GA4計測改修の前後で何が変わるのか — 住宅会社サイトで見るべき5つの数字

住宅会社のオフィスでサイト担当者と経営者が並んでノートPCのGA4管理画面を見ながら話し合っている

御縁 GROWTH ロゴ

「GA4を新しく入れ直しました」——住宅会社のサイト運用でこの改修をしたあと、本当に見るべきなのは「反響が増えたかどうか」ではありません。

まず見るのは、これまで見えていなかった数字が、意思決定できる粒度で見えるようになったかです。反響数の増減は、そのあとに読むものです。順番を間違えると、改修そのものが目的化して「入れ直したけれど、何を根拠に次を打つのか分からない」まま数ヶ月が過ぎます。

住宅会社のオフィスでサイト担当者と経営者が並んでノートPCのGA4管理画面を見ながら話し合っている

前提:GA4計測改修で「増えた」ように見える数字の多くは、"見えていなかっただけ"

住宅会社のサイトでGA4を入れ直すと、コンバージョン数が改修前より増えて見えることがよくあります。これは施策が当たったからではなく、改修前は取れていなかった送信イベントが、改修後に正しく取れるようになっただけ、というケースがかなりの割合を占めます。

Google公式のヘルプでも、GA4の「拡張計測機能」でフォーム操作(`form_start` / `form_submit`)を自動計測できるようになった一方、フォームの実装によっては自動計測が安定しないと明記されています(GA4 Quick.com)。実際、Googleアナリティクスのコミュニティにも、「`form_start` は記録されるのに `form_submit` だけが0のまま」という相談が住宅・不動産・BtoC事業者から複数上がっています(Google アナリティクス コミュニティ)。

つまり「昨月の反響は3件、今月は8件」というGA4の数字は、「反響が5件増えた」ではなく「これまで見えていなかった5件がやっと見えた」のかもしれません。前後比較の一番大事な仕事は、この2つを取り違えないことです。

住宅会社サイトで、前後比較で見るべき5つの数字

前後比較の目的は「良くなったかどうか」を白黒つけることではなく、次の1手を数字で決められる状態にすることです。住宅会社のサイトでは、次の5つの数字を並べて読みます。

GA4計測改修で見えるようになる5つの数字(反響数・フォーム完了率・参照元別セッション・経路データ探索・拡張コンバージョン)を5本の光の帯で表現した抽象データアート
  • ①反響数の実測ベースライン(改修後にやっと出た「本当のスタート地点」)
  • ②フォーム完了率(到達→送信までの落ち幅)
  • ③参照元別セッション(`(not set)` や `(direct) / (none)` が減ったか)
  • ④経路データ探索の離脱ポイント(どこで検討者が消えているか)
  • ⑤拡張コンバージョンの適用差(広告経由の反響のうち、どれだけ回収できていなかったか)

順番にそれぞれ何を見るかを整理します。

①反響数の実測ベースライン:改修後の数字を"新しい基準"にする

住宅会社の場合、コンバージョンは通常「資料請求フォーム送信」「来場予約フォーム送信」「電話タップ」の3種類です。改修前は、このうち少なくとも1つが正しく取れていないことが実務では珍しくありません。

  • 資料請求フォームだけが `form_submit` を吐いていて、来場予約フォームは取れていない
  • 送信後にJavaScriptで別ドメインへ遷移する仕様でイベントが飛ばない
  • サンクスページが1つのURLに集約されていて、どのフォームからの送信か区別できない

改修後は、この3つを分けてキーイベント(旧コンバージョン)に登録し、改修翌月のデータを「新しい基準」として扱うのが原則です。前年同月比・改修前同月比で並べても、計測条件が違う数字を並べているだけで意味を持ちません。

GA4のダッシュボードでコンバージョン数が0件と表示されている画面を至近距離で捉えたマクロ接写。付箋に本当に0なのかと書かれている

改修前の数字は「前はこう見えていた」という参考値に格下げして、意思決定は改修後3ヶ月〜6ヶ月のトレンドで判断します。この判断軸をあらかじめ経営者と合意しておくと、「先月より落ちた・上がった」で毎月一喜一憂する打ち合わせから抜けられます。

②フォーム完了率:フォーム到達→送信までの落ち幅を見る

反響数の実数だけ見ていると、「フォームまでは来ているけれど送信で落ちている」のか、「そもそもフォームに到達していない」のかが分かりません。前後比較で必ず見るのが、フォーム到達数(`form_start` またはフォームページの `page_view`)と送信数(`form_submit` またはサンクスページの `page_view`)の比率です。

業界の調査では、問い合わせフォームの離脱率は一般に65〜75%程度と言われています(BOOSTTECH MEDIA)。つまりフォームに10人到達しても、送信まで至るのは2〜3人という水準です。

フォーム到達数を100とした場合の完了率が変わったときのコンバージョン数の変化(指数値)

フォーム完了率が20%から40%に上がるだけで、送信数は2倍になります。ボタン配置や広告費を動かす前に、まずこの完了率を測れる状態にしておくのが、改修の最初の仕事です。

計測実装のコツとしては、次の2つを両方仕掛けるのが安全です。

  • `form_submit` イベント(GTMの「フォーム送信」トリガーまたは拡張計測)
  • サンクスページの `page_view`(サンクスページのURLを分けて発行し、フォームごとに区別)

どちらか片方だけだと、フォームの実装変更やSPA化で計測が突然止まるリスクがあります(GA4 Guide)。両方取っておけば、片方が壊れてももう片方で検知できます。

③参照元別セッション:`(not set)` と `(direct)` が減ったかを見る

住宅会社のサイトを触ると必ず出会うのが、セッションの参照元が `(not set)` や `(direct) / (none)` に大量に落ちる問題です。

これは、次のような設定が抜けていることで起こります。

  • クロスドメイン計測が設定されていない(本サイト→予約サイトへの遷移で参照元が失われる)
  • UTMパラメータがバラバラ(広告と自社バナーで表記ルールが揃っていない)
  • リファラー除外リストが未設定(決済代行や外部フォームからの戻りが「参照元」扱いになる)

改修前後で見るべきは、「Google / organic」「Google / cpc」「Instagram / referral」など、意味のある参照元別セッションの割合が、全セッションのうち何%になったかです。改修前は50%が `(not set) + (direct)` で埋まっていたものが、改修後に20%まで減っていれば、それだけで広告・SNS・SEOのどれが効いているかを議論できる土台が整ったことになります。

反響数の増減より先に、この「参照元がまともに取れるようになったか」を確認します。これが取れていない状態で広告を止める・増やすの判断をすると、当てずっぽうで媒体費を動かすことになります。

④経路データ探索:どのページで消えているかを見る

住宅会社のサイトは、トップ→施工事例→モデルハウス→来場予約、のように「複数ページを回遊してから反響に至る」のが一般的です。この回遊のどこで検討者が消えているかは、GA4の経路データ探索(Path Exploration)で見えるようになります。

経路データ探索は、ユーザーの動きを始点から終点、あるいは逆方向で視覚的に確認できる機能です(株式会社クリエル)。ファネル探索とセットで使うと、コンバージョンに至る経路のどのステップで何%が離脱しているかがステップごとに評価でき、ボトルネックになっているページが特定できます(ga4.guide)。

住宅会社のサイトで最初に見るのは、次の3つの流れです。

  • トップページ → 施工事例一覧 → 個別事例 → 来場予約フォーム
  • 検索経由 → 商品ページ → 資料請求フォーム
  • 広告経由 → LP → スマホ電話タップ

どの流れが一番CV率が高いかを見つけて、そこに追加投資する、という順で意思決定します。改修前は経路データそのものが取れず、この議論が「担当者の感覚」でしかできなかったはずです。

⑤拡張コンバージョン:広告経由の反響がどれだけ回収されていなかったか

広告(Google Ads / Meta広告 など)を回している住宅会社では、拡張コンバージョン(Enhanced Conversions)の適用有無で、記録される反響数がまとまって変わります。

拡張コンバージョンは、フォーム送信時に取得したメール・電話番号などをハッシュ化してGoogleに送り、Googleのログイン済みユーザーと突き合わせて広告クリックと反響を紐づける仕組みです。Cookieの制限やクロスデバイス(スマホで見て、あとでPCで送信するなど)で失われていた広告成果を拾い直せます。

Googleが公開している事例では、拡張コンバージョンの導入で平均5〜17%の測定改善、EC事業者では最大28%の改善が報告されています(groas.com)。住宅会社の広告は、検討期間が長くクロスデバイスが常態化する商材なので、拡張コンバージョンの効きは一般より大きく出やすい領域です。

改修前は拡張コンバージョンを入れていなかった場合、改修後に「広告経由の反響が急に増えた」ように見えるのは、施策の成果ではなく「これまで取りこぼしていた分がやっと計上された」ことが大半だと考えたほうが安全です。

前後比較で必ず見落とすポイント

落とし穴①:改修前のデータを「消して」しまう

GA4のプロパティを作り直したり、キーイベントの定義を変えたりすると、過去の数字が新しい定義で見えなくなることがあります。改修前に、少なくとも以下は手元にエクスポートしておきます。

  • 過去12ヶ月の月次セッション・コンバージョン数(キーイベント別)
  • 主要ページのページビュー・平均エンゲージメント時間
  • 参照元別のセッション比率

CSVで手元に残しておけば、「改修前は何が見えていて、何が見えていなかったのか」の会話があとから可能になります。

落とし穴②:サンクスページのpage_viewと`form_submit`で"二重計測"する

`form_submit`とサンクスページの`page_view`の両方をキーイベントに登録すると、送信1回で2件カウントされます。キーイベントとして採用するのはどちらか片方に決めて、もう片方は「バックアップの検知用」として残すのが実装の型です。

落とし穴③:改修直後1週間で判断してしまう

計測改修は、設定した瞬間から1〜2週間はデータが揺れます(設定ミス→修正、拡張計測のオン/オフ、リファラー除外の追加など)。改修後の意思決定は、運用が安定してから最低3〜4週間分のデータが揃ってからでないと、揺れをトレンドと誤読します。

まとめ:改修の目的は「増やす」ではなく「意思決定できる状態にする」

| 見るべき数字 | 改修前 → 改修後で確認すること | |---|---| | ①反響数の実測 | 3種のCVを分けて計測できているか | | ②フォーム完了率 | 到達→送信の落ち幅を数字で言えるか | | ③参照元別セッション | `(not set)`と`(direct)`の割合が減ったか | | ④経路データ探索 | どのページで消えているかが特定できるか | | ⑤拡張コンバージョン | 広告経由の反響がどれだけ回収されていなかったか |

GA4計測改修の前後を左右で対比するビフォーアフター。左は空欄やnot setだらけで意思決定できず、右は数字が揃って話せる状態

GA4計測改修の前後比較は、「反響が増えたか」ではなく「意思決定できる粒度で数字が揃ったか」を見るためのものです。数字が揃った瞬間に、次に手を入れるべき1箇所が具体的に決まります。フォーム完了率が低いのか、参照元が取れていないのか、広告経由の反響が取りこぼされているのか——ここが分かれば、限られた予算をどこに置くかで迷わなくなります。

自社サイトの詰まりを先にGA4で切り分けたい場合は、「アクセスはあるのに問い合わせがない」をデータで切り分けるを参照してください。改善の全体的な順序は、住宅会社のホームページ集客 完全ガイドで整理しています。

自社のGA4が「本当に見えるべきものを見えている状態」になっているかを一度確認したいという場合は、下記からご相談ください。現状の計測実装を診断し、前後比較で「意思決定できる数字」まで最短で持っていく手順を一緒に決めます。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。

🎬 プライベート
X
TikTok
Instagram
💼 お仕事
Instagram
Facebook
▶ YouTube
チャンネル(準備中)

☀️ GA4計測の無料相談

「何が起きているか分からない」を無くす計測設計を無料でご相談いただけます。

無料相談・診断はこちら

お電話 090-1888-7622(平日9:00〜18:00)/ 公式LINEで相談