毎日1本AI執筆でSEOは上がるのか(自社実験 経過報告 第3回)

8週間分の週次レポートを横1列に並べて俯瞰した机の上

御縁 GROWTH ロゴ

前回、5週間で30本まで積み上げて、GA4合計は66ページビュー・コンバージョン0、と書きました。

あれから3週間、開始から数えると約2ヶ月が経ちました。同じ実験をそのまま続けています。今日はその経過報告 第3回です。

先に結論を書きます。累計52本まで積み上げましたが、ページビューは74・コンバージョンはまだ0のまま。数字の伸びは前回よりさらにゆるやかで、代わりに見え始めたのは「壊れ方の質が変わってきた」ということでした。 この2ヶ月で運用を回し続けた立場から、何が起きたかを順番に書きます。

8週間分の週次レポートを横1列に並べて俯瞰した机の上

1. 前回のおさらい

第2回(経過報告 第2回)で書いたのは次のことでした。

2026年7月22日から8月27日までの37日間で累計30本を公開し、GA4合計は66ページビュー・66セッション・コンバージョン0。ラインで見ると、住宅ライン11本の48PVがこの期間の約7割を占めて、他の3ライン(建設・AIの学び・サービス)はまだ本数が薄いか、反応が薄いか、あるいはその両方でした。

そこから見えた暫定的な結論が、「AIを賢くしようとするより、AIに毎回渡す側を整えるほうが早い」というもの。

第3回はこの続きです。同じ指標で並べ直すのがこの経過報告の設計なので、指標は第1回・第2回と揃えます。

2. 約2ヶ月経過の実測値をそのまま出す

2026年7月22日から9月17日までの58日間で、累計52本を公開しました。

GA4(Googleアナリティクス)の合計は、本記事執筆時点で次の通りです。

  • 累積ページビュー: 74
  • 累積セッション: 74
  • 累積コンバージョン: 0

第2回の時点で30本66PVでしたから、そこから3週間で22本増やして、追加分のPVは8、というのが素直な読み方です。本数は1.7倍、PVは1.1倍。新しく足した記事ほど、まだ数字が乗っていない、という前回書いた傾向がさらに強くなっています。

07-22から09-17までの58日間でAI執筆した公開記事本数と、そのGA4合計ページビューの週次推移(自社実測)

もう少し具体的に見ると、上位3本の顔ぶれは前回とほとんど変わりませんでした。

  • 1位: #4「住宅会社のホームページ集客 完全ガイド」(P1ハブ)が14PV
  • 2位: #8「AI検索時代の住宅会社集客ガイド」(P3ハブ)が10PV
  • 3位: #7「GA4計測改修の前後で何が変わるのか」(P2)が9PV

第2回と同じ3本が同じ順位で並んでいます。この3週間で入れ替わりは起きていない。上位3本が全体の44%(33/74)を占めていて、上と下の差が広がるほうに傾いた格好です。

「本数を増やせば平均PVが上がる」という素朴な仮説は、少なくともこの58日間では成立していません。それどころか、本数を増やすほど1本あたりの平均は下がっていく(第2回=2.2PV / 第3回=1.4PV)——新しい記事にまだインデックスと評価の時間が乗っていないだけ、という一般相場(新規サイトのインデックス反映まで数週間〜数ヶ月/SEO効果は3〜6ヶ月)と、私が見ている景色は矛盾していません。

つまり、いま出ているのは「本数の効き目」ではなく「時間の効き目」 です。この違いを取り違えると、続ける・やめるの判断が狂います。

3. ラインごとの偏りは、前回よりさらに強まった

ラインで分けて足してみます。

  • 住宅ライン(P): 18本で51PV(1本あたり2.8PV)
  • 建設ライン(C): 20本で17PV(1本あたり0.9PV)
  • AIの学び(A): 7本で5PV(1本あたり0.7PV)
  • サービス紹介(S): 6本で1PV(1本あたり0.2PV)

第2回では住宅ラインだけが反応の芽を出していると書きましたが、建設ラインを本数で追い越したのに、PVでは住宅の3分の1に届いていない、というのが第3回の読み方です。

住宅・建設・AIの学び・サービスの4ラインの累計PVを帯の長さで比較した俯瞰

住宅と建設で、本数はほぼ並んだ(P=18 / C=20)のに、PVは住宅51対建設17で、この差はほとんど詰まりませんでした。

建設のPVがなかなか乗ってこない理由は、いまの時点では3つ仮説を持っています。

1つ目は、単純に新しい記事が多くて時間切れなだけ、という仮説。第2回の時点で建設は11本しかなく、そのうち古い記事も1本1〜4PVの小さな粒でした。建設20本のうち、公開から1ヶ月以上経ったものはまだ半分です。3〜6ヶ月の一般相場に当てはめると、判断はまだ早い。

2つ目は、建設読者の検索行動と、私の記事タイトルが噛み合っていない、という仮説。建設の現場所長が実際にGoogleに打ち込む言葉は、私が想像する言葉よりもっと具体的で狭いのかもしれません。「変更協議資料 書き方」「施工計画書 テンプレート」「現場監督 書類 多すぎる」——このあたりの長尾クエリを、私はもう少し丁寧に拾えていない可能性がある。

3つ目は、建設現場の意思決定者は、そもそも仕事中にブログを読まないという仮説。日中は現場にいて夜に事務所で書類を書くという生活リズムだと、Googleでブログを読むタイミング自体が薄い。この場合、SNSやメルマガの経路をきちんと持たないと、記事の中身がよくても届かない。

第3回の時点では、この3つを切り分けるほどの材料はまだありません。第4回でSearch Consoleのクエリ別データを並べてから、どの仮説が正しそうかを詰めます。

AIの学び(A線)とサービス紹介(S線)はまだ本数が7本・6本と少なく、PVで良し悪しを語る段階に達していません。両方とも「読んだ人がすぐ問い合わせに変わる」ことを直接期待するラインではなく、指名検索と滞在時間で評価するべきライン、というのは第1回・第2回と変わりません。

4. この3週間で「壊れた」こと4つ

第1回・第2回と同じで、AI運用でいちばん怖いのは「動いているように見えるけれど、実は動いていない」状態でした。

第3回の期間でも、同じ類の壊れ方が4回起きました。それぞれ書きます。第2回で書いた4件と比べると、質が変わっています。前回は「1本1本のバグ」でしたが、今回は「システムの外側(認証・使用枠・スケジュール)」で落ちるものが多い。

この期間に起きた4件の壊れ方と、気づくまでにかかった時間の俯瞰

① 承認拒否で予約投稿が止まった。夜間タスクは「事前に許可した文字列のコマンドだけが動く」設計です。9月上旬、スクリプトの呼び出し方を微妙に変えたのですが、新しい書き方は承認リストに入っていなかった。記事本文とSNS文までは仕上がっていたのに、09:00公開の枠は空のまま。気づいたのは朝の6時間後でした。この失敗は第2回でも一度書いていて、同じ形の再発です。

② 夜の途中でAIの使用枠を使い切って中断した。Claude Codeには1日あたりの利用枠があり、それを超えると途中で止まります。9月中旬のある夜、記事の執筆と画像生成で使用枠を先に食ってしまい、投稿の直前で中断しました。「動ききれずに止まった」わけです。認証切れと使用枠切れは似た症状で出るのですが、原因が違うので直し方も違う。気づいたのは翌朝の6時間後でした。

③ 事前チェックで一晩まるごと落ちた。夜間ループの最初に、外部サービスとの疎通を確認する事前チェックが走ります。9月中旬のある夜、その事前チェックが応答待ちで数時間ぶら下がったままになり、続きの処理が始まらずに一晩が終わりました。「動きが始まらずに止まった」という壊れ方です。気づいたのは翌朝の6時間後。

④ 前夜の穴埋めで、翌日の枠まで先取りした。前夜の②で公開枠が空いたので、翌日の夜間ループが「昨日の分を今日書く」ように動いたのですが、その日の枠まで一緒に埋めてしまった。結果、その次の日の09:00公開が空くという、穴埋めが穴を作る壊れ方です。気づいたのは昼の15時間後。

4件を並べると、気づくまでの時間が「6時間 → 6時間 → 6時間 → 15時間」と、前回(6時間 → 3日 → 15時間 → 19日)よりだいぶ短くなりました。「動かなかったこと」自体を朝の通知に含める仕組みは第2回で入れたので、気づきの速さは前回の学びが効いた、という言い方ができます。

5. 壊れ方の質は、確実に変わった

第2回のときは、「1本の記事を仕上げるところで詰まる」失敗が中心でした。ログの不備、承認リストの取り違え、経歴年数の混在、氏名の誤字。どれも「今日の1本」の中で完結する話です。

第3回で目立つようになったのは、「システムの外側との折り合いで落ちる」失敗のほうでした。認証セッションの切れ、AIの利用枠の切れ、スケジュール判定の副作用、事前チェックの応答待ち。どれも、記事の中身とは無関係の場所で止まっています。

これはある意味、運用が一段進んだ証拠でもあります。中身のバグは第2回でだいぶ潰したので、次に表面化するのは「外との境目」の失敗、という順番になっている。

同じ4件を、直したうえで再発させていません。それぞれ次の手を打ちました。

  • ①:スクリプトの呼び出し規則を1つに固定し、承認拒否が2回続いたら粘らずに理由をログに書いて終わる、という手順に統一
  • ②:AIの利用枠切れと認証失敗を、別々のエラーコードで区別できるようにした(同じ症状で終わってしまうのが最大の問題だった)
  • ③:事前チェックにタイムアウトを付け、1つのチェックのハングで一晩を丸ごと落とさないように直した
  • ④:翌日への繰り上げに「今日の分の枠を先に確認する」ガードを入れ、穴埋めで穴を作らない仕組みにした

そして、次に切れそうな認証セッションは、切れる3日前から予告通知が来るようにしました。これで「気づいたときには切れていた」を防げる想定です。効いたかどうかは第4回で確認します。

6. うまくいったこと・見え始めたこと

失敗を書いた分だけ、うまくいったことも書きます。

まず、記事1本あたりの平均品質は、私の主観では上がりました。第1回のころは「同じ構図の画像が4枚中3枚」だったり、経歴の年数が記事によってばらついたり、といった露骨なほころびが目立ちました。第3回時点ではそれらはほぼ消えて、校閲工数は明らかに減っています。

原因は分かっていて、第2回で書いた「AIに毎回渡す側の型を整える」運用が、この3週間でさらに固まったからです。建設ラインで書いてはいけない5項目(採用比較・派遣扱い・AI最終判断・役所窓口・特定名の掲出)、AIラインで必ず入れる失敗談、サービスラインで書かない具体的な金額——こういうラインごとの禁止事項を、AIが読みにいく側の場所を1つにまとめたので、記事間で扱いがずれる事故が減りました。

次に、内部リンクの厚みが少しずつ効き始めています。第2回で上位に入っていた#4(P1ハブ)・#8(P3ハブ)は、この3週間で新しいスポーク記事から2〜4本ずつリンクが増えていて、ハブ側のPVも少しずつ底堅くなっています。新しい記事から古いハブへ人が回る動線は、8週目に入ってようやく感触が出てきました。

そして、Google側の評価軸とのすれ違いは、いまのところ起きていません。2026年3月・8月のコアアップデートで示された方向——「独自の調査・事例・体験が薄い記事は評価が下がる」(2026年3月Googleコアアップデート/京谷商会、2026年8月最新/Speee)——と、私が毎回入れている「建設実務22年からの一次情報」は、方向としては合っているはずです。少なくとも、この3週間で公開停止・大幅な順位下落は起きていません(もっとも、そもそもの順位が低い段階なので、そこは楽観できない)。

AIで量産して評価を落とす、という国内外で報告されている失敗パターン (AI生成コンテンツの可視性低下/ペタビットマーケティング)を横目に見つつ、「量は増やすが、一次情報を必ず織り込む」という原則を崩さない、というのが、いまのところ効いているように見えます。

7. 第4回(3ヶ月時点・10月末)に見る指標

指標は変えません。第1回・第2回・第3回と比べられるように、フォーマットも変えません。

紙に書かれた「壊れ方の質が変わった」を挟んで話している場面
  • 記事本数(累積)
  • ページビュー・セッション・コンバージョンの合計
  • ライン別の反応差(1本あたりPVで比較)
  • 検索クエリ別のクリック数(Search Consoleの数字を第4回から追加する予定・第3回では実装が間に合わなかった)
  • 壊れた回数と、気づくまでにかかった時間

第4回は開始から約3ヶ月経過(累積80本前後)、新規サイトの検索順位が動き始める一般的な相場(freesquare)に本格的に差しかかる時期です。「本数の効き目」と「一次情報の効き目」のどちらが先に立ち上がるかが、そこで一度見えるはずです。

そして前回書いた通り、=もし第4回でもコンバージョンが0のままなら、それは「読まれていない」からではなく「問い合わせにつながる書き方をしていない」からです=。その場合は本数を減らして構成を練り直す、という判断をこの経過報告の中で書きます(続けていることを美化しないルールです)。

第3回時点での私の暫定的な結論は、「毎日1本のAI執筆は、記事の中身より運用の外側(認証・使用枠・スケジュール)を整えることのほうが重い」、というものです。中身は型に落とせば揃うので、量を続けるほど外との境目の設計品質が、コンテンツそのものより効いてきます。

AIをブログに入れるかどうかで迷っている方は、「毎日書けるか」よりも「毎日回るか」を先に見積もったほうがいい ——2ヶ月続けた立場からは、そう思います。

---

第3回はここまでです。第4回は10月末(3ヶ月時点)を予定しています。AIブログを検討中の方は、続きの号もあわせて読んでいただけると判断材料として使いやすいはずです。

御縁の代表 石本 政晴 —— 建設実務22年・現在はAIエキスパートとして中小企業のAI導入支援をしています。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

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22年間ずっと現場側で実務をしてきた人間が、いまはAIエージェントを毎日の業務に組み込んで運用しています。うまくいったことも、任せて失敗したことも、そのまま書いています。

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毎日1本AI執筆でSEOは上がるのか(自社実験 経過報告 第2回)

窓辺のノートパソコンで累積の数字を静かに見つめている場面

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前回、「本数を増やせばSEOは上がる」は、少なくとも2週間では起きなかった、と書きました。

あれから3週間半、開始から数えると5週間が経ちました。同じ実験をそのまま続けています。今日はその経過報告 第2回です。

先に結論を書きます。5週間経って累積30本まで積み上げましたが、ページビューの伸び方はゆるやかで、コンバージョンはまだ0のままです。 ただし、この期間で見えたのは数字より運用の壊れ方のほうでした。何を直したかを、順番に書きます。

窓辺のノートパソコンで累積の数字を静かに見つめている場面

1. 前回のおさらい

第1回(経過報告 第1回)で書いたのは次のことでした。

2026年7月22日から8月6日までの16日間で14本を公開し、GA4合計は38ページビュー・38セッション・コンバージョン0。ラインで見ると、住宅ライン5本の27PVがこの期間の約7割を占めて、ほかの3ラインは反応の芽すら出ていない状態。

そこから見えた暫定的な結論が、「AIは「書く速度」を上げる道具ではなく、「一次情報を型にして貯める速度」を上げる道具として使うのが妥当そう」というものでした。

第2回はこの続きです。同じ指標で並べ直すのがこの経過報告の設計なので、指標も第1回と揃えます。

2. 5週間経過の実測値をそのまま出す

2026年7月22日から8月27日までの37日間で、累積30本を公開しました。

GA4(Googleアナリティクス)の合計は、本記事執筆時点で次の通りです。

  • 累積ページビュー: 66
  • 累積セッション: 66
  • 累積コンバージョン: 0

第1回の2週間14本で38PV・0CVでしたから、そこから3週間半で16本増やして、追加分のPVは28、というのが素直な読み方です。本数は倍以上、PVはだいたい1.7倍。新しく足した記事ほど、まだ数字が乗っていない、という状態です。

07-22から08-27までの37日間でAI執筆した公開記事本数と、そのGA4合計ページビューの週次推移(自社実測)

もう少し具体的に見ると、上位3本は次の通りでした。

  • 1位: #4「住宅会社のホームページ集客 完全ガイド」(P1ハブ)が14PV
  • 2位: #8「AI検索時代の住宅会社集客ガイド」(P3ハブ)が10PV
  • 3位: #7「GA4計測改修の前後で何が変わるのか」(P2)が9PV

第1回時点でトップだった#4は変わらず1位、2位と3位はどちらも第1回の後に公開したハブ記事とスポーク記事で、ここから伸びていました。逆に、公開して1〜2週間経っても0PVのままの記事も9本残っています。

「本数を増やすほど平均PVが下がる」ようにも見えますが、それは新規サイトでインデックス(Googleの検索対象への登録)に数週間かかるのが一般的な相場だからで(新規サイトのインデックス反映 — freesquare)、公開してすぐの記事は当然まだ数字が乗りません。第1回で公開した記事のうち、この5週間で追加のPVを稼げたのは上位3本にほぼ集中していた、という言い方が正確です。

3. ラインごとの偏りは、第1回とほぼ同じ

ラインで分けて足してみます。

  • 住宅ライン(P): 11本で48PV(1本あたり4.4PV)
  • 建設ライン(C): 11本で14PV(1本あたり1.3PV)
  • AIの学び(A): 3本で3PV(1本あたり1.0PV)
  • サービス紹介(S): 3本で1PV(1本あたり0.3PV)

第1回の時点で「住宅ラインだけが少し反応の芽を出している」と書きましたが、5週間経っても、その偏りはむしろ強くなっている、というのが第2回の読み方です。

住宅・建設・AIの学び・サービスの4本の帯の長さで反応差を表した俯瞰

住宅ラインが本数の割にPVを稼げている一因は、ハブ記事とスポーク記事の関係で内部リンクが厚くなっていることのようです。#4(P1ハブ)と#8(P3ハブ)に、周辺のスポーク記事から2本ずつリンクを張っているので、新しくスポークを1本足すたびに、ハブ側にも人が回ってきます。

建設ラインは本数を住宅と同じ11本まで積んでも、まだPVは住宅の3分の1以下でした。ここは正直、まだ読み解けていません。読者の検索行動が違うのか、私の書き方が建設読者に届いていないのか、それとも単に本数がもう少しいるのか。第3回までは判断を保留する予定です。

AIの学び(A線)とサービス紹介(S線)は本数がまだ3本ずつと少なく、反応差を語る前にサンプル不足です。両方とも「読んだ人が問い合わせに変わる」ことを直接期待するラインではないので、この2つは指名検索と滞在時間で追うことにします(Search Consoleの数字は第3回から並べる予定です)。

4. この5週間で「壊れた」こと4つ

第1回で書いた通り、AI運用でいちばん怖いのは「動いているように見えるけれど、実は動いていない」状態でした。

第2回の期間でも、同じ類の壊れ方が4回起きました。それぞれ書きます。

この期間に起きた4件の失敗と、気づくまでにかかった時間の俯瞰

① 8月12日、Macがログインしていなくて夜間ジョブが動かなかった。予約公開の準備は毎晩深夜2時にMacで走る設計なのですが、その日はスリープからログインに戻っていなくて、ジョブそのものが呼ばれなかった。この日は09:00の公開枠がまるごと空きました。手作業で穴埋めしたのですが、気づいたのは朝の6時間後でした。

② 8月13〜16日にかけて、3晩中2晩で夜間ループが停止していた。①の直後の週で、別の原因が2つ重なった状態です。「動かなかったこと」を朝の通知に含めていなかったのが根っこで、気づくまでに3日かかりました。この期間で公開できたのは1本だけです。

③ 8月18日、記事は書けたのに予約投稿だけができなかった。夜間タスクは「事前に許可した文字列のコマンドだけが動く」設計なのですが、私が途中でスクリプトの呼び方を「絶対パス」に書き換えていて、その書き方は承認リストに入っていなかった。4回連続で承認拒否になり、記事本文とSNS文までは仕上がったのに、09:00公開の枠は空のままでした。気づくまでに15時間。

④ 8月11日、自分の経歴の年数と氏名の誤字が公開記事に混じっていた。厳密には第1回の期間に混入した誤りを第2回の期間で発見・修正した話です。8本の記事のうち、経歴年数(建設実務20年/22年)の混在が21箇所、氏名の誤字が3件。この件は別記事にそのまま書きました。気づくまでに19日。

4件を並べると、気づくまでの時間が「6時間 → 3日 → 15時間 → 19日」とバラバラなのが分かります。運用の質は、失敗の件数より「気づくまでの時間」で決まる、と第1回で書きましたが、この5週間でそれを実測で確認した形です。

5. うまくいったこと・見え始めたこと

失敗を書いた分だけ、うまくいったことも書きます。

まず、上で書いた4件のうち①②③については、直したうえで再発させていません。それぞれ、次の順番で仕組みを入れました。

  • ①:朝の通知に「昨夜のジョブが走らなかった場合」も含めた(走らなかったこと自体を検知)
  • ②:夜間ループの経路に「事前チェックのタイムアウトで一晩を丸ごと落とさない」ガードを入れた
  • ③:スクリプトの呼び方を絶対パスから相対パスに戻し、承認拒否が2回続いたら粘らず理由をログに書いて終わる、というルールを手順書に書き足した

④はもう少し根っこの直し方をしました。同じ経歴や氏名を毎回書き直すのをやめて、正典を1箇所に置き、記事側からはそこを参照するだけ、という運用に切り替えました。AIに何度も書かせるのではなく、AIが読みにいく側の場所を1つにする、という発想です。これで、少なくとも同じ失敗は起きなくなりました。

次に、「次に書く記事の選び方」を大きく単純にしました。第1回の期間には、記事を選ぶための「印」を設計書のあちこちに散らして、その印を目印にAIが記事を選ぶ、という凝った仕組みで動かしていました。ところが、その印が陳腐化した瞬間に8晩まるごと空振り(第1回で書いた失敗)が起きた。

そこで、曜日ごとに書くラインを固定して、選ぶルールは「予定日が最も早い企画をとる」、これだけに絞りました。仕組みを凝るほど、その仕組みが壊れたときの被害が大きくなる、という当たり前のことを、遠回りして確認した格好です。

そして最後に、AIには「型」を毎回渡すという運用が、この5週間で少しずつ形になってきました。私の場合の「型」は、建設実務22年の経歴、正典化した氏名の表記、ラインごとの禁止事項(採用比較を書かない・派遣と読める表現にしないなど)、記事の構成テンプレといった、書き手側で毎回変わらない部分です。これをAIに毎回渡すようにしてから、「もっともらしく書けるから起きる事故」の発生頻度が下がりました。

ここまでの手応えは、「AIを賢くしようとするより、AIに毎回渡す側を整えるほうが早い」というものです。 これは第3回以降でも同じ指標で追い続ける予定です。

6. 第3回(3ヶ月時点・10月末)に見る指標

同じ指標で並べます。第1回・第2回と比べられるように、フォーマットは変えません。

紙に書かれた「壊れたときに、どれだけ早く直せたか」を挟んで話している場面
  • 記事本数(累積)
  • ページビュー・セッション・コンバージョンの合計
  • ライン別の反応差(1本あたりPVで比較)
  • 検索クエリ別のクリック数(Search Consoleの数字を第3回から追加)
  • 壊れた回数と、気づくまでにかかった時間

第3回は開始から約3ヶ月経過(累積60〜80本前後)、新規サイトの検索順位が動き始める一般的な相場(freesquare)に差しかかる時期です。「本数の効き目」と「一次情報の効き目」のどちらが先に立ち上がるかが、そこで一度見えるはずです。

そして、=もし第3回でもコンバージョンが0のままなら、それは「読まれていない」からではなく「問い合わせにつながる書き方をしていない」からです=。その場合は本数を減らして構成を練り直す、という判断をこの経過報告の中で書きます(続けていることを美化しないルールです)。

第2回時点での私の暫定的な結論は、「毎日1本のAI執筆は、SEO対策としてよりも、運用の壊れ方を先に潰していく訓練として意味がある」、というものです。数字より、壊れたときに、どれだけ早く直せたか——このもう1つの指標を、第3回でも同じ形で並べます。

---

第2回はここまでです。第1回と第3回のあいだに読めるように、次の号までは1ヶ月半ほど空きます。AIブログを検討中の方は、続きの号もあわせて読んでいただけると判断材料として使いやすいはずです。

御縁の代表 石本 政晴 —— 建設実務22年・現在はAIエキスパートとして中小企業のAI導入支援をしています。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

AIエキスパート / 現場実務22年

22年間ずっと現場側で実務をしてきた人間が、いまはAIエージェントを毎日の業務に組み込んで運用しています。うまくいったことも、任せて失敗したことも、そのまま書いています。

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毎日1本・AI執筆でSEOは上がるのか(自社実験 経過報告 第1回)

ノートPCの分析画面を2人で覗き込みながら経過を説明している場面

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「AIで毎日ブログを書けば、SEOは上がるんですか?」

ここ数週間、経営者の方から一番よく聞かれる質問です。答えを持っていると格好がつくのですが、正直まだ持っていません。

そこで、このブログ自体を実験台にして、毎日1本・AI執筆・予約公開を続けています。今日はその経過報告の第1回。2週間分の実測を、うまくいっていることも、2日間まるごと止まった失敗も、そのまま出します。

結論を先に言うと、「本数を増やせばSEOが上がる」は、少なくとも2週間では起きませんでした。 ただ、別のもの——何を積み上げると数字が動きそうかの手がかり——は見え始めています。

ノートPCの分析画面を2人で覗き込みながら経過を説明している場面

1. 何を、どうやっているのか

まず実験の設定を書いておきます。

このブログ(御縁ブログ)は、建設・住宅・AIの学び・サービス紹介の4つのラインを、曜日で固定して回しています。月・水・土は建設、火・木は住宅、金はAIの学び(この記事のライン)、日はサービス紹介。週7本、うち建設3本の配分です。

執筆はAIエージェント(AnthropicのClaude)、画像は生成AI(gpt-image-2)、入稿はWordPressのREST APIで自動化しています。毎晩深夜、次に書く記事を決めて、本文と画像を作り、予約公開(翌朝9時)まで自動で仕込む。

朝、私が起きたら、記事がすでに公開直前の状態で待っています。品質に問題があれば9時までに取り消せる、というのが唯一の安全網です。

曜日ごとに4色の付箋が並んだ投稿カレンダーの俯瞰

なぜ「毎日1本」にしたのか。理由は2つあります。

1つ目は、AIエージェント運用そのものを自分で回してみたかったから。クライアントに「AIをどう入れるか」を提案する立場なのに、自分の仕事で回していなければ話に厚みが出ません。実験台は必ず自社、という決めごとです。

2つ目は、SEOで一般に言われている「継続的な発信」を、AI時代にやったらどうなるかを見るため。手作業なら週1本が限界の会社が、AIを入れて毎日1本になったとき、Googleはそれをどう扱うのか。仮説を検証する前に、まず数字を集めます。

2. 2週間の実測値をそのまま出す

2026年7月22日から8月6日までの16日間で、14本を公開しました。GA4(Googleアナリティクス)の合計は次の通りです。

分析ツールの数字カードに38・38・0と並んでいるマクロ接写
  • ページビュー: 38
  • セッション: 38
  • コンバージョン: 0

数字を見て、拍子抜けした方もいると思います。私も同じです。月間PVは3桁後半のペース、コンバージョンはまだゼロ。「AIで量産すれば伸びる」というストーリーとは、ずいぶん違います。

内訳を見ると、記事1本ずつのばらつきが大きい。

自社ブログ14記事のGA4ページビュー実測値(最大14PV・平均3.8PV・0PVも1本)
  • 一番読まれた#4「住宅会社のホームページ集客 完全ガイド」(ハブ記事)が14PV
  • 2番目は#2「新潟市 注文住宅 おすすめ とAIに聞くと何が出るか実験」が6PV
  • 0PVの記事も1本(#3「アクセスはあるのに問い合わせがない」)
  • 平均は1本あたり約3.8PV

ラインごとに見ると、住宅ライン5本の合計が27PV(この期間の約7割)、建設ライン3本が7PV、AIの学び1本とサービス1本はそれぞれ3PVと1PV。

住宅ラインだけが反応の芽を出している、というのが素直な読み方です。とくにハブ記事型(周辺記事を束ねる長めの記事)に反応が集中する傾向がここでは出ています。

もっとも、新規サイトの検索順位は3〜6ヶ月かかるというのが一般的な相場です(Googleのインデックス反映まで数週間〜数ヶ月)。2週間の結果を「失敗」と言い切るのは早すぎるし、「成功」と言い張るのはもっと違う。現時点では、まだ判断材料にすらなっていない、というのが正確な言い方です。

3. 壊れたこと・壊れかけたこと

数字より、この期間で学んだのは壊れ方でした。

監視を入れる前と後で、同じ画面が別の意味を持つビフォーアフター分割

「動いているように見えるけれど、実は動いていない」が、AI運用でいちばん怖い状態でした。以下、実際に起きたことです。

① 認証切れで2日間まるごと停止した。予約公開に必要な認証トークンが7月末に切れていたのですが、夜間の自動処理は「正常終了」というログを残していた。中身は「エラーで途中終了→取り扱わずに次へ」だったのに、外から見ると「成功」に見えるログ設計になっていた。2日間、記事がゼロ本のまま気づけませんでした。

② 手順を固める前に自動化して、8晩まるごと空振りした。「次に書く記事」を選ぶルールが甘く、判定に使うマーカーが陳腐化した瞬間に「該当なし」で全部止まる、という壊れ方をしていました。「動くもの」を先に作りすぎたのが原因です。

③ 画像がAIっぽく揃ってしまった。ある記事で、4枚中3枚に「人物がホログラム画面を指差す」構図を使ってしまい、代表の私自身から「同じ構図の反復は、それ自体が新しいテンプレになる」というフィードバックを出す羽目になりました。プロンプトを人間側で毎回書き直さないと、AIは前回とよく似た絵に収束していきます。

④ 作風の指定と個別プロンプトが衝突した。全体の作風を「親しみのある実写」に統一しようとしたのに、記事側のプロンプトに旧作風(ホログラム・光の粒子)が残っていて、絵の中で真正面から喧嘩していました。プロンプトのコピペ運用ができない(毎回ゼロから書き直す)というルールに落ち着きました。

どれも「1本の記事を書く」だけなら気づかない類の失敗です。継続運用に切り替えた瞬間に初めて表面化する穴でした。

4. 2週間で見え始めたこと

数字は少ないですが、方向は見えてきました。

まず、「本数」だけではSEOは動かない。これは想像通りですが、実測で確認できたのは大きい。Googleが2026年3月のコアアップデートで示した方向——「独自の調査・事例・体験が全く含まれない記事」は評価が下がる(2026年3月Googleコアアップデート)——と、私が2週間で見た景色は、たぶん同じ方向を指しています。

つまり、AIに書かせるとしても、土台に「その会社にしかない一次情報」がないと、量が増えても積み上がらない。私の場合の一次情報は建設実務22年で、それを毎回記事に必ず織り込むようにしてから、少しずつ反応が変わり始めました。

次に、AIは「書く速度」を上げる道具ではなく、「一次情報を型にして貯める速度」を上げる道具として使うのがよさそう、という手応え。同じ経歴を毎回1から書くのは私も飽きるし、AIも上達しない。会社の書式・自分の実務経験・過去の判断を、AI側に少しずつ覚えさせて、毎回それを引き出す運用にしています。これは次回以降の記事で数字を出す予定です。

そして最後に、「動いているか」を人が見に行かないと運用は止まる。①の失敗が典型で、これ以降、認証チェックと投稿件数を独立に監視する仕組みを追加しました。AIが最終判断する部分は増やしていません(判断は常に人)。増やしたのは「AIの動作を人が見に行く頻度」の方です。

5. 次回までにやること

第2回(1ヶ月経過時点・8月末)は、同じ指標で並べます。

  • 記事本数(積み上げ)
  • ページビュー・セッション・コンバージョンの合計
  • ライン別の反応差
  • 検索クエリ別のクリック数(Search Consoleの数字を追加する)
  • 失敗した回数と、気づくまでにかかった時間

この最後の指標が実は一番大事だと思っています。継続運用の質は、成功例より「壊れたときにどれだけ早く直せたか」で決まる気がしているからです。

現時点での私の暫定的な結論は、「毎日1本のAI執筆は、SEO対策としてよりも、一次情報を蓄積する運用として意味がある」、というものです。数字が動くかどうかは3ヶ月〜半年見ないと分かりません。ただ、その間に「その会社にしかない話」がどれだけ形になったかは、AIが書こうが人が書こうが、確実に残ります。

AIをブログに入れるかどうかで迷っている方は、「本数を増やす」よりも「一次情報を型にして残す」を先に考えるといい、と、2週間続けた立場からは思います。次回、1ヶ月時点の数字でこれを検証します。

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第1回はここまでです。この経過報告はしばらく続けます。同じ指標で並べていくので、AIブログを検討中の方は、続きの号もあわせて読んでいただけると、判断材料としては使いやすいはずです。

御縁の代表 石本 政晴 —— 建設実務22年・現在はAIエキスパートとして中小企業のAI導入支援をしています。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

AIエキスパート / 現場実務22年

22年間ずっと現場側で実務をしてきた人間が、いまはAIエージェントを毎日の業務に組み込んで運用しています。うまくいったことも、任せて失敗したことも、そのまま書いています。

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