「LINE公式アカウントを入れたいんですが、何から選べばいいですか?」——新潟の住宅会社・工務店から、この相談が明らかに増えてきました。
ところが最初の質問はほぼ「月いくらかかりますか?」です。金額の前に、そもそも公式LINEには「毎月払い続ける型」と「一度作り込んで終わる型」があるという構造の話から入らないと、判断を間違えます。

目次
LINE公式は「本体」+「拡張ツール」の二階建て
まず前提として、公式LINEの費用は「本体」と「拡張ツール」の二階建て構造になっています。ここを分けずに「LINE公式は月◯円」と言ってしまうと、話が噛み合いません。
一階の「本体」= LINE公式アカウント(LINEヤフー社が直接提供)は、次の3プランです。
- コミュニケーションプラン:月額0円 / 月200通まで無料配信
- ライトプラン:月額5,500円(税込) / 月5,000通まで
- スタンダードプラン:月額15,000円(税込) / 月30,000通まで+超過は従量課金
2026年10月からは追加メッセージの単価も見直され、20万通までは3円/通、それを超えた分は2.5円/通の2段階制になります(LINEヤフー公式アナウンス)。友だち数が数百〜数千の住宅会社なら、まずはコミュニケーションかライトの範囲内で運用できます。
二階の「拡張ツール」は、本体だけでは物足りない機能(高度なステップ配信・セグメント配信・流入経路分析・回答フォーム)を追加するためのサービスで、Lステップ・エルメ・エルフローなどが代表格です。二階を載せると本体との合計で費用がかかります。
「月額型と買い切り型のどちらか」という質問は、この二階(拡張ツール)を毎月月額で使い続けるのか、それとも構築だけを一度依頼して本体だけで運用していくのか、という選択です。
月額型(Lステップ等)で何ができるのか
代表的な月額型ツールであるLステップの料金は、公式サイトによれば次の4プランです。
- フリープラン:月額0円 / 200通
- スタートプラン:月額5,000円 / 5,000通
- スタンダードプラン:月額21,780円 / 30,000通
- プロプラン:月額32,780円 / 50,000通
これらは本体のLINE公式アカウント料金とは別に発生します(Lステップ公式の注記)。つまり本気で使うなら、本体スタンダード15,000円+Lステップスタンダード21,780円で、月額の合計は約37,000円〜が現実的なラインになります。

月額型の強みは、「常時、細かく施策を回せる」ことです。具体的には次のような機能が使えます。
- 高度なステップ配信:資料請求から◯日後、来場予約から◯日後、と検討フェーズごとに細かく組める
- セグメント配信:エリア・希望棟数・検討時期などのタグで、送る相手を絞れる
- 流入経路分析:どの広告・どのQRコードから追加された友だちが、どこまで進んだか(プロプラン以上)
- 回答フォーム・イベント予約:追加時のアンケートや来場予約フォームをLINE内で完結できる
裏を返せば、これらの機能を回し続けられる運用体制がないと、月額だけ払って費用対効果が薄いということでもあります。
買い切り型(初期構築のみ)で何ができるのか
一方の買い切り型は、初期構築費を一度だけ払い、以降は本体のLINE公式アカウント料金だけで運用する形です。

構築の中身は業者によって幅がありますが、住宅会社向けの一般的な構成としては次のようなセットになります。
- リッチメニュー(トーク画面下部に固定表示される、もう一つのホームページ)の設計・制作
- あいさつメッセージと友だち追加直後の自動応答の設定
- 初期のステップ配信シナリオ(資料請求後、来場予約後など数本)の組み込み
- 管理画面の初期設定(タグ・応答設定・営業時間など)
住宅会社の場合、リッチメニューは「もう一つのホームページ」として機能させるのが定番で、「資料請求」「来場予約」「モデルハウス」「施工事例」「LINE相談」「会社案内」といった住宅会社の主要導線をボタン化して常時表示させます。
買い切り型でできないこともはっきりさせておく必要があります。
- 複雑な流入経路分析(本体のインサイト画面の範囲まで)
- タグを使った細かなセグメント配信の日常運用(本体機能では上限あり)
- 頻繁なリッチメニュー更新(都度、追加の制作費が発生することが多い)
「まずLINEを整えたい」「毎月の運用は最小限にしたい」段階の住宅会社に向いています。
3年間の累積で見ると構造がはっきりする
金額の議論は業者ごとに幅があるので、ここでは構造だけを指数化して比較します。実額はプラン・業者で大きく変動する点は前提です。

月額型は毎月費用が積み上がるので時間に比例した直線を描き、買い切り型は初期の一括支出のあと、ほぼ横ばいになります。両者は必ずどこかの月で交差します。
- 交差点より短い運用期間なら、月額型のほうが安い
- 交差点より長い運用期間なら、買い切り型のほうが安い
ただし、これは「同じことができる場合」の比較でしかありません。月額型で使うはずだった高度な分析やセグメント配信を実際に使わないなら、そもそも月額を払っている意味自体が薄れます。
住宅会社にとっての判断軸は"配信頻度"と"更新頻度"
金額表を眺めるよりも、次の2つの質問に自社で答えるほうが早く決まります。

質問1:週何本、配信を続けられるか?
- 週1本以上、季節キャンペーンも打つ → 月額型(Lステップ等)が向く
- 月1〜2本、内容も定型で回る → 買い切り型が向く
住宅は検討期間が長い商材なので、配信本数を増やせば増やすほど成果が出るわけではありません。むしろ、「見学会前後の3〜4通のステップ配信」「季節キャンペーンの案内」といった限定的な使い方のほうが、住宅会社の実情には合いやすい傾向があります。
質問2:リッチメニューを年何回更新するか?
- キャンペーンごとに月1〜2回入れ替える → 月額型のほうが小回りが利く
- 半年〜1年に1回の入れ替え → 買い切り型で十分
リッチメニューは一度作り込めば、そこがLINE版の"ホームページ"として機能するため、頻繁に変える必要のある会社は実は多くありません。
選ぶ前に決めておく3つのこと
月額と買い切りのどちらを選ぶにせよ、契約する前に自社で決めておいたほうがいい項目が3つあります。
- 成果地点:LINEで最終的に何を取りたいのか(資料請求/来場予約/モデルハウス来訪/個別相談)
- 配信オーナー:誰が実際に文章を書いて配信ボタンを押すのか(外部委託か、社内広報か)
- 1年後の状態:友だち数◯人・月◯本配信・成果地点◯件、という具体的な状態
この3つが決まらないうちに月額型を契約するのは、走る前にスポーツカーを買うのに近い判断です。まずは本体(コミュニケーションプランは無料です)と最小限の設定で始め、成果地点と運用リズムが見えてから月額型への移行を検討する順番でも遅くありません。
まとめ:金額ではなく"運用の重さ"で選ぶ
| 型 | 費用構造 | 向く住宅会社 | |---|---|---| | 月額型(Lステップ等) | 本体+拡張ツールで月合計約37,000円〜 | 週1本以上配信・キャンペーンが多い・複数拠点 | | 買い切り型 | 初期構築費のみ、以降は本体分(月0〜15,000円) | 月1〜2本配信・更新は年数回・まず整えたい段階 |
住宅会社の集客はホームページ・LINE・広告が組み合わさって回るので、LINEだけを切り出して考えると判断を間違えます。ホームページ側の直す順番は住宅会社のホームページ集客 完全ガイドで、反響が出ないサイトの共通失敗は問い合わせが来ないホームページの共通点7つで、それぞれ別の記事で整理しています。
「LINEを入れるべきかどうか、月額と買い切りのどちらが自社に向くのか」をご自身で判断しづらい場合は、下記からご相談ください。現在の集客動線とLINEに載せたい成果地点を整理したうえで、無理のない導入プランを一緒に描きます。
この記事を書いた人
Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)
上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表
新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。
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