

| チラシ・ブログの画像を作る | ChatGPT(有料プラン) | — |

| 動画のナレーション音声 | Gemini(無料) | — |

| 長い文書(規約・契約書)の整理 | Claude(無料/有料) | — |

| スマホから音声で話しかける | ChatGPT(無料) | Gemini(無料) |

次に、最初の3日で3つを触ってみる順番です。1日1ツール、どれも20分ほどで試せます。

1日目:ChatGPT

検索窓に「ChatGPT」と入れて、公式サイト(chatgpt.com)を開く。メールアドレスで登録して、入力欄に「はじめまして、今日は会社の自己紹介文を書きたいです」と話しかけてみる。相手がどんな文章を返してくるかを見る。

2日目:Claude

検索窓に「Claude」と入れて、公式サイト(claude.ai)を開く。同じようにメールアドレスで登録して、昨日と同じ質問を投げる。返ってくる文章の違いを比べる。

3日目:Gemini

Googleアカウントで gemini.google.com を開く(新しく登録しなくても、ふだん使っているGoogleアカウントでそのまま入れます)。同じ質問を投げて、返ってくる文章を比べる。

3日が終わったら、自分が「読みやすい」「言葉づかいが好み」と思ったツールを1つ選んで、2週間ほどそれだけ使ってみる。これで、無料プランで物足りないかどうかが、はっきりします。物足りなさを感じて初めて、有料プラン(月額千円から2〜3千円)を検討すればいい。

最初から有料で3つとも契約する、は、おすすめしません。月額で1万円を超えてしまい、負担感だけが先に立って続きません。

▶ 関連:AIを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び方


同じ困りごとなら、代わりにやります

「社員にも使ってほしいが、どのAIをどの業務に使うかを、会社として決めたい」

「無料プランと有料プランの切り替えを、業務ごとに整理したい」

「毎月のAIツール代が、気づいたら数万円になっていた。見直したい」

そんな社長は、私に任せてください。会社ごとに、業務とツールの対応表(「見積の下書きはこのツール」「画像づくりはこのツール」)と、月額の上限ルールを紙1枚にまとめます。社員が明日から迷わない形にします。

その困りごと、AIで解決します。

御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。

バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。

▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)

▶ サービス一覧:御縁のサービス

▶ 関連:買い切りと月額、どちらで頼むか —— 料金の考え方と向き不向き


参考データ・関連記事

  • Claude.ai 公式料金ページ — 無料プランは$0(SonnetとHaikuが使える)、Proプランは月$20

https://claude.com/pricing

  • Google Gemini 公式料金ページ — 無料プラン¥0(Gemini 3.6 Flashが使える)、Google AI Proプランは月¥725

https://gemini.google/subscriptions/

  • 前回のnote記事:AIは、なぜ自信たっぷりにまちがえるのか

https://note.com/goen_ishimoto/n/ncfa0cf5b9517

次回は、「『AIに仕事を奪われる?』と聞かれたら、こう答える」です。ツールを触り始めると、必ず誰かに言われるのがこの一言です。AIに渡す仕事と、人に残す仕事の仕分け方を、次の記事でお渡しします。

質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。

「うちの会社でも、今からAIを始められる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。

▶ https://lin.ee/S9bBejs

御縁 代表 石本政晴

この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

AIは、なぜ自信たっぷりにまちがえるのか

「それ、本当に合ってるの?」が、次に気になる

「それ、本当に合ってるの?」が、次に気になる

前の記事で、メールの下書きをAIに頼む3つの材料をお渡ししました。実際に試した方から、次に多く届くのがこの声です。

  • 「AIが出してきた文章の中身、本当に合っているのか不安」
  • 「自分で読み返すけれど、どこを確かめればいいのか分からない」
  • 「お客様に送る前に、必ず読み返すようにはしているが、見落としが怖い」

noteのコメントにも、同じ声が届いています。「AIが参照している数字が古い場合、どの段階で人が確認して直しているのか」「公開する前に『これは自分の言葉として出して恥ずかしくないか』と読み返している」——悩みの中身は、ほぼ同じです。

使い始めて1〜2週間で、必ず当たるのがここです。AIは、文章としては不思議なくらい自然に書きます。だから便利に見える。でも、だからこそ、どこを確かめればいいのか分からなくなります。

▶ 関連:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」


まちがえる場所は、決まっている

まちがえる場所は、決まっている

帝国データバンクが2026年3月に出した調査では、企業がAIを使ううえで一番の課題として挙げたのが「情報の正確性」で、全体の50.4%でした。2位の「人材・ノウハウ不足」41.3%、3位の「使う業務の範囲」40.0%を押さえて、堂々の1位です。

つまり、「中身が本当に合っているか」は、業界や会社の大小に関係なく、みんなが同じように不安に思っている場所です。

ではなぜ、AIはそんなに間違えるのか。AIには ハルシネーション(直訳すると「幻覚」)という性質があります。事実と違うことを、まるで事実のように、自信たっぷりの文章で書いてくる性質です。

ここで、私の恥ずかしい体験を1つ書きます。

私はこの御縁ブログの記事を、AIに書かせる仕組みで運用しています。ところが、ある時期までに公開した8本を通して読んだら、

  • 私の経歴の年数が、記事ごとにちがう数字で書かれていた
  • 私の名前が、「石本 政晴」のほかに別の漢字に化けた誤字で、複数の記事に混じっていた

という状態になっていました。AIが「それっぽい」綴りに勝手にすり替えていたのです。

恐ろしいのは、どれも文章として読むと、まったく違和感がないことです。別の漢字に化けた名前も、ふつうに読めてしまいます。経歴の年数も、どの数字が並んでいても、経営者の経歴として自然に見えてしまいます。だから私自身も、しばらく気づけませんでした。

この体験から、1つの整理ができました。AIが間違えるのは、「もっともらしく書ける場所」です。具体的には 3つしかありません。

  • 数字(金額・数量・年数・パーセント)
  • 固有名詞(人名・会社名・商品名・地名)
  • 判断(やるべきかどうか・提出していいかどうか)

逆に、文章の流れ・言い回し・丁寧さ・論理の順番は、AIはあまり間違えません。前後のつじつまで書いていけるからです。

▶ 関連:AIに任せて事故りかけた話 —— 数字と固有名詞は人が確認する


【実物】公開前に見る、確認の3ステップ

【実物】公開前に見る、確認の3ステップ

ここからが実物です。AIの下書きが出てきたら、お客様に送る前に、下の3ステップで見てください。メール1本なら3分、長い文書でも10分で終わります。

ステップ1:数字だけを拾い読みする

いちばん先にやるのは、文章として読まないことです。本文を読むと、流れや言葉づかいに引っ張られて、肝心の数字を見落とします。

やり方は、本文の最初から最後まで、数字が出てくるところだけ、指でなぞって拾っていく。日付・金額・数量・パーセント・年数。1つずつ、元の資料(メール、見積、名刺、カタログ)と見比べる。合っていたら〇、違ったら赤で直す。

5分もかかりません。これだけで、金額の桁ずれ・日付の間違い・パーセントの読み違えは、ほぼ防げます。

ステップ2:人の名前・会社の名前・商品名を照合する

次は、固有名詞だけを拾います。

  • 相手の会社の正式名称(「株式会社」が前か後か)
  • 相手の名前と役職(名字と名前の漢字・役職の呼び方)
  • 商品やサービスの名前(カタカナの表記ゆれが多い)

照合する相手は、相手の公式サイトか、過去にやり取りしたメールです。1つでも違ったら、AIにそのまま打ち返して直してもらう。

“`

〈相手の会社名〉の正しい表記は「〈正しい名前〉」です。文中の表記を、すべてこれに統一してください。

“`

ステップ3:数字の出どころを聞き返す

もしAIの下書きの中に「〜%」「〜円」「〜年」など、AIが外から持ってきた数字が入っていたら、そのまま使わずに、必ず出どころを聞きます。

“`

その数字の出典(元のデータ・公的な調査名・サイトのURL)を、1つずつ教えてください。

“`

AIが「出典は不明」「一般的に言われている数字」と答えたら、使わないでください。公的な調査・企業の公式発表・ニュース記事など、出典が言える数字だけを残します。

ひと言、まとめます。

AIは、文章としては自然に書く。だから、数字と名前だけ分けて見る。この順番だけ守れば、「もっともらしいまちがい」は、ほとんど止められます。

▶ 関連:AIに最初の質問をしてみよう。無料で始める3つの手順(note #5)


同じ困りごとなら、代わりにやります

同じ困りごとなら、代わりにやります

「社員がAIを使い始めたが、公開前のチェックが仕組みになっていない」

「お客様に送る文書で、名前や数字の間違いが混じらないようにしたい」

「社内の『正しい表記』をAIに毎回渡して、間違えない運用にしたい」

そんな社長は、私に任せてください。会社ごとの正式名称・代表者名・住所・サービス名の表記を、AIに毎回渡す「正典ファイル」の形にして、社員がどのAIで書いても同じ正しい表記で出てくるようにします。公開前のチェック手順も、紙1枚にまとめます。

その困りごと、AIで解決します。

御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。

バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。

▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)

▶ サービス一覧:御縁のサービス

▶ 関連:御縁に相談すると、最初の1ヶ月で何が起きるのか


参考データ・関連記事

  • 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」— 企業がAIを使う上での課題1位は「情報の正確性」で50.4%

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260514-genai/

  • 御縁ブログ「AIに任せて事故りかけた話 —— 数字と固有名詞は人が確認する」— 私の名前が複数の誤字で書かれていた話・経歴年数の記述が記事ごとに食い違っていた話の実測

https://goen-growth.com/aiに任せて事故りかけた話-数字と固有名詞は/

  • 前回のnote記事:お礼メールやあいさつ文を、AIに下書きしてもらう。そのまま使える頼み方3つ

https://note.com/goen_ishimoto/n/nff79f952833c

次回は、「ChatGPT・Claude・Gemini、最初はどれを使えばいい?」です。「中身の確認」の次に多い質問が「結局どれを使えばいいのか」です。3つの違いを目的別に表にして、お渡しします。

質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。

「うちの会社でも、今からAIを始められる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。

▶ https://lin.ee/S9bBejs

御縁 代表 石本政晴

この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

お礼メールやあいさつ文を、AIに下書きしてもらう。そのまま使える頼み方3つ

「メール1本に、30分かかる」

「メール1本に、30分かかる」

「お礼メール1本に、30分もかかってしまう」——中小企業の社長や事務の担当者から、よく聞く声です。

内容そのものは、決まっています。前日ごちそうになったお礼、次の打ち合わせの日程確認、資料をお送りする一言。用件は決まっているのに、書き出しで手が止まるのです。「拝啓」から始めるべきか、「お世話になっております」でいいのか。締めは「よろしくお願いいたします」でいいのか。

同じ悩みは、noteのコメントにもよく届いています。

  • 「退任のあいさつ状の言い回しが、思いつかない」
  • 「あいさつ文が、いつも同じ形になってしまう」
  • 「細かな事務作業に追われて、本来の仕事に時間が使えない」

用件は決まっている。相手も決まっている。それでも、書き出しで止まる。ここでAIの出番です。

▶ 関連:工事写真とその日のメモをAIに渡して、日報の下書きを当日中に作る手順


文章の下書きは、AIが一番得意にしている仕事

文章の下書きは、AIが一番得意にしている仕事

帝国データバンクの調べ(2026年3月・生成AIに関する企業の動向調査)では、企業がAIを実際に使っている用途で、一番多かったのは「文章の作成・要約・校正」で45.1%でした。2位の「情報収集」21.8%を大きく引き離しています。

つまり、AIが一番得意にしていて、実際に一番使われているのが、文章の下書きです。メールやあいさつ文は、そのど真ん中に入ります。

私自身も、お礼メール・案内メール・請求書に添えるひと言などは、まずAIに下書きさせてから直す形にしています。ゼロから書き始めるのではなく、下書きを直すやり方に変えるだけで、かかる時間はだいぶ短くなります。

大事なのは、「うまく書けなくていい」ということです。AIが出してくる下書きは、7割の完成度で十分。そこから相手に合わせて言葉を1〜2か所直せば、10分で1本のメールが仕上がります。

▶ 関連:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」


頼み方は、3つの材料で決まる

頼み方は、3つの材料で決まる

AIに文章を頼むとき、うまくいく人と、うまくいかない人には、はっきり差があります。差は、3つの材料を渡しているかどうかです。

材料1:相手はだれか

取引先の社長なのか、初めて連絡する担当者なのか、社内の同僚なのか。相手が変わると、言葉づかいと丁寧さの度合いが変わります。

材料2:用件はなにか

お礼だけなのか、次の予定の確認もあるのか、資料の送付があるのか。ここは箇条書きで、思いついた順に並べれば十分です。

材料3:どんな形にしたいか

メール本文なのか、ハガキの文面なのか、200字の短いあいさつなのか。文字数か、行数か、形式を1つ決めるだけで、出てくる下書きが安定します。

この3つが揃っていれば、AIは相手に合った文面を出してきます。逆にどれかが抜けると、「取引先」なのか「友人」なのかで迷ったAIが、当たり障りのない、ぼんやりした文章を出してきます。

▶ 関連:毎日AIに使う3つの型 —— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ


【実物】そのまま使える頼み方3つ

【実物】そのまま使える頼み方3つ

下の3つは、ChatGPT・Claude・Geminiの入力欄に、そのまま貼り付けて使えます。山かっこ〈 〉の中身だけ、あなたの状況に書き換えてください。

その1:お礼メール

“`

取引先へのお礼メールを、下書きしてください。

相手:〈相手の会社名と役職。例:御縁株式会社 石本社長〉

用件:

  • 昨日〈日時〉に〈場所〉でごちそうになったお礼
  • 次の打ち合わせの日程を、来週中で3つ提案したい

形:メール本文で。件名も1つ提案してください。300字くらい。

私は〈自分の会社名と名前〉です。

“`

その2:あいさつ文(役職や部署の変更のとき)

“`

社内の異動のあいさつ文を、下書きしてください。

私:〈これまでの部署・役職〉から〈新しい部署・役職〉に、〈日付〉付けで異動しました

渡す相手:これまで一緒に仕事をした社内の部署(30人ほど)

形:メール本文で。200字くらい。あまり堅くしすぎず、感謝を1行、これからのお願いを1行、必ず入れてください。

“`

その3:案内メール(社外へ)

“`

展示会のご案内メールを、下書きしてください。

相手:これまでにお取引のあるお客様(既存顧客)

用件:

  • 〈日付〉に〈会場〉で開かれる〈展示会名〉に、当社が出展する
  • ブース番号は〈番号〉
  • お立ち寄りいただければ、〈新しい商品/サービス〉をご案内する

形:メール本文で。件名も3つ提案してください。400字くらい。押しつけにならない言い方で。

私は〈会社名・部署・名前〉です。

“`

もう一歩:直したいところが出てきたら、続けて話しかける

下書きが出てきたあと、そのままコピーする必要はありません。続けて話しかけると、AIは何度でも直してくれます。

  • 「もっと短く、150字にしてください」
  • 「もっとていねいに、社長宛ての言い方にしてください」
  • 「〈相手の名前〉さんは、去年うちの社員研修に来てくれた方です。そのお礼を1行、冒頭に足してください」

メールは、書くより「頼む」が先。ゼロから書き始めるのではなく、AIに下書きを頼んで、あなたは直すところだけを考える。この順番に変えるだけで、事務の時間はまるごと軽くなります。

▶ 関連:「ChatGPTは使っている」の次にやると効くこと —— 社内の型をAIに毎回渡す仕組み


同じ困りごとなら、代わりにやります

「頼み方の型を、社内の誰でも使える形にしたい」

「メールだけでなく、あいさつ状・案内状・社内文書もAIで回したい」

「うちの業種に合った文面のひな形を、いくつか作っておいてほしい」

そんな社長は、私に任せてください。会社ごとの言い回しの好み・お客様の呼び方・よく使う定型文まで含めて、社員が明日から使える「頼み方の指示書」を作ります。

その困りごと、AIで解決します。

御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。

バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。

▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)

▶ サービス一覧:御縁のサービス

▶ 関連:御縁に相談すると、最初の1ヶ月で何が起きるのか


参考データ・関連記事

  • 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」— 生成AIの活用用途で「文章の作成・要約・校正」が45.1%で最多

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260514-genai/

  • 御縁ブログ「毎日AIに使う3つの型」— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ

https://goen-growth.com/毎日aiに使う3つの型-プロンプトの土台・チェ/

  • 前回の公開記事:AIに最初の質問をしてみよう。無料で始める3つの手順

https://note.com/goen_ishimoto/n/nc4aafe1cfeab

次回は、「AIは、なぜ自信たっぷりにまちがえるのか」です。今日の頼み方でAIが下書きを出してくれるようになると、次に気になるのは「その中身、本当に合っているのか」です。まちがいを見つける確認の3ステップを、次の記事でお渡しします。

質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。

「うちの会社でも、今からAIを始められる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。

▶ https://lin.ee/S9bBejs

御縁 代表 石本政晴

この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

AIに最初の質問をしてみよう。無料で始める3つの手順

「登録の画面で、もう止まってしまう」

「登録の画面で、もう止まってしまう」

前回の記事で、「試した回数ノート」の話をしました。

「1日目から、一緒に始めましょう」と締めくくりました。

すると、こんな声が返ってきます。

  • 「登録の画面で、もう止まってしまう」
  • 「メールアドレスを入れるところで、これ本当に大丈夫かな、と手が止まる」
  • 「無料と書いてあっても、あとでお金を取られないか心配」

数字を見ても、これは特別なことではありません。

総務省の調べ(令和7年版 情報通信白書)では、生成AIを使わない理由として「使い方がわからない」が38.6%でした。

使いたい気持ちはあっても、最初の一歩で止まってしまう人が、これだけ多いのです。

今日は、その一歩をこえます。

無料で、3つの手順で、AIに最初の質問をするところまで、一緒にやります。

▶ 関連:総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状


まずは1つだけ。ChatGPTから始める

まずは1つだけ。ChatGPTから始める

AIは、いろいろな会社から出ています。ChatGPT、Claude(クロード)、Gemini(ジェミニ)。名前を聞いたことがある方も多いと思います。

どれから始めるか迷ったら、まずはChatGPTでいいです。

使っている人が一番多く、日本語の情報も一番多い。困ったときに「ChatGPT ログインできない」で調べれば、答えが見つかります。

3つとも無料版があります。クレジットカードを登録する必要は、ありません。

最初は無料で試して、「これは使う」と思ったときだけ、月2,000〜3,000円ほどの有料版に上げれば十分です。

大事なのは、1つだけを選ぶことです。

3つ同時に触ると、名前もボタンの位置も違って、混乱します。1つに絞って、まずそこで話しかけてみる。慣れてから、次を試せばいい。

▶ 関連:ChatGPT(OpenAI)


3つの手順で、5分で終わる

3つの手順で、5分で終わる

やることは、3つだけです。上から順に、下のとおりに触ってください。

手順1:ページを開く

スマホでもパソコンでも、どちらでも大丈夫です。ブラウザ(Chrome、Safari、Edgeなど、いつも見ているアプリ)を開いて、アドレスの欄に `chatgpt.com` と入れます。

最初の画面に、白い箱と「メッセージを送信する」と書かれた入力欄が出てきます。この箱が、AIに話しかける場所です。

手順2:アカウントを作る

画面の右上に、「ログイン」「登録する」というボタンが並んでいます。「登録する(Sign up)」を押します。

次の画面で、3つの入り口が出てきます。

  • メールアドレスで登録
  • Googleアカウントで続ける
  • Appleアカウントで続ける

いつも使っているGoogleかAppleのアカウントがあれば、それを選ぶのが一番早いです。ボタン1回で登録が終わります。

メールアドレスで登録すると、確認のメールが届きます。そのメールの中の「メールアドレスを確認する」というリンクを押せば、登録は完了です。

登録の途中で、名前と生年月日を聞かれます。ここは本名でも構いません。生年月日は、13歳未満の人は使えない決まりがあるので、正しく入れます。

手順3:話しかける

登録が終わると、最初の画面に戻ります。下の入力欄をクリックして、文字を入れ、右にある矢印(↑)のボタンを押す。これだけです。

「こんにちは」と入れて送るだけで、AIから返事が返ってきます。

はじめて返事が来た瞬間、多くの人が「あ、本当に返ってきた」と少し驚きます。この驚きが、次に続きます。

▶ 関連:毎日AIに使う3つの型 —— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ


最初のひと言は、仕事の話じゃなくていい

最初のひと言は、仕事の話じゃなくていい

登録が終わったあと、多くの人がここで止まります。

「せっかく登録したのだから、何かちゃんとした質問をしないと」と、身がまえてしまうのです。

でも、その必要はありません。

最初のひと言は、仕事の話じゃなくていい。

AIに話しかけるのは、駅で人に道を聞くのと同じです。「新潟駅はどっちですか」と聞けば、答えが返ってくる。それだけです。名刺を出す必要も、話し方を整える必要もありません。

思いついたことを、そのまま入れてみてください。

「今日の夜ごはん、何がいいかな」でも、「肩こりが治らない」でも、「新潟のおすすめの温泉は?」でも構いません。返事は、ちゃんと返ってきます。

大事なのは、話しかけた回数を1つ増やすことです。

中身の善し悪しは、あとで気にすればいい。まず、今日、1回。試した回数ノートの「1日目」に、■を書き込む。それだけです。

▶ 関連:AIを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び方


【実物】最初に聞く質問5つ + 3手順チェック表

それでも「何を聞けばいいか、まったく思いつかない」という方のために、そのままコピーして使える質問を5つ用意しました。

質問1:あいさつ

“`

こんにちは。はじめて話しかけます。あなたはどんなことができますか? 3つだけ教えてください。

“`

質問2:日常の相談

“`

週末、家族で行ける新潟の観光地を、3つおしえてください。子どもは小学生です。

“`

(住んでいる地域と、一緒に行く人に変えてください)

質問3:言葉を調べる

“`

「AIエージェント」を、AIを知らない人にもわかる言葉で、3行で説明してください。

“`

質問4:文章を書いてもらう

“`

明日、久しぶりに会う知り合いに送るメールを、下書きしてください。相手は取引先の社長です。用件は「近況の報告と、次に会いたい」の2つだけです。

“`

質問5:答えを短くしてもらう

“`

(質問4の答えが出たあと、続けて)もっと短く、3行にしてください。

“`

質問5がポイントです。AIの答えは、聞き直せるのです。「もっと短く」「もっとかんたんに」「もっとていねいに」と続けて話しかけると、答えが変わっていきます。ここに気づくと、AIとの会話が楽になります。

3手順チェック表

下の表をスマホのメモに貼って、終わった項目に■を入れてください。

“`

□ 手順1:chatgpt.com を開いた

□ 手順2:Google/Apple/メールアドレスで登録した

□ 手順3:「こんにちは」と話しかけて、返事が返ってきた

□ 質問1〜5のうち、少なくとも1つを試した

□ 「試した回数ノート」の1日目に■を入れた

“`

ここまで終わったら、あなたは今日、AIに話しかけた1人です。

「まだ一度も試していない人」から、1歩、前に出ました。

▶ 関連:AI導入で最初に必要なのは、ツール選定ではなく「渡す情報の棚卸し」


同じ困りごとなら、代わりにやります

「自分で登録するのは、まだこわい」

「社員に使わせたいけど、教える自信がない」

「会社のパソコンで登録していいのか、わからない」

そんな社長は、私に任せてください。

登録の手順、社内で使うときの決めごと、最初の質問の例まで、まとめてお渡しします。

その困りごと、AIで解決します。

御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。

バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。

▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)

▶ サービス一覧:御縁のサービス

▶ 関連:御縁に相談すると、最初の1ヶ月で何が起きるのか


参考データ・関連記事

  • 総務省「令和7年版 情報通信白書」テキスト生成AIサービスを利用しない理由(日本)— 「使い方がわからない」38.6%、「自分の生活や業務に必要ない」40.4%

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112210.html

  • ChatGPT(OpenAI)公式:無料で登録できる入り口

https://chatgpt.com/

  • 前回の記事:「中年から始めても遅い」は、AIには当てはまらない。スタートは、みんな2022年

https://note.com/goen_ishimoto/n/n892196c70338

次回は、「お礼メールやあいさつ文を、AIに下書きしてもらう」です。

今日試した「質問4」を、もっと使いやすい形にしていきます。

質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。

「うちの会社でも、今からAIを始められる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。

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御縁 代表 石本政晴

この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

AIは、いつからあるの?「チャット」と「エージェント」は、何がちがうのか

「AIの言っていることが、わからないまま使っている」

「AIの言っていることが、わからないまま使っている」

AIについて書かれた記事のコメント欄を読んでいると、こんな声に出会います。

  • 「AIの言っていることが、わからないまま使っています。便利すぎて、やめられない」
  • 「アルファベットの略語が多すぎて、ついていけない」
  • 「親戚に『お前もAIに仕事を奪われるんじゃないか』と言われた」

わからないのは、あなただけではありません。

総務省の調べ(令和7年版 情報通信白書)では、生成AIを使ったことがある人は、日本では26.7%。アメリカは68.8%、中国は81.2%です。使わない理由には「使い方がわからない」が挙がっています。

今日は、専門用語をできるだけ使わずに、2つのことだけお話しします。

1. AIは、いつ、どうやって私たちの前に出てきたのか

2. よく聞く「チャット」と「エージェント」は、何がちがうのか

▶ 関連:総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状


2022年11月30日、AIが「しゃべる」ようになった

2022年11月30日、AIが「しゃべる」ようになった

始まりは、2022年11月30日です。

アメリカのOpenAI(オープンエーアイ)という会社が、ChatGPT(チャットジーピーティー)を公開しました。

「チャット」は、LINEのような文字でのおしゃべりのことです。

画面に質問を打ちこむと、AIが人間のような文章で答えてくれます。

  • 「お礼のメールの文を考えて」→ 文章を書いてくれる
  • 「この言葉の意味を、小学生にもわかるように教えて」→ やさしく言いかえてくれる

それまでのAIは、専門家が使う「道具」でした。

ChatGPTは、だれでも、ふつうの言葉で話しかけられるAIだったのです。

そのあと、Claude(クロード)やGemini(ジェミニ)など、ほかの会社のAIチャットも次々に登場しました。

▶ 関連:「ChatGPTは使っている」の次にやると効くこと —— 社内の型をAIに毎回渡す仕組み


チャットの役割:聞けば答える。でも、手は動かさない

チャットの役割:聞けば答える。でも、手は動かさない

チャットのAIは、質問に答えてくれる、物知りな先生のようなものです。

夜中でも、同じ質問を10回しても、いやな顔をせずに答えてくれます。

ただし、先生は答えを教えてくれるだけです。

たとえば「見積書の文を考えて」と頼むと、文章は書いてくれます。

でも、それをExcelに貼る、メールで送る、ファイルに保存する。そこから先は、全部あなたの仕事です。

もう1つ、大事な注意があります。

チャットのAIは、ときどきまちがった答えを、自信たっぷりに言います。

数字や名前は、自分の目で確かめてください。

▶ 関連:AIに任せて事故りかけた話 —— 数字と固有名詞は人が確認する


2025年、AIが「働く」ようになった

2025年、AIが「働く」ようになった

次の大きな変化が、エージェントです。

エージェントは英語で「代理人」。あなたの代わりに、仕事をしてくれる人という意味です。

2025年2月24日、Anthropic(アンソロピック)という会社が「Claude Code(クロードコード)」を発表しました。

同じ年の7月17日には、OpenAIも「ChatGPT agent(エージェント)」を発表しています。

チャットとのちがいは、手を動かすかどうかです。

エージェントに「この資料をまとめて、表にして、ファイルに保存しておいて」と頼むと、

1. 自分で調べて

2. 自分で作って

3. できたかどうかを自分で確かめて

最後まで、やってくれます。

チャットが「先生」なら、エージェントは頼んだ仕事を最後までやってくれる、お手伝いさんです。

▶ 関連:AIを業務に入れるとき、最初に渡すべき仕事の選び方


私が2022年から、課金して試してきたこと

私が2022年から、課金して試してきたこと

私がAIにお金を払い始めたのは、2022年です。

最初は仕事ではなく、「これは何ができるんだろう」という好奇心でした。

文章だけでなく、画像(Midjourney)、動画(Runway、HeyGen)、声(VOICEVOX)、調べもの(Perplexity)、資料(Gamma、NotebookLM)。

たくさんのツールに課金して、ひとつずつ触ってきました。

そして、エージェントが出てきたとき、衝撃を受けました。

「聞けば答えるAI」が、「頼めば働くAI」に変わったからです。

これは、すぐに学ばないといけない。直感で、そう思いました。

独学から始めて、オンラインスクールで学び、試験を受けて資格も取りながら、毎日新しい情報を追いかけました。

今、私の会社では、エージェントが毎晩働いています。

記事の下書きと挿絵を作り、朝には「本当に終わったか」を点検して知らせてくれます。

2022年の好奇心が、今は仕事になっています。

▶ 関連:AIに任せてよかった仕事・任せられなかった仕事 —— 自社で試して分かった6つの線引き


【実物】「チャットとエージェント、どっちに頼む?」早見表

【実物】「チャットとエージェント、どっちに頼む?」早見表

迷ったら、この表を見てください。

スマホのメモに貼っておくと、いつでも見られます。

チャットに向いていること(聞く相手)

  • □ 言葉の意味を聞く・やさしく言いかえてもらう
  • □ メールやあいさつ文の下書きを考えてもらう
  • □ アイデアを出してもらう(イベント案、商品名など)

エージェントに向いていること(任せる相手)

  • □ 毎日・毎週くり返す作業(集計、報告書、記録)
  • □ いくつもの手順がある作業(調べる→表にする→保存する)
  • □ 夜のうちに終わらせておきたい作業

まだ人がやること

  • □ 最後の確認(数字・名前・日付)
  • □ お客さまに出すかどうかの判断

今日できる、最初の一言

パソコンかスマホで chatgpt.com を開き、画面の下の入力らんに、次の文をそのまま貼ってください。

「私は○○の仕事をしています。毎日の仕事の中で、AIに手伝ってもらえそうなことを、わかりやすい言葉で5つ教えてください」

○○に、あなたの仕事(例:工務店の社長、美容室の店長)を入れるだけです。

この表の教訓は、ひとつです。

チャットは「聞く相手」、エージェントは「任せる相手」。

▶ 関連:AIに任せた仕事が、8日間ぜんぶ空振りしていた。「完了」の表示を信じてはいけない理由


同じ困りごとなら、代わりにやります

同じ困りごとなら、代わりにやります

「表を見ても、うちの仕事のどこに使えるのかわからない」

「エージェントに任せてみたいけど、何から始めればいいかわからない」

そんな社長は、私に任せてください。

チャットで済むこと、エージェントに任せること、人が残すこと。会社の仕事を一緒に分けるところから、引き受けます。

その困りごと、AIで解決します。

御縁の事業:DXとAX(AIトランスフォーメーション)

御縁は、中小企業のDX(紙と手作業を、デジタルに整える)とAX(AIが仕事を回す会社にする)を、社長の右腕として引き受けています。

バックオフィスのAI化・業務ツールづくり、数字の分析、ホームページ・動画・AI検索対策まで。1社ずつ、本業に集中できる仕組みにします。

▶ 事業の詳しい内容:AIエージェント企業支援事業(御縁)

▶ サービス一覧:御縁のサービス

▶ 関連:御縁に相談すると、最初の1ヶ月で何が起きるのか


参考データ・関連記事

  • 総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状 — 生成AIの利用経験:日本26.7%、米国68.8%、中国81.2%

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112210.html

  • OpenAI「Introducing ChatGPT」— 2022年11月30日の公開発表

https://openai.com/index/chatgpt/

  • Anthropic「Claude 3.7 Sonnet and Claude Code」— 2025年2月24日、Claude Codeの発表

https://www.anthropic.com/news/claude-3-7-sonnet

  • OpenAI「Introducing ChatGPT agent」— 2025年7月17日の発表

https://openai.com/index/introducing-chatgpt-agent/

  • 前回の記事:AIに任せた仕事が、8日間ぜんぶ空振りしていた。「完了」の表示を信じてはいけない理由

https://note.com/goen_ishimoto/n/ncfdab29c957e

次回は、「『中年から始めても遅い』は、AIには当てはまらない」です。

AIが出たのは2022年。スタートは、みんな一緒です。40代で始めた私が、「遅い」とは思わない理由をお話しします。

質問は、コメントへどうぞ。次の記事で答えます。

「うちの仕事だと、何をAIに任せられる?」という相談は、LINEで受け付けています(30分無料)。

▶ https://lin.ee/S9bBejs

御縁 代表 石本政晴

この記事は、noteでも公開しています。▶ noteで読む(石本政晴・AIで困りごと解決)

毎日AIに使う3つの型 —— プロンプトの土台・チェック手順・引き継ぎメモ

手元のメモを見ながら、AIに毎回渡す土台の文章を書き足している場面

御縁 GROWTH ロゴ

「プロンプトの書き方」を検索する経営者が、この1年で本当に増えました。

私は自社のブログをAIに書かせて毎晩1本、翌朝9時に自動で公開する運用を続けています。今日でちょうど43日目、公開本数は32本を超えたところです。

その中で、毎日必ず使い続けている"型"は、たった3つしか残っていません。凝ったプロンプトの書き方ではなく、この3つを最初に決めておくと、AI活用は少しずつ会社に積み上がります。

今日は、その3つの型それぞれの中身と、途中でうまくいかなかった話を、そのまま書きます。

手元のメモを見ながら、AIに毎回渡す土台の文章を書き足している場面

1. 「良いプロンプトを毎回考える」は続かない

まず、業界の潮目がすでに変わっています。

2026年に入ってから、AIの世界では「プロンプトエンジニアリング」から「コンテキストエンジニアリング」へ、という言い方をよく見るようになりました(コンテキストエンジニアリングとは? — Salesforceブログ、プロンプトエンジニアリングは終わった? — cloco)。

難しそうな言葉ですが、中身はシンプルです。1回のプロンプトを磨くより、AIが仕事するときに「何を知っている状態か」を設計する、というだけの話です(プロンプトエンジニアリングとの違い — Findy Team+)。

私はこれを難しく捉えず、「AIに毎回渡す3枚を決める」という形で運用に落としました。それが以下の3つです。

  • 型1: 土台 —— 毎回一緒に渡す「うちのルール」
  • 型2: チェック —— 生成された後、必ず通す関門
  • 型3: 引き継ぎ —— 昨日から今日のAIへ渡す1枚メモ

順に見ていきます。

2. 型1: プロンプトの土台 —— 毎回一緒に渡す「うちのルール」

1つ目は、AIに何を頼むときも、指示文の前に必ず一緒に貼りつける短い文書です。私はこれを「土台」と呼んでいます。

土台に書くのは、次の4つだけで十分でした。

  • 役割: AIがどんな立場で書くか(例: 建設実務の経験があるライター)
  • 読者: 誰に向かって書くか(例: 中小企業の経営者。ITに明るいとは限らない)
  • NG表現: 使ってはいけない言い回し(例: 「必ず〜になる」「絶対に〜」)
  • 出力の形: 章立て・文字数・段落の長さの目安

2026年のプロンプトの解説記事でも、この「役割・読者・NG・形式」の4要素はほぼ共通して挙げられています(プロンプト設計7原則 — Uravation、プロンプトの書き方完全ガイド — OptiMax)。

机上にA5カードを横一列に3枚並べた俯瞰。左から土台/チェック/引き継ぎ

土台の効き目は、書いた瞬間には出ません。効いてくるのは、同じ土台を10回・20回と貼り続けたあとです。AIが「うちの会社の人」として振る舞い始め、頼み方を短くしても意図がずれなくなります。

失敗した話も1つ書いておきます。運用を始めた最初の頃、私は土台を欲張って長く書きすぎました。禁止表現を20個、注意事項を15個並べたら、AIは長い注意書きの後半をだんだん無視するようになりました。

土台はA4半分に収まる長さにする、というのが今の私の目安です。長くしたくなったら、それは土台ではなく、次に説明する「チェック手順」に回します。

3. 型2: チェック手順 —— 生成された後、必ず通す関門

2つ目は、AIが書き終えたあとに必ず通す3項目のチェックリストです。

私が使っているのは、この3項目だけです。

1. 数字は本文で言っている値と、引用元・自分の実測値と一致しているか 2. 氏名・固有名詞の表記は正しいか 3. 引用リンクは実在するURLか(AIが作った架空のURLではないか)

これは、以前このブログで書いたAIに任せて事故りかけた話で扱った失敗から生まれた項目です。

正直に書きます。私はAIに書かせた記事7本で、自分の建設実務の年数を「20年」「22年」で混在させたまま公開してしまったことがあります。3本では自分の名前の漢字も間違えていました(雅治/正治/増本 正浩)。

これは「AIが悪い」のではなく、チェックを型にしていなかった私の運用不備でした。この3項目を最後に必ず人が通すようにしてから、同じ種類の事故はゼロです。

3項目のチェックリストに赤ペンで印を付けているマクロ接写

2026年の生成AI導入ガイドでも、「チェックリストを事前に決めて、AIに自分で採点させ、最後は人が突き合わせる」という2段構えが推奨されています(AIの回答品質チェック10項目 — ゼットリンカー)。

ここで大事な線引きが1つあります。AIに「自分の出力を採点して」と頼むことはできますが、それは人による確認の代わりにはなりません。同じAIが書いた文章を同じAIが採点しても、同じ思い込みが素通しになるだけです。

数字・氏名・引用リンクの3つだけは、最後に人が目で突き合わせる。この線は動かさない方が無難です。

2026年3月31日に更新されたAI事業者ガイドライン 第1.2版でも、AIエージェントの業務利用では「重大な影響が生じ得る場面で、人間が判断を介在させる仕組み」を社内ルールに反映することが明記されました(AI事業者ガイドライン第1.2版について — 経済産業省)。中小企業でも、この線引きから逃げない方が長い目で楽になります。

4. 型3: 引き継ぎメモ —— 昨日から今日へ渡す1枚

3つ目は、AIのセッションは切れるという前提で運用するための1枚メモです。

現在のAIは、会話のウィンドウ(コンテキストと呼びます)に上限があり、そこから外に出た情報は参照できません。昨日話したことは、今日別のセッションを立ち上げると、ほぼ完全に忘れられています(AIはなぜ前の話を忘れるのか — note)。

この対策として、AI業界では「ハンドオフメモ」や「HANDOFF.md」という呼び方で、次のセッションに渡す1枚メモを作る運用が定着してきました(Claude Codeのカスタムスラッシュコマンドでセッション引き継ぎノートを生成する — ヌーラボ、HANDOFF STATEの意味や活用法 — ユニバーサルマーケティング)。

これは中小企業の言葉に置き換えると、社内の引継ぎノートとまったく同じです。担当者Aから担当者Bに仕事を渡すときに、その日の状況を1枚にまとめる、あれです。

1枚の引き継ぎメモを2人で覗き込みながら、次の担当に渡す内容を確認している場面

私が毎晩AIに渡している引き継ぎメモには、この4項目だけを書いています。

  • 昨日書いたこと: タイトル・扱った話題・使ったソース
  • 今日渡すこと: 次の候補と、なぜそれを選んだか
  • 空いた枠: もし前日が落ちていたら、どの日が抜けているか
  • 直近の失敗: 直前で気づいた事故と、次に同じ轍を踏まないための対策

「昨日書いたこと」の欄が一番効きました。これを書き始める前、翌日のAIは前日と似た切り口の記事を書こうとしていました。切り口の重複を人が毎回検知するのは骨が折れます。1行渡すだけで、AIは自分で違う角度を探しに行きます。

もう1つ失敗を書いておきます。引き継ぎメモを作る前、私は代わりに「設計書のなかに★マークを付けて、次に書く記事の目印にする」という運用をしていました。書いた記事の★マークを外し忘れると、AIは同じ記事を延々と書こうとします。実際に8晩、ブログの自動化が止まったまま気づけませんでした。

この失敗のあと、目印運用をやめて、「引き継ぎメモにその日の状況を書き出す」型に切り替えました。人にとっても、AIにとっても、状況を書いて渡す方が、目印を維持するより持続します。

5. なぜ3つに絞るのか

型を作り始めると、増やしたくなります。

「これも入れておこう」「あれも書いておいた方が安全だ」——気がつくと、10個・20個の型ができています。ですが、型は増やすほど守られなくなります。これは自分でやってみて、痛いほど確かめました。

私が3つに残った理由は、この3つが動詞と1対1に対応しているからです。

  • 土台 → 毎回「入れる」もの
  • チェック → 生成後に必ず「通す」もの
  • 引き継ぎ → 明日に「渡す」もの

「入れる・通す・渡す」の3動詞が回っていれば、AI活用は日々少しずつ会社に積み上がります。増やすなら、この3つのどれかの中身を厚くするのが先です。新しい型を4つ目・5つ目と作るのは、あとからでも間に合います。

大企業のガイドラインをそのまま真似ないことも大事です。自社で回る最小構成から始める方が、結果的に長く続きます。

6. 明日から始めるならこの順番

もし、ここまで読んで「うちでもやってみようかな」と思われた方がいたら、この順番をお勧めします。

  • 今日: 土台をA4半分に書く。役割・読者・NG・出力の形の4項目だけ
  • 今週中: チェック項目を3つに絞る。数字・氏名・引用リンク、から始めるのが安全
  • 明日から: 引き継ぎメモを1日1行から書き始める。書式は後で整えれば良い

3つ揃えるのに1週間もかかりません。分厚いマニュアルや高価なツールから入るより、この3枚を回す方が、社内で「AIが実際に効いている」という感触が先に出てきます。

7. まとめ

毎日AIに使う型は、土台・チェック・引き継ぎの3つで足ります。凝ったプロンプトを毎回考えるより、この3枚を回す方が、AI活用は会社に積み上がります。

  • 土台は毎回一緒に渡す「うちのルール」。A4半分に収める
  • チェックは生成後に必ず通す3項目。数字・氏名・引用リンクは人が最後に突き合わせる
  • 引き継ぎメモは昨日から今日への1枚。「昨日書いたこと」の欄が一番効く
  • 増やしたくなっても3つに戻す。型は増やすほど守られない

御縁では、「うちも次の一手を打ちたい」というご相談をいただいたときに、まずこの3枚から一緒に書き起こすところをお手伝いしています。前回の記事「『ChatGPTは使っている』の次にやると効くこと」で書いた1枚と合わせて、明日の朝からでも回し始められる規模から入っていただいて大丈夫です。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

AIエキスパート / 現場実務22年

22年間ずっと現場側で実務をしてきた人間が、いまはAIエージェントを毎日の業務に組み込んで運用しています。うまくいったことも、任せて失敗したことも、そのまま書いています。

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工程会議で毎週使うAIプロンプトの型 —— 現場所長がその場でコピペできる3つ

月曜午前の工程会議前、事務所の窓辺で一息つく現場所長

御縁 GROWTH ロゴ

工程会議は毎週回ってきます。金曜の夕方か月曜の午前、発注者側の監督員と、自社側の関係者が集まって、先週何が進んだか、今週何をやるか、来週までの宿題は何かを確認する場です。

私は22歳から一般土木の施工管理、26歳からは専門業種の技術職として現場に立ち続けて、通算22年。所長として工程会議を回してきた立場から言うと、会議そのものはやめられませんが、会議のための書類仕事は毎週ゼロから作らなくていい仕事です。

この記事では、工程会議のたびに使うAIプロンプトを、現場所長がその場でコピペできる3つの型に整理します。議事録・進捗要約・来週段取りの3つで、それぞれChatGPTでもClaudeでもGeminiでも、どれでもそのまま動きます(以下では総称して「AI」と書きます)。あわせて、AIに任せていい部分と、最後まで所長側で握るべき判断の線引きも書いておきます。

月曜午前の工程会議前、事務所の窓辺で一息つく現場所長

1. 工程会議は「毎週同じ型」で回っている

工程会議で扱う議題は、実は毎週ほとんど同じ形をしています。

先週から今週で何が動いたか/遅れている箇所と原因/今週中に手を打つ場所/来週の主要作業と立会い予定/未確定の宿題は誰がいつまでに片付けるか——多少の言い回しは違っても、この5点セットで大半の工程会議は成立しています。

つまり、同じ型の書類を毎週ゼロから作っている、というのが工程会議の書類仕事の正体です。前回の議事録を横に置いて、今週の日報と写真と協議メモを見ながら、また同じ枠に流し込む。手が動いている時間の8割は、思い出す時間と、テンプレを頭の中で組み立て直す時間です。

毎週同じ型で回っている仕事は、AIとの相性が良い書類仕事です。1件目でうまく動く型を作れれば、2件目以降はコピペで済みます。会社ごとの書式をAIに覚えさせると2件目以降がどう変わるかは、別の記事で書きました。工程会議の議事録・進捗要約・来週段取りは、その中でも反復回数が特に多い(=週1で必ず回ってくる)ので、最初に型を作る候補として一番向いています。

工程会議で毎週使う3つのプロンプト(議事録/進捗要約/来週段取り)を光の帯で示した抽象イメージ

2. プロンプト①:議事録の型(発注者側/自社側/宿題の3ブロック)

まず1つ目。工程会議の議事録を、AIに下書きさせるプロンプトです。

以下の会議メモから、工程会議の議事録の下書きを次の3ブロックで書いてください。

【発注者側から出た指示・要望】
【自社側から回答・報告した内容】
【次回までの宿題(誰が/何を/いつまでに)】

制約:
・箇条書きで、1行1件。
・「順調」「概ね」「たぶん」は使わない。数値と日付だけで書く。
・不明な点は「未確認」と明記する(推測で埋めない)。

会議メモ:
(ここに走り書きのメモを貼り付ける)

議事録は、発注者側の言葉と自社側の言葉を分けて書けているかが、後で証跡として効くかどうかを決めます。「打合せで検討した」と1行で書いてしまうと、半年後に振り返ったときに「誰の判断でどう決まったのか」が全く残らないのが、工程会議の議事録の一番危ないところです。

このプロンプトの型が持っている工夫は3つあります。

工夫1: 3ブロックの見出しを固定する 発注者側/自社側/宿題という3つの見出しを最初に置くことで、AIが会議メモから該当箇所を拾って振り分けてくれます。振り分けの精度は完璧ではないので、下書きが出てきたあとに所長側で1回読み直して、発注者側と自社側の入れ替えだけ確認します。この確認に慣れると1〜2分で終わります。

工夫2: 曖昧語を最初に禁じる 「順調」「概ね」「たぶん」を制約で禁止しておくと、AIは数値と日付で書こうとします。人が書くとつい入ってしまう曖昧語を、プロンプト側で入口から絞れるのがAIの良いところです。

工夫3: 「未確認」と明記させる 不明な点は「未確認」と書け、と制約に入れておかないと、AIは前後の文脈から推測して埋めてしまいます。会議の場で決まっていないことが、AIの推測で議事録に載ってしまうのは、工程会議の書類として一番危ない事故です。この1行があるかどうかで、AIの下書きは別物になります。

議事録の下書きが出てきたら、所長側の仕事は3つです。3ブロックの振り分けを1回だけ見直す/「未確認」の箇所を口頭で発注者に確認する/宿題の担当者名と期限が正しいかを確認する。下書きから提出まで、10〜15分で終わります。

3. プロンプト②:進捗要約の型(先週→今週の差分/遅延要因/次の一手)

2つ目。工程会議の冒頭で使う進捗要約を、AIに下書きさせるプロンプトです。

以下の情報から、工程会議で使う進捗要約を書いてください。

【先週→今週の差分】(進んだ/止まった/変わった、を1行ずつ)
【遅延している箇所と、分かっている事実】
【今週中に手を打つ場所と、具体的な動作】

制約:
・数値は入力データにあるものだけ使う。無い数値は書かない。
・原因の推測はしない。分かっている事実だけ書く。
・「対策が必要」ではなく「〇日までに〇〇する」と書く。

情報:
・先週の日報(貼り付ける)
・今週の日報(貼り付ける)
・現場写真の日付とメモ
・打合せメモ/協議書

進捗要約でAIが失敗しやすいのは、原因の推測で埋めてしまうことです。「雨天のため遅延」「作業員不足による」といった、それらしい理由をAIは滑らかに書いてしまいますが、実際に何が起きていたかは現場を見ていた所長側にしか分かりません。

だから制約に「原因の推測はしない。分かっている事実だけ書く」を入れます。遅延している箇所と、分かっている事実という2段構えで書かせると、AIは「遅延している」までは書けるが、原因までは書けなくなる——これは弱点ではなく、所長側の判断を残すための正しい線引きです。

3ブロック目の「今週中に手を打つ場所と、具体的な動作」も同じ考え方です。「対策が必要」で止まる下書きは、工程会議の場で意味を持ちません。「〇日までに〇〇する」と具体的な動作で書け、と制約を入れておくと、AIは書けない部分は書けないので、そこは所長側が現場を見て埋めます。埋めた部分だけを、工程会議で発注者に説明する材料にします。

先週の日報と今週の日報を貼るだけで、差分の下書きは出てきます。日報を毎日ちゃんと書いてある現場ほど、このプロンプトが速く効きます。若手監督に日報を書いてもらう順序を1ヶ月で覚えさせる話は、別の記事で整理しました。

ノートPCの画面にコピペしたプロンプトの見本と、手を添えた現場所長の手元

4. プロンプト③:来週段取りの下書きの型

3つ目。工程会議の終盤で発注者に説明する、来週の段取りを下書きするプロンプトです。

以下の情報から、来週の段取りを次の4ブロックで下書きしてください。

【主要作業】(工種/数量/担当)
【立会い・検査の予定】(日時/相手/必要書類)
【必要な資機材】(品目/数量/入荷予定日)
【未確定事項】(決めないと来週止まる項目)

制約:
・時系列で並べる。
・未確定は「未確定」と書き、推測で日付を入れない。
・入力データに無い項目は書かない。

情報:
・週間工程表(貼り付ける)
・打合せ議事録の宿題一覧
・資材発注リストの状態

来週段取りの下書きで一番効くのは、【未確定事項】のブロックを最後に置くことです。工程会議の場で、「来週やる予定です」と1行で流してしまう項目のうち、実は決まっていない事項が混ざっていることがよくあります。決まっていない項目を「決まっている」風に発注者に伝えてしまうと、来週その日に来て初めて「これはまだ決まっていませんでした」と発覚することになります。

未確定事項を最初から別ブロックに分けさせておくと、発注者にも「これは未確定です」と伝えられる。工程会議の場で決めてしまえば来週はスムーズに動くし、決められなければ次回までの宿題になります。未確定を隠さない、というのが工程会議のリズムを崩さないための1つ目のルールです。

入荷予定日を推測で書かせない、も同じ考え方です。資材の入荷予定日は、業者への発注状況で決まります。入力データに無ければAIには書けません。「未確定」と書かせて、所長側が業者に電話して確認します。

段取りの下書きが出てきたら、所長側の仕事は2つです。未確定ブロックを1つずつ潰すか、次回宿題に振り分ける/立会い予定の日時と必要書類を確認する。この2つが工程会議で発注者と合意すべき本題です。

5. AIに任せていいこと・所長側で握ること(渡さない4つ)

3つのプロンプトの共通点は、下書きまでを速くすることに絞っている点です。会議の判断そのものはAIに渡していません。ここは建設業の書類仕事全般に共通する線引きで、AIに書類を作らせて危険なこと・安全なことにまとめた4つの線と同じ考え方です。

AIが下書きするのは前段の3つ、後段の3つは現場所長側で握る(記事内で提示する分担)

工程会議のプロンプトで、所長側が最後まで握るべきものは4つあります。

1. 完成した下書きを、そのまま発注者に提出しない 議事録も進捗要約も段取りも、AIが出してくるのは下書きです。現場を見ていない相手(AI)が書いたものを、現場を見ていた所長が最終確認する——この順序を崩すと、下書きの中に混ざっている推測や曖昧語が発注者側に届いてしまいます。

2. 遅延の原因判断は所長側で 「なぜ遅れているか」はAIには書けません。天候・地盤・関係者間の調整・発注者側の判断待ち——原因は現場ごとに違い、現場を見ている所長にしか分からない。プロンプト側で「原因の推測はしない」と制約しているのは、この線を守るためです。

3. 金額に関わる記述は元データにある値のみ、最終値は所長側 下書きに金額の話が混ざったら、元データにある値だけを残し、最終値としての金額は所長側で確認します。変更協議に絡む金額は特に注意が必要で、変更協議資料の中身を分解する記事でも同じ線を引きました。

4. 次回宿題を発注者と約束するのは所長側 議事録の3ブロック目「次回までの宿題」は、AIが下書きしても、発注者と合意する場に立つのは所長本人です。AIが下書きした期限をそのまま口に出すのではなく、現場の実際の動きを頭で確認してから、発注者に対して口約束をします。

この4つを最初に決めておけば、AIを工程会議のプロンプトに使うのは怖い話ではなくなります。スピードはAIで担保、判断の正しさと現場理解は22年の実務経験で担保する、という二本柱の使い方は、工程会議でもそのまま通用します。

6. 導入で必ず起きる失敗2つ

3つのプロンプトを配って回ると、最初の1〜2週間で必ず同じ失敗が起きます。事前に書いておきます。

失敗1: 1本目でうまくいかない 1週目の議事録を試すと、AIが出してきた下書きが会議の実態と合っていない、ということが必ず起きます。理由は単純で、入力に貼り付けた会議メモが雑だからです。走り書きで箇条書きになっていなかったり、話し手の名前が抜けていたり、時系列が入れ替わっていたり。

これは失敗ではなく、自分の日本語の粗さがAIに増幅されて見えている状態です。会議メモを箇条書きで書く癖を1週間つけると、2週目以降は下書きの精度が上がります。日報を1週間書いたら書けるようになるのと同じで、プロンプトも入力側の癖を1週間で整えます。

失敗2: 3つ同時に始めようとする やる気のある所長ほど、議事録・進捗要約・来週段取りの3つを同時に試してしまいます。3つ同時にやると、どの型がどこで失敗したかが分からなくなります。

最初の1週間は議事録だけ。翌週から進捗要約を足す。その次の週から段取りを足す。この順序で入れると、1ヶ月で3つとも1人で回せるようになります。逆順は勧めません。段取りから入ると、そもそも過去の議事録の型がないので、AIが参照する材料が薄すぎて下書きが浅くなります。

プロンプトなしで思い出しながら書く机と、プロンプトありで10分後に下書きが出ている机の左右対比

7. まずは1週間、議事録だけ試す

大きな導入計画を立てる前に、今週すぐやれることが1つあります。

次の工程会議の議事録を、上の1つ目のプロンプトだけで下書きさせる。会議メモは走り書きのままでいいので、AIに貼り付けて、出てきた下書きを10分だけ見直す。それを1週間続けます。

翌週の工程会議で、同じプロンプトで2本目の議事録を下書きします。2本目のときには、1本目で気付いた「うちの現場では発注者側の指示がこう出やすい」といった癖を、プロンプトの制約に1〜2行足しておきます。プロンプトは1週ごとに1〜2行足していく、これで自分の会社の書式に馴染んでいきます。

工程会議のプロンプトが3つとも自社の書式に馴染むまで、だいたい1ヶ月です。1ヶ月経つと、工程会議の書類仕事に費やす時間が半分から3分の1になります。空いた時間を、現場を見に行く時間や、若手を持つ先輩監督を支える時間に回せるようになります。

工程会議のプロンプトが回り始めたら、次は変更協議資料や月次提出物といった、もう一段重い書類にAIを入れていく順序です。書類を外に出せる範囲と、責任分界の線引きは、現場の書類業務、どこまで外に出せるのかと書類を外注するときの責任分界にまとめてあります。工程会議のプロンプトで感覚を掴んでから、そちらに進むと迷いません。

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この記事の出典

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

建設実務22年 / AIエキスパート

22歳から一般土木の施工管理、26歳からは専門業種の技術職として現場に立ち続けて22年。その実務経験を土台に、いまはAIエージェントを駆使して現場事務所のバックオフィス業務をAI化する支援をしています。

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「ChatGPTは使っている」の次にやると効くこと —— 社内の型をAIに毎回渡す仕組み

ノートパソコンで社内ルールのドキュメントを一緒に見ながら、AIへの渡し方を確認している場面

御縁 GROWTH ロゴ

「うちもChatGPTは使っている」——ここ1年、経営者の方と話していて、この一言をいちばん多く聞くようになりました。

数年前なら「AIって、うちに関係あるの?」でしたから、変化は大きいです。ただ、その次に必ず出てくるのが、「使っているんだけど、正直、思ったほど楽になっていない」という言葉です。

私はこのブログをAIに書かせて毎晩1本、翌朝9時に公開する仕組みで運用しています。その仕組みを作る過程で、「使っている」と「効いている」の間には明確な段差があるということを、自分の会社でも痛いほど確かめました。

今日はその段差の話と、そこを越えるために何をやると効いたのか、逆に何をやって失敗したのかを、そのまま書きます。

ノートパソコンで社内ルールのドキュメントを一緒に見ながら、AIへの渡し方を確認している場面

1. なぜ「使っている」で止まる会社が多いのか

まず現在地の数字から確認します。

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した調査によると、中小企業でAIを導入している割合は20.4%(全社的3.6%+一部業務16.8%)、検討中が18.6%です(中小企業のAI活用実態調査 — 中小機構)。

中小企業のAI導入率は20.4%(中小機構2026年3月公表)。ただし導入と定着は別で、2026年は定着が問われるフェーズに入った

数字の伸び方を見ると、「導入」までは進んできた会社が確実に増えています。ただ、問題はその次に起きています。

2026年に入ってから、業界のガイドや調査記事では「導入」と「定着」は別物という指摘が目立つようになりました。導入は「ChatGPTを契約して社員が使える状態にする」こと。定着は「社員が毎日の業務のなかで自然にAIを使い、それが当たり前になっている」ことを指します(生成AIを定着させる方法とは — JAPAN AI、中小企業の生成AI定着完全ガイド — BoostX)。

「ChatGPTを試したけど、結局誰も使わなくなった」——2025年以降、中小企業でこの声が急増しているとも報告されています(生成AIを使いこなす中小企業と使えない会社の差 — Anomaly)。

導入は済んだ。でも定着はしていない。ここが、今の中小企業の共通の踊り場です。

2. 「使っている」と「効いている」を分けているもの

私が自分の会社でAIを毎日動かしていて、いちばん強く感じているのはこの点です。

AIが効いてこない一番の理由は、毎回ゼロから頼んでいるから、です。

聞こえは当たり前ですが、実際の現場を見るとほぼこうなっています。担当者が思いついたときにChatGPTを開き、その場で「これ書いて」「これ要約して」と一発の依頼を投げる。出てきたものを手直しして使う。その依頼の内容は誰の手元にも残らない——だから次の週、同じ内容を頼むときは、また別の担当者がゼロから書き直す。

会社が毎回スタート地点に戻ってしまう構造です。これが続くと、AIを何回使っても社内に何も積み上がらない。使っている人は「ちょっと便利」で終わり、使っていない人は「面倒そう」で終わる。両方から「効いていない」と言われる、というのが定着していない会社の典型です。

3. 効いてきたのは「社内の型を、毎回AIに渡す」に切り替えたとき

私の会社で切り替えたのは、この一点でした。

その都度AIに指示するのではなく、うちの型(ルール・書式・NG集・言い回しの好み)を1つのドキュメントに書き溜めて、AIに仕事を頼むときは必ずそれを一緒に渡す。

机の上に社内ルールを書き出した付箋を色分けして並べた俯瞰イメージ

具体的にドキュメントに書いているのは、たとえばこういうものです。

  • あいさつ文の型、見出しの順番、段落の長さの好み
  • 使ってよい表現・使ってはいけない表現(建設業向けだと「派遣」「常駐」は書かない、といった業務判断も)
  • 数字を書くときの出典の付け方
  • 相手ごとの敬語のトーン
  • 断り方の言い回し
  • よくある質問と、それに対するうちの答え方

このドキュメントは、月に何度も書き足しています。「あ、ここはこう書きたかった」と気づいたら、その場で追記する。AIの出力を直したら、その直した理由もドキュメントに反映する。すると、次からAIは同じ間違いをしなくなります。

これは新しい発想ではなく、業界の解説記事でも「社内で過去に使ったドキュメントやレポートを例として与えると、組織固有の言語トーンや形式を反映した出力が得られる」という書き方で紹介されている定石です(ChatGPTプロンプトテンプレート完全ガイド — AI総合研究所)。

ただ、「聞いたことはある」と「毎日回している」の間には、また段差があります。私の会社でも、この仕組みを回してみるまでは「なんとなく良さそう」で終わっていました。

4. 失敗した話 —— ルールが陳腐化して、仕組みが8晩止まった

いいことばかり書いても信用ならないので、この方式で私が実際にやらかした失敗も書きます。

このブログを回している仕組みには、「次に書く記事はこれ」という目印をルールのドキュメントに書き込んでおく仕掛けが、当初ありました。目印を頼りにAIが毎晩「次に書く記事」を選び、書き上げて予約投稿する、という流れです。

うまくいっていたのは最初だけでした。目印は、記事を書き上げたら次の記事に付け替える必要があります。ところが、あるとき目印を付け替え忘れたまま数日放置してしまったのです。

すると、AIは毎晩ちゃんと動きにきて、目印の指す記事を見て「これはもう公開済みだから書く必要がない」と判断して、静かに終わっていました。ログには「該当なし」とだけ書いてあり、私が翌朝それを見るまで、8晩連続で1本も記事が書かれていなかったことに気づけなかったのです。

翌朝、仕組みが動いていなかったことに気づく画面のマクロ接写

これはAIが賢くないから起きたことではありません。むしろAIはルールに正確に従っていました。ルールの側が現実からずれていたのに、それを検知する仕組みが入っていなかった、というのが本当の原因です。

2026年7月27日にこの目印方式は廃止し、「予定日がいちばん近い記事から順に書く」という放っておいても陳腐化しない基準に置き換えました。以降、同じ理由で止まっていません。

学びはひとつです。AIに社内の型を持たせる仕組みは、ルールを書いたら終わりではない。ルールが古くなっていないか、ルールが現実とずれていないかを、定期的に人が見に行く運転席が必ずセットで要ります。

5. どこから始めるか(3つの手順)

「うちもやってみたい」と思ったときに、いきなり分厚いドキュメントを書こうとすると挫折します。私が実際に効いたのは、次の順番でした。

AIに渡すルール文書を、手元のメモを見ながら書き足している場面

手順1: 直近3ヶ月で「同じ質問をAIに何度もした業務」を1つだけ選ぶ

新規で仕組みを作るのではなく、すでにAIに何度も頼んでいる業務を選ぶ。ここに「毎回ゼロから頼み直している」ムダが必ず溜まっています。営業メールの返信、議事録の要約、問い合わせフォームへの一次回答——このあたりが最初の候補になりやすいです。

手順2: その業務の「うちの型」を、A4半分に書き出す

長く書かなくていいです。A4半分に収まる量で、次の3つだけ書きます。

  • この業務で守ってほしい形式(並び順・見出し・長さ)
  • この業務で使ってはいけない表現(社名の誤字防止・業界用語の使い分け)
  • 判断に迷ったときに人に戻すサイン(金額・固有名詞・法律に関わる話は必ず人に確認)

これが「社内の型」の最小単位です。分厚く作ろうとすると更新が止まるので、最初は必ず薄く始めます。

手順3: AIに仕事を頼むたびに、必ずこのA4を一緒に渡す

ここが定石を外しやすいところです。ChatGPTでも、Claudeでも、Geminiでも、新しい会話を始めたら毎回、この型を最初に読ませてから業務の指示を出す。「一度覚えたはず」と思って省略した瞬間から、AIはまた素の状態に戻ります。

Skills機能(保存したプロンプトを呼び出す機能)が使えるプランなら、その型をSkills化して、業務ごとに呼び出すのが実務的です(ChatGPTプロンプトテンプレート完全ガイド — AI総合研究所)。使えないプランでも、そのA4をコピペするだけで十分に効きます。手間はほんの数秒です。

この3手順の目的は「立派な仕組みを作ること」ではなく、「毎回ゼロから頼む」の状態から会社を1歩ずらすことです。1歩ずれるだけで、社内に何かが積み上がり始めます。

6. AIに「判断」まで任せない一線を、最初に決めておく

もう1つだけ、これから仕組みを作る方に伝えておきたいことがあります。

社内の型をAIに渡すと、AIの出力はどんどん自社らしくなります。すると、AIが最終判断まで下してしまう場面が出てきます。金額の提示、契約条件の返答、外部への公式コメント——このあたりでAIが「うちの型どおり」に返してしまうと、その返信を止められる人が誰もいなくなります。

2026年3月31日に更新されたAI事業者ガイドライン 第1.2版では、AIエージェントのような自律的に動く仕組みを業務に入れる際に、「重大な影響が生じ得る場面で、人間が判断を介在させる仕組みを社内ルールに反映すること」が明記されました(AI事業者ガイドライン第1.2版について — 経済産業省)。

これは大企業だけの話ではありません。「うちの型」を書くときに、そこに1行だけでも「ここから先はAIに任せず必ず人が返す」という線を入れておく——それだけで、後から仕組みが暴走する確率がぐっと下がります。

前回の記事「AIに任せて事故りかけた話」で書いた、自分の名前を3回も誤字で公開してしまった件も、遡ればここに該当します。数字と固有名詞は、AIがどれだけ「うちの型」を覚えたとしても、最後は人が確認する——この線は動かさない方が無難です。

7. まとめ

「ChatGPTは使っている」の次にやると効くのは、社内の型を1枚のドキュメントに書き、AIに仕事を頼むたびに必ず一緒に渡すことです。

  • 「導入」と「定着」の間の踊り場に、多くの中小企業が今います
  • 効いてこない一番の理由は、毎回ゼロから頼んでいる構造にあります
  • うちの型をA4半分に書き、毎回AIに渡すだけで、社内に少しずつ積み上がる状態に変わります
  • ただし、ルールが陳腐化しても検知できる仕組みをセットで作ること(私は8晩気づけずに落としました)
  • 数字・固有名詞・金額など、人が最後に見る線は最初に決めておくこと

御縁では、「うちも次の一手を打ちたい」というご相談をいただいたときに、まずこのA4半分から一緒に書き起こすところをお手伝いしています。分厚い研修や高価なツールから入る前に、この1枚だけでも試してみると、感触が変わるはずです。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

AIエキスパート / 現場実務22年

22年間ずっと現場側で実務をしてきた人間が、いまはAIエージェントを毎日の業務に組み込んで運用しています。うまくいったことも、任せて失敗したことも、そのまま書いています。

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