分析だけでは反響が増えない理由 —— 分析と改修はセットで意味を持つ

左は閉じたままの「分析レポート」冊子、右は開いて付箋を貼りながらサイトを直しに使っているレポートの対比イメージ

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「分析レポートは受け取ったんです。ただ、その後、反響は特に変わらなかった——」

サービスページを見て、電話やLINEの手前で止まっている方から、このお話をいただくことが続いています。

正直に書きます。分析だけでは、反響は動きません。分析が悪いのではなく、そもそも分析は「現在地を映すもの」で、反響を動かすのは「サイトや導線を直す仕事」のほうだからです。

この記事は、御縁 GROWTH が分析だけのご依頼をお受けしていない理由と、分析と改修をセットにするとは実際どう進めるのか、費用が変わる理由まで、業種を問わず整理したものです。

先に見えるところまで見えてから、決めていただければと思っています。

左は閉じたままの「分析レポート」冊子、右は開いて付箋を貼りながらサイトを直しに使っているレポートの対比イメージ

1. 「レポートは届いたが、反響は変わらなかった」の正体

まず、この状態がなぜ起きるのかを書きます。

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、デジタル化を進めるうえで不足していると答えられた情報のトップが「成功事例・活用事例」の83.3%でした。「頼んでみたけど、その後どう動いた事例なのか」が見えないから止まっている——というのが実情に近いのだと思います。

そして、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのコラムでも紹介されている総務省 令和2年版 情報通信白書では、データ活用が必要と認識している企業の中で、成果が「十分に出ている」と答えた企業は3割程度という数字が出ています。認識と実感のあいだに、大きな段差があります。

この段差の正体を、御縁ではこう考えています。

分析はサイトの「いま」を映す仕事で、反響を動かすのは「直す」ほうの仕事。この2つの役割の違いが最初に共有できていないと、レポートは届いても数字は動かず、書類キャビネットに沈みます。

分析だけを受け取って反響が変わらないのは、当然の結果——という言い方が、いちばん正確です。

2. 分析と改修は、そもそも役割が違います

分析と改修の違いを、もう少し細かく分けて書きます。

2-1. 分析の仕事:現在地と、動かせる場所を並べる

分析でお渡しできるのは、この3つです。

  • いまの数字(訪問数・反響数・どこで離れているか)
  • 反響に近い流入と、遠い流入の切り分け
  • 手を入れる価値のありそうな場所の候補

これらは全部、「いま起きていることを言葉にする仕事」です。分析が終わった時点では、まだサイトの中身は1文字も変わっていません。

2-2. 改修の仕事:分析で見えた場所に、実際に手を入れる

改修は「分析で候補に上がった場所に、実際に手を入れる仕事」です。具体的には次のような作業を指します。

  • フォームの項目を減らす/並び順を変える
  • 問い合わせボタンの文言・配置・色を変える
  • スマホでの電話タップを増やす
  • サービス紹介ページの結論を冒頭に移す
  • 導線から不要なリンクを消す

これは分析ではなく、サイトの中身を1文字・1画像単位で直していく作業です。分析と改修はどちらも大事ですが、必要な時間も、必要なスキルも別です。同じ人・同じ会社が両方やる場合もあれば、別々の場合もあります。

2-3. 「分析→改修→また分析」の順で回るのが本来の姿

分析と改修は、順番に回して初めて意味を持ちます。

分析で「フォームで離脱している」と分かったら、改修でフォームに手を入れる。手を入れた後にまた分析で「離脱が減ったか」を見る。この回転が1周でも回っていないと、レポートは出ていても、サイトの中身は分析される前と同じままで残ります。

青い分析の帯と金色の改修の帯が交わって初めて右上に伸びる、分析と改修のセットを表した抽象イメージ

3. 「分析だけ」を頼むと起きる3つのこと

分析だけを外部に頼んだ場合、実際によく起きるのは次の3つです。

3-1. レポートが「開かれないまま」書類キャビネットに残る

分厚いPDFが月に1回届いても、社内で開ける人がいない——というケースが本当に多いです。「読める人がいない」のではなく、「読んだ後に何を直せばいいかが書かれていない」から、結果として開かれません。

3-2. 「次の一手」が言葉になっていない

分析結果として「フォームの離脱率が高い」まで書かれていても、「じゃあ、来週どこの何を、誰が、どう直すのか」までは書かれていないレポートが多いです。ここが空欄のままだと、社内で決めごとが止まります。

3-3. 3ヶ月経つと、また同じレポートが届く

改修が入らないままだと、サイトの中身は変わっていないので、翌月のレポートも似た形になります。「先月と同じ場所で離脱しています」という結果が3ヶ月続くと、レポートを受け取る側もだんだん開かなくなります。

これは分析の質の問題ではなく、分析だけを切り出して発注した設計に無理があるという話です。

問い合わせフォームの入力欄が印刷された紙に、赤ペンで改善メモを書き込みかけている手元の接写

4. 分析と改修をセットにすると、どこまで動くのか

数字で少しだけ触れます。具体的な数字は御縁の実測ではなく、公開されている業界の相場です。

  • フォームの改修:BOOSTTECH MEDIAの2026年EFOガイドでは、問い合わせフォームの離脱率は一般に65〜75%、完了率が20→40%に上がると送信数は2倍になる、という数字が紹介されています
  • 改修の実測事例:アドエビスのEFO事例では、フォーム改修前後で入力完了率が120〜123%程度に伸びた事例(再春館製薬所・リナビス)が紹介されています
  • A/Bテスト:コンバージョン改善に関する各種調査でも、A/Bテスト経由のCVR改善はサイトあたり数%〜10%台の中央値が示されています

これらは全部、分析だけでは決して発生しません。改修の実装が入って初めて起きる数字です。

フォーム完了率の目安(20%→30%→40%と上がると送信数が指数値100→150→200と伸びる目安・BOOSTTECH MEDIA 2026 EFOガイドの完了率×送信数関係を指数化)

御縁が案件でお引き受けするときも、「分析で見えた場所を、実際にサイトに反映する」ところまでを1つの区切りにしています。分析が終わった時点で契約が切れる形にはしていません。

5. こういうご相談は、お受けしていません

信頼を作るために、お引き受けしていないケースも先に書きます。

1. 分析だけのご依頼:分析レポートだけを渡す仕事は、御縁ではお引き受けしていません。分析→改修→再分析の1周が回らないと数字は動かないと分かっているため、分析だけを切り出して受注すると、後で期待値がズレます。分析を専門にしている調査会社さんがすでにあり、そちらの仕事とは分けています 2. 改修の権限が社内にも外注先にもない状態でのご相談:分析で「ここを直しましょう」までお渡ししても、サイトを触れる人が誰もいない場合、実装は止まります。ウェブ制作会社さん・サイト内製の担当さん・御縁側で手を入れる、のどれかが動ける前提でお受けしています 3. 「アクセスを2倍に」「反響を10件に」といった数値保証のご相談:これは分析でも改修でも約束していません。断言している業者はいますが、御縁ではやりません 4. 改修の内容を1つも変えずに、分析の結論だけを変えてほしいご相談:数字の見え方だけを整えるお手伝いは、御縁の仕事ではありません。数字を都合よく見せるのではなく、動かせる場所を並べる仕事としてお受けしています

これらは、お断りしているというより、お受けしても良い結果にならないことが分かっている領域です。初回相談で該当しそうであれば、その場でお伝えします。

2人が同じノートPCのGA4画面を見ながら、今月直す・翌月・保留の3枚の付箋に次の一手を書き分けている打ち合わせの一場面

6. 費用は「規模」ではなく「決まっていない項目の数」で変わる

具体的な金額は案件ごとに変わるため、この記事では書きません。代わりに費用が変わる理由だけお伝えします。

御縁の分析+改修の費用は、サイトの規模ではなく、決まっていない項目の数で変わります。

  • 「何を反響と呼ぶか」「どこから優先して直すか」がすでに言葉になっていて、窓口の方がひとりいる案件は、費用は小さくなります
  • 「そもそも何を追えばいいのかから一緒に決めたい」「どこから直せばいいのか手が付けられない」案件は、その分の伴走時間が要るため費用は大きくなります

これは会社の大きさの話ではありません。中身の決まり具合の話です。従業員100人の会社でも、目的が言葉になっていれば費用は小さくなりますし、5人の会社でも、決めごとを一緒に作るところから伴走するなら費用はそれなりに掛かります。

買い切りで区切って進めるか、月額で継続的に伴走するかは、状況によって向き不向きがあります。この判断軸は別の記事に譲ります。

7. 頼む前に用意しておくといいもの(無くても大丈夫)

初回相談の時点で、次のものが手元にあると話が早くなります。無くても大丈夫で、無い場合はこちらでご案内します。

  • GA4の「編集者」以上の権限:閲覧権限だけだと計測の点検と改修の反映確認が難しいため、後日でも構いませんので発行の可否だけ確認しておいていただけると助かります
  • サイトを触れる方の連絡先:社内・外注先のどちらでも構いません。分析の結果を実装に受け渡す先が最初に決まっていると、話が一段早くなります
  • 反響として数えているものの一覧(電話・フォーム・LINE・資料請求など、どこまでを「反響」と呼んでいるか)
  • 直近3ヶ月で起きたイベント(サイト改修、キャンペーン、広告出稿の増減、テレビ・雑誌掲載など。数字の急な動きを説明するのに使います)

このうち一番大事なのは、「サイトを触れる方の連絡先」です。分析で候補が並んでも、実装に受け渡す先がないと、レポートで止まる同じ場所に戻ります。

8. まとめ

分析でお渡しできるのは、「いまの数字」「反響に近い流入・遠い流入の切り分け」「動かせる場所の候補」の3つです。

そしてこの3つを反響という数字に翻訳するのは、分析ではなく改修の仕事です。この線引きが最初に共有できていれば、レポートが書類キャビネットに沈むことはありません。

分析は現在地を映すもの、反響を動かすのは改修のほう。この2つを1つの流れとしてお受けしているのが、御縁のスタンスです。

「まず、うちのサイトが分析と改修のどちらから手をつけるべきか聞いてみるだけ」から始めていただければ、十分です。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

GA4分析・AI検索(GEO)対策・サイト制作・公式LINE構築・現場事務所のバックオフィス支援まで、業種を問わず「本業に集中できる状態」を作るための実務支援をしています。

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GA4データ探索で「反響が出るページ」の共通点を見つける手順

住宅会社のサイトの4ページを印刷して真上から並べ、反響が出ている2ページに赤ペンで丸印と「共通点は?」の付箋が置かれたフラットレイ俯瞰

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「反響が出るページと、出ないページの違いは、なんとなく分かる」——住宅会社のサイト運用でよく聞く言葉ですが、「なんとなく」のまま次のページを企画すると、外したときに原因が分からない状態が続きます。

反響を出しているページには、サイト単位ではなく「1ページ単位で見ないと見えない共通点」があります。ページ種別、その前に見られているページ、着地した参照元——このあたりに、来場予約や資料請求まで進む人の"手前の型"がひっそり残っています。GA4の「データ探索」を使うと、複数ページを一度に並べて、共通点を数字で見つけられます。

住宅会社のサイトの4ページを印刷して真上から並べ、反響が出ている2ページに赤ペンで丸印と「共通点は?」の付箋が置かれたフラットレイ俯瞰

前提:標準レポートだけでは「ページ同士の共通点」は見えない

GA4の標準レポート(レポート→エンゲージメント→ページとスクリーン)でも、ページごとの表示回数やセッション数までは確認できます。ただし、標準レポートで見えるのは「1本の一覧」だけで、次のような問いは1画面では答えを出せません。

  • キーイベントが多く発生しているページは、他のページと何が違うのか
  • 反響を出しているページを見た人は、その前にどのページを経由していたのか
  • 反響を出しているページに共通する参照元(Organic Search / Direct / Social)はどれか

これらの問いに答えるには、「ページ×指標」だけでなく「ページ×他のディメンション」を同時に並べる必要があります。標準レポートの二次ディメンションは1つまでで、しかも並び替えの自由度が低いので、途中で見比べが止まります。

データ探索の自由形式レポートを使うと、ページタイトルと3〜4つのディメンション・指標を1つの表に並べられます(やさしいGoogleアナリティクスブログ・InnoMark)。この1つの表を作れば、あとは目視で「反響を出しているページ」を上から並べて、共通点を書き出すだけです。

GA4データ探索の自由形式でページタイトル×セッション/キーイベント/率の一覧表を作り、上位数行にハイライトがかかっている様子を表した抽象データアート

使う指標:セッションのキーイベント率が主役

反響を出しているページを見つけるとき、「表示回数の多い順」で並べるのは危険です。表示回数はトップページやニュース一覧のような「たまたま多く見られるページ」が上位に来やすく、反響との関係が薄いページが上に集まってしまうからです。

代わりに主役にするのは、セッションのキーイベント率(旧称:セッションのコンバージョン率)です。これは、そのページが起点になったセッションのうち、何%でキーイベント(資料請求・来場予約・電話タップなど)が発生したかという指標です(analyticsmania・measureu)。

計算式は次のようになります:

セッションのキーイベント率 = キーイベントが発生したセッション数 ÷ 総セッション数

複数のキーイベントが1セッション内で発生しても、「1つ以上発生していれば分子は1」として数える点が、単純な「キーイベント数÷セッション数」とは違います。

表示回数の多い順ではなく、セッションのキーイベント率が高い順で並べると、「アクセスは少ないけれど反響につながっている隠れた勝ちページ」が浮かんできます。この隠れた勝ちページこそが、次に何を増やせばいいかの答えを持っているページです。

データ探索の作り方(10分でできる自由形式レポート1本)

ここからは、実際にGA4の管理画面でデータ探索を1本作る手順です。10分ほどで終わります。

GA4データ探索の自由形式で、ディメンションにページタイトルを・指標にセッション/キーイベント/セッションのキーイベント率を設定した画面のマクロ接写

1. 左メニュー「探索」から「空白」を選ぶ

GA4の左下にある「探索」をクリックして、テンプレート選択画面で「空白」を選びます。7つのテンプレート(自由形式・目標到達プロセス・経路・セグメントの重複・ユーザーエクスプローラ・コホート・ユーザーのライフタイム)のうち、今回は自由形式を1から作るので空白から始めます。

2. ディメンションを追加する

左パネルの「変数」→「ディメンション」の「+」をクリックして、次の3つを選びます。

  • ページタイトルとスクリーン クラス(または「ページタイトル」)
  • セッションのデフォルトチャネルグループ
  • ランディングページ + クエリ文字列(サブディメンションとして使うことがある)

3. 指標を追加する

同じく「変数」→「指標」の「+」をクリックして、次の3つを選びます。

  • セッション
  • キーイベント
  • セッションのキーイベント率

4. タブの設定に配置する

右側の「タブの設定」で次のように配置します。

  • 行:ページタイトルとスクリーン クラス
  • 値:セッション、キーイベント、セッションのキーイベント率(上から順に)

これで、ページ別にセッション・キーイベント・キーイベント率が縦に並ぶ表が出来上がります。行数はデフォルト10行ですが、右下から50〜100行に増やせます。

5. 並べ替えとフィルタ

セッションのキーイベント率の列をクリックして「降順」に並べ替えます。ここで注意点が1つあります。セッション数がごく少ないページ(月に数セッションしかないページ)はキーイベント率が偶然100%になりがちなので、フィルタで「セッション数 ≧ 20」(サイト規模に応じて調整)を追加します。

これで、十分な母数を持ちながら、キーイベント率が高いページから順に並んだ表ができました。ここまでで、反響を出しているページの一覧は取れています。あとは共通点を探すフェーズです。

反響を出しているページに共通する4つの見方

上位10〜15行のページを目視で見て、次の4つの軸で共通点を書き出します。この4つを見るだけで、住宅会社のサイトではだいたい共通点が浮かびます。

①ページ種別で共通点を探す

まず、上位ページを「ページ種別」でグループ化します。住宅会社のサイトでよく出てくる種別は、次のあたりです。

  • 施工事例(1棟詳細):特定の1軒の完成写真+間取り+施主コメント
  • モデルハウス:常設展示場や新モデルの紹介ページ
  • 価格の考え方:金額そのものではなく「なぜこの価格になるか」の説明
  • スタッフ紹介:設計担当・現場担当のプロフィール
  • お知らせ・イベント:完成見学会や相談会の案内

上位ページの過半数が同じ種別に偏っていれば、その種別が「反響直前に見られる型」です。よくある結論は、「施工事例(1棟詳細)」と「モデルハウス」の2種別が、上位の8割を占めるという形です。この場合、次に増やすページの候補は自動的に「施工事例(1棟詳細)」と「モデルハウス」のバリエーションになります。

住宅会社のサイトでページ種別ごとのセッションのキーイベント率のイメージ(指数値・実数は業種と実装で変動)

②訪問直前のページで共通点を探す

次に、上位ページを見た人が、その前にサイト内でどのページを経由していたかを見ます。これはデータ探索の「経路データ探索」で確認できます(やさしいGoogleアナリティクスブログ・経路データ探索)。

  • 経路データ探索を開き、「終点」に反響を出しているページを指定する
  • 「1つ前のステップ」に何が並ぶかを見る

住宅会社の場合、「施工事例一覧 → 施工事例(1棟詳細) → 資料請求」という流れが強く出ることが多いです。この場合、施工事例一覧ページの構造(絞り込み・並び順・サムネイル)を直すと、反響ページへの流入を増やせるということが分かります。

③参照元で共通点を探す

上位ページの「セッションのデフォルトチャネルグループ」内訳を見ます。Organic Search(自然検索)で反響を出しているページと、Direct(直接流入)で反響を出しているページは、実は性質が違います。

  • Organic Searchで反響を出しているページ:検索意図とページの見出しがぴったり合っている(例:「新潟 平屋 施工事例」で来た人が、平屋の完成事例ページで資料請求)
  • Directで反響を出しているページ:チラシ・名刺・ハガキ・メールなどサイト外の何かに書かれたURLから直接来た人が反響を出している

Organic寄りなら次のページも検索意図を意識した見出しにする、Direct寄りなら紙媒体やLINEでの導線を増やす——というふうに、打ち手の方向がここで分かれます。

④訪問回数(初回か、複数回訪問か)で共通点を探す

同じ「反響」でも、サイトを初めて訪れた人が出した反響と、3回目・4回目の訪問で出した反響では、直前の判断プロセスが違います。データ探索の「ユーザーの新規性」ディメンションで切り分けられます。

  • 初回訪問で反響を出しているページ:情報密度が高く、迷わせない構造になっている(例:施工事例1棟の中で「価格帯・工期・こだわり・資料請求」がワンストップで揃う)
  • 複数回訪問で反響を出しているページ:比較検討の最後の一押し(例:スタッフ紹介・会社情報・保証やアフターサービス)

住宅会社のサイトでは、この2種類のページを両方揃えておくのが基本形です。片方だけに寄っていると、比較検討のどこかの段階で読者が離れます。

住宅会社の女性担当者と広報責任者が、GA4データ探索の画面と共通点をまとめた紙を交互に見ながら反響ページの型を話し合っている一瞬

よく見つかる3つの型(住宅会社の場合)

上の4つの軸で見ていくと、住宅会社のサイトでは次の3つの型のどれかが浮かんでくることが多いです。自社のデータ探索で共通点を書き出すときの参考にしてください。

型A:施工事例1棟が主戦場のサイト

反響上位が「施工事例(1棟詳細)」に偏っている型。Organic Searchからの流入が多く、初回訪問で反響が出やすいのが特徴です。次に増やすべきは、施工事例1棟のバリエーション(平屋・二世帯・狭小地・リノベなど)と、施工事例一覧ページの絞り込み機能です。

型B:モデルハウス訪問が主戦場のサイト

反響上位が「モデルハウス」ページに集まる型。Directや広告からの流入が多く、複数回訪問で反響が出やすい傾向があります。次に手を入れるべきは、モデルハウス紹介ページの動画・360度画像・見学予約フォームの導線です。

型C:会社の考え方で選ばれるサイト

反響上位に「価格の考え方」「スタッフ紹介」「会社情報」といった"人と考え方"が入るページが混ざる型。比較検討の最終盤で反響が出る傾向が強く、次に手を入れるべきは、家づくりへの姿勢・アフターサービス・地域とのつながりを伝えるページです。

自社がどの型かは、データ探索の上位10〜15行を眺めれば、多くの場合は10分で判別できます。判別ができれば、次の記事・次のページの企画を「なんとなく」ではなく数字を根拠に立てられます。

この記事で扱わなかったこと(次に読むと役に立つ記事)

この記事は「反響を出しているページの共通点を見つける」ところまでを扱いました。次の2つは、その手前と後段にあたる作業なので、あわせて参考にしてください。

  • 計測がそもそも取れているかの確認:GA4を新しく入れ直したあとに、何が見えるようになるのかはGA4計測改修の前後で何が変わるのかにまとめました。共通点を探す前に、そもそも数字が正しく入っているかを確認する順番です
  • フォーム到達後の離脱の切り分け:反響を出しているページには来ているのに、フォームで落ちている場合の切り分け手順は資料請求フォームの離脱をGA4で特定するにまとめました。ページ単位の共通点が見えたあとに、最終ステップの詰まりを見に行くときに使います

まとめ:共通点が見えれば、次の1本が数字で決まる

住宅会社のサイト運用で一番もったいないのは、「なんとなく反響が出ているページはあるけれど、なぜ出ているかは分からない」ままの状態で次のページを増やすことです。

GA4のデータ探索を1本作れば、ページ種別・訪問直前のページ・参照元・訪問回数の4つの軸で、反響を出しているページに共通する型が浮かんできます。この型が分かれば、次に増やすページの方向と、既存ページのどこを直すべきかが同時に決まります。

「今のサイトの反響ページに共通する型を見つけたい」「自社が型A・B・Cのどれかを見極めたい」というときは、GA4分析のご相談からお声がけください。実際の管理画面を一緒に開きながら、共通点の書き出しまで伴走します。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。

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はじめてご相談いただく前に、御縁がお聞きすること・こちらから出す資料

御縁の相談ページを開きながら、まだボタンを押すか迷っている手元と表情のイメージ

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「一度、御縁さんに相談してみたいんです。ただ、何を持っていけばいいのか分からなくて……」

サービスの説明ページを見て、電話やLINEの手前で止まっている方から、この言葉をよくいただきます。

頼みたい気持ちはあるけれど、こちらで用意しておくものが分からないから動けない——という止まり方が、いまいちばん多いと感じています。

この記事は、「相談する前」だけに絞って書きました。御縁 GROWTH がはじめての相談でお聞きすること・お聞きしないこと、こちらから最初にお出しする資料、準備は不要でもあると話が早い4点、そしてお受けしていないケースまでです。

先に「持ち物リスト」の答えを渡してしまいたいと思っています。決めるのは、そのあとで構いません。

御縁の相談ページを開きながら、まだボタンを押すか迷っている手元と表情のイメージ

1. 「相談の前」で止まっている人がいちばん多い

まず、いま何が起きているのかを見ておきます。

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(全国の中小企業10,000社に配布・有効回答1,668社)では、AI・デジタル化を進めるうえでの障壁の1位が「具体的な活用場面が不明」で35.6%、2位が「導入を推進する人材がいない」で32.0%でした。

さらに同じ調査で、必要な情報として不足していると答えられたのは「成功事例・活用事例」が83.3%と突出しています。

私自身、お問い合わせの前段階で立ち止まっているご相談者から、「持っていくべき数字は何ですか」「うちの体制図を先にお送りしましょうか」と質問をいただくことがあります。でも実は、事前に用意していただくものは、ほとんどありません。

「準備が要る」と思うから止まる。この記事はその止まりを外すために書いています。

2. 御縁がお聞きすることは、3つだけです

御縁の入口は、オンラインか対面での無料の初回相談(30〜60分)です。ここで営業資料の説明はしません。

お聞きすることは、次の3つだけです。

1. いま、何に困っているか(起きている症状。例: 「アクセスはあるが問い合わせが増えない」「LINEを作りたいが月額と買い切りのどちらか分からない」「変更協議資料に時間が取られている」) 2. いつまでに、どう変わっていたら助かるか(数字とは限りません。「秋の展示会までに」「決算が終わるまでに」でも十分です) 3. 社内で誰が窓口になれるか(決めごとの返事が返ってくる人が1人いれば、話は進みます)

このうち、「答えが決まっている必要はありません」。むしろ、決まりきっていない段階のほうが、あとから中身が歪みにくいです。

御縁が初回相談でお聞きする3つと、お聞きしない3つを紙の帯の質感で対比した抽象イメージ

「困っていることが1つに絞れない」「秋までにどう変わりたいかまでは考えていない」——ここで大丈夫です。その場で一緒に整理していきます。事前に会議を開いてから、というご相談者もいらっしゃいますが、必要ありません。

3. 逆に、この段階では「お聞きしません」

聞かないことも、決めています。理由と一緒に書いておきます。

  • 予算: 先に予算を伺うと、金額に合わせて中身が歪みやすくなります。「その予算では、こういうことができます」という順序ではなく、「お困りごとに対して、いくらでできるか」の順序でお話ししたいので、この段階では伺いません
  • 詳しい体制図・組織図: 決めごとの窓口になる方が1人いれば十分です。組織全体の話は、進めることが決まってからで足ります
  • 契約の話: 初回相談の段階では、私の側もご相談者側も情報が足りません。「今日この場で契約を」というお話は、こちらから絶対にしません

これは「先に聞かないほうが、最終的にいい仕事になる」からです。お互い、進めるかどうかを決められるだけの材料が揃ってから、契約の話に進めていく形にしています。

4. 御縁が最初にお出しする資料は、3種類です

相談の後、その日のうちか翌営業日までに、こちらから3種類の資料をお送りします。すべて無料で、この段階で費用は一切いただきません。

御縁が相談後に最初にお渡しする3種類の資料(相談メモ・お役立ちの判定・1ヶ月の見取り図)が机上に並ぶ接写イメージ

4-1. 初回相談メモ(A4・1〜2枚)

伺ったお話を、私の側で言葉に置き直して整理したものです。「言った・聞いた」の記憶違いを防ぐため、こちらでメモに落として、認識ズレがないか確認していただきます。

書くのは、聞いた3つ(症状・変わりたい姿・窓口)と、その場で見えた現状の見立てです。

4-2. 御縁でお役に立てそうか、の正直な判定

伺ったお話に対して、御縁でお役に立てそうかを「はい/別の会社さんのほうが向いています/今すぐでなくても大丈夫です」の3択で正直にお伝えします。

「うちにできないこと」を並べた資料も、この中に入ります。詳しくは6章に書きます。

4-3. 進めるとしたら、1ヶ月目の見取り図

3-1の判定が「はい」だった場合のみ、1ヶ月目に何をどの順序で進めるかの見取り図を1枚お出しします。

進めるかどうかを決めるのは、ここまでの資料を見てからで構いません。この見取り図をお送りしたあと、こちらから催促のご連絡はしません。ご相談者側のペースで決めていただきます。

1ヶ月の中身をもう少し詳しく知りたい場合は、別の記事に書いています。

5. 準備は不要、ただし「あると話が早い」4点

くり返しになりますが、事前準備は要りません。ただ、もし手元にあれば、初回相談で1歩深いところまで話が進みます。用意していただかなくて構わないので、目を通す程度で読んでください。

相談前にあると話が早い4点を付箋に書いて並べた俯瞰イメージ

5-1. サイトのURL、公式LINE ID、SNSアカウント(あるもの)

「うちの入口」を先にお伝えいただけると、相談の場でその場で開いて一緒に見ることができます。

5-2. GA4のアカウントを見られる人がいるか

GA4分析のご相談の場合のみです。「見られる人がいる/いない/そもそも入っていない」のどれか一言で十分です。数字を集めていただく必要はありません。

5-3. 社内で週に10分いただける人がいるか

御縁は伴走のかたちが多いので、社内に週10分いただける窓口の方がいるとペースが崩れません。「その10分もない」場合は、進め方の設計から変えます。

5-4. この1年で試したこと(うまくいかなかったこともぜひ)

「試したけど動かなかった」ものが分かると、同じことをもう一度おすすめしなくて済みます。うまくいかなかった話ほど、こちらとしては助かります。

6. こういうご相談は、お受けしていません

信頼を作るために、お引き受けしていないケースを先にお伝えしておきます。

1. 短期間の成果保証を求められるご相談(「1ヶ月でアクセスを2倍に」「3ヶ月で問い合わせを10件に」など、数値の保証はできません。断言している業者はいますが、御縁ではやりません) 2. 「全部お任せ」で丸投げのご相談(判断や最終確認まで外に出す関わり方だと、良い仕事になりません。社内に週10分の窓口の方がいらっしゃる前提でお引き受けしています) 3. 既存の外注先を隠したまま並行で頼まれるケース(現在の制作会社さん・広告代理店さんとバッティングすると、成果が誰の手柄かも分からなくなり、双方にとって不幸です。事前に一言お伝えいただくだけで大丈夫です) 4. 他社さんのやり方を批判してほしいご相談(「あの制作会社の対応はどうか」というご質問には、原則お答えしていません)

これらはお断りしているというよりも、お受けしても良い結果にならないことが分かっている領域です。ご相談の段階で該当しそうであれば、その場で正直にお伝えします。

7. 相談の後は、ご自身のペースで

3種類の資料をお送りしたあと、こちらから催促のご連絡はしません。1週間で決めていただいても、2ヶ月寝かせていただいても、構いません。

「この人には頼まない」と決めていただくのも、こちらにとっては大事な情報です。「今回は御縁さんではなく別のところにお願いします」とはっきりお伝えいただけると、次のご相談の役に立ちます。無視されるより、ずっとありがたい選択です。

進めることになった1ヶ月目に何が起きるかは、別の記事にまとめました。GA4分析に絞った「頼むと何がどこまで見てもらえるのか」も、こちらに書いています。

相談前に何を聞くべきか分からず散らかった机と、相談準備が1枚のメモに整った机の対比イメージ

---

事前準備は要らない、聞くのは3つだけ、こちらから3種類の資料をお出しする——ここまで先に見えていれば、電話やLINEのボタンの手前で止まる理由は少なくなるはずです。

「まず何ができるか、聞いてみるだけ」——それだけの用件で、遠慮なくお声がけください。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

GA4分析・AI検索(GEO)対策・サイト制作・公式LINE構築・現場事務所のバックオフィス支援まで、業種を問わず「本業に集中できる状態」を作るための実務支援をしています。

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GTMで資料請求・来場予約・電話の3ボタンを別々に測る手順

住宅サイトの1本のCV導線が資料請求・来場予約・電話の3本に分岐する様子を光の帯で表した抽象データアート

御縁 GROWTH ロゴ

住宅会社のサイトで、資料請求・来場予約・電話の3つのCVボタンを設置している——でも、GA4を開くと「コンバージョン合計」の数字1本しか追いかけていない、という状態は珍しくありません。この状態では、どの導線が動いていて、どの導線が止まっているかが見えません。

打ち手を決めるときの前提が変わってきます。3本を1本にまとめて見ていると、「ここ1ヶ月で反響が減った」という結論は出ても、「電話の減り方が大きい・資料請求は横ばい」という切り分けができません。この切り分けができないと、直す場所を1つに絞れないまま、サイト全体の見た目を変える方向へ議論が流れがちになります。

住宅サイトの1本のCV導線が資料請求・来場予約・電話の3本に分岐する様子を光の帯で表した抽象データアート

なぜ3ボタンを分けて測るのか

住宅会社の3つのCVは、そもそも読者の状態も、獲得コストも、次に何が起きるかも別物です。1本にまとめて見ると、この差が消えてしまいます。

  • 資料請求:まだ他社と比較検討中の段階。ここから来場予約に育つまで、平均で数週間〜数ヶ月かかる
  • 来場予約:来場日時まで具体的に決めた段階。ここから商談に入る確度が高い
  • 電話:今この瞬間に何かを聞きたい段階。営業時間内であればほぼ商談に直結する

業界の公開値でも、注文住宅の資料請求の獲得単価は10,000〜25,000円、展示場来場予約は75,000〜100,000円と、CV種別で数倍の差があります(Marketing+One)。同じ「1件」でも重みが違うということです。

注文住宅のCV種別ごとの獲得単価目安(資料請求10,000〜25,000円/展示場来場予約75,000〜100,000円)

だからGA4上でも、1つのイベントにまとめず、CV種別で3つのイベントに分けて記録するのが基本です。分けて記録できていれば、月次で「今月は資料請求が伸びたが電話は減った」という比較ができ、次に直す1手を絞り込めます。

前提:計測できる状態を確認する

3ボタンを分けて測るために、まず3つのボタンがブラウザ上でどう実装されているかを確認します。GA4とGTMを触る前に、開発者ツール(右クリック→検証)でボタンのHTMLを見ておくと、あとの作業が早く終わります。

住宅会社のサイトでよくあるパターンは、次の3種類です。

| ボタン | HTMLの典型形 | |---|---| | 電話 | `電話でお問い合わせ` | | 資料請求 | `資料請求はこちら` | | 来場予約 | `来場予約はこちら` |

電話は `tel:` で始まるリンク、資料請求と来場予約は遷移先URLとclass属性で識別できるパターンが多いです。この3種類が分かれば、GTMで別々のトリガーが組めます。

もしボタンが画像で組まれていたり、JavaScriptで動的に差し替わっていたりする場合は、そのボタンに固有のclassかIDが振られているかを先に確認します。振られていなければ、サイト制作者に「このボタンだけを識別できるclassを付けてほしい」と依頼するのが最短です。

手順①:GTMの組み込み変数を有効にする

GTM(Googleタグマネージャー)には、クリックされた要素の情報を自動で取得してくれる「組み込み変数」があらかじめ用意されています(Google タグマネージャーヘルプ)。ボタン別のCV計測は、この組み込み変数を有効化するところから始まります。

GTMの左メニュー「変数」→上部の「組み込み変数」→「設定」を開くと、「クリック」というカテゴリの中に次の5つの変数があります。すべてにチェックを入れます(アナリティクスな日々)。

  • Click Element:クリックされたHTML要素そのもの
  • Click Classes:クリックされた要素の class 属性
  • Click ID:クリックされた要素の id 属性
  • Click URL:クリックされたリンクの遷移先URL
  • Click Text:クリックされたリンク内のテキスト
GTM管理画面の組み込み変数パネルでClick Element/Classes/ID/URL/Textの5項目にチェックを入れた状態を至近距離で捉えたマクロ接写

この5つがオンになっていれば、サイト上のどのボタンがクリックされたかを、GTMのトリガー側で条件として使える状態になります。逆にこれを有効にしないままトリガーを組もうとしても、条件で使う変数が候補に出てこないので詰まります。

手順②:電話タップの計測(tel:リンクをトリガーにする)

いちばん実装が簡単なのが電話です。電話ボタンは多くの場合 `` の形で書かれているので、「クリックURLが `tel:` を含む」という条件でトリガーを組むだけで拾えます(アナグラム)。

トリガーの設定:

1. GTMの「トリガー」→「新規」 2. トリガーのタイプ:「クリック - リンクのみ」 3. このトリガーの発生場所:「一部のリンククリック」 4. 条件:「Click URL」「含む」「tel:」 5. 名前を付けて保存(例:`click_tel`)

タグの設定:

1. GTMの「タグ」→「新規」 2. タグの種類:「Google アナリティクス:GA4 イベント」 3. 測定ID:GA4の測定ID(`G-XXXXXXXXXX`) 4. イベント名:`tel_tap`(半角英数で、あとでGA4側から見つけやすい名前にする) 5. トリガー:先ほど作った `click_tel` 6. 名前を付けて保存(例:`GA4 - tel_tap`)

これで、サイト上のどの電話リンクをタップしても `tel_tap` というイベントがGA4に送られる状態になります。

なお、電話タップの計測で分かるのは「tel:リンクがタップされた瞬間」までで、その後に実際に通話が成立したかは追跡できません(ハウジングテック(旧NBA))。営業時間外のタップも含まれるので、時間帯別に見るとより実態に近づきます。

手順③:資料請求ボタンのクリック計測

資料請求ボタンは、遷移先URLとclass属性のどちらかで識別します。遷移先URLが `/contact/shiryo/` のようにボタン専用のパスになっていれば、そのURLで組むのがいちばん壊れにくいです。フォーム側のパスは、レイアウト変更でも変わりにくいためです。

トリガーの設定:

1. トリガーのタイプ:「クリック - リンクのみ」 2. このトリガーの発生場所:「一部のリンククリック」 3. 条件:「Click URL」「含む」「/contact/shiryo/」(遷移先パスに合わせて調整) 4. 名前を付けて保存(例:`click_shiryo_button`)

タグの設定:

1. タグの種類:「Google アナリティクス:GA4 イベント」 2. イベント名:`shiryo_seikyu` 3. トリガー:`click_shiryo_button`

もし遷移先パスがフォームと共通で識別できない場合は、Click Classes で「cta-shiryo」を含む、Click ID で「btn-shiryo」など、ボタン側に付いている固有属性で組みます(GTMクリックイベント設定 2026年版)。

サイト担当者と広報責任者がノートPCでGA4のイベント別コンバージョン一覧を覗き込みながら、来場予約の数字を確認している

手順④:来場予約ボタンのクリック計測

来場予約も資料請求と同じ考え方で組みます。イベント名だけを `raijo_yoyaku` に変えて、トリガーの条件を来場予約用のURL・class・IDに合わせるだけです。

トリガーの設定:

1. トリガーのタイプ:「クリック - リンクのみ」 2. 条件:「Click URL」「含む」「/contact/raijo/」(サイトの実装に合わせる) 3. 名前を付けて保存(例:`click_raijo_button`)

タグの設定:

1. タグの種類:「Google アナリティクス:GA4 イベント」 2. イベント名:`raijo_yoyaku` 3. トリガー:`click_raijo_button`

手順⑤:GA4側でキーイベント(旧コンバージョン)に登録する

GTMで3つのタグを公開したら、GA4側でこの3つのイベントを「キーイベント」(旧コンバージョン)として登録します。ここまでやって初めて、GA4のレポート画面でCV種別ごとの数字が並ぶようになります。

1. GA4の「管理」→「イベント」を開く 2. GTM側で公開したあと、実際にサイトでクリックが数件発生するのを待つ(数分〜1日程度) 3. `tel_tap` / `shiryo_seikyu` / `raijo_yoyaku` の3つがイベント一覧に出てきたら、それぞれ「キーイベントとしてマーク」のスイッチをオンにする

これでGA4のレポート→ライフサイクル→エンゲージメント→コンバージョンで、3つのイベントが別々の行で並び、それぞれの回数が日別・週別で比較できる状態になります。

コンバージョンをCV合計1本だけで見ていた状態と、資料請求・来場予約・電話の3本の折れ線に分けて見る状態を左右で対比するビフォーアフター

落とし穴3つ

落とし穴①:GTMの公開ボタンを押し忘れて計測ゼロ

GTMは「タグを作った」だけでは動きません。右上の「公開」ボタンを押して初めて本番サイトに反映される仕様です。プレビュー画面で動作確認までできていても、公開を押していなければ本番では1件も計測されません。

「作業を終えたつもりで1週間経ってから、数字が入っていないことに気づく」——これがGTMの初期構築でもっとも多い事故です。タグを作った日には必ず「公開」まで押す、押したことを画面キャプチャで残す、と決めておくのが型です(GA4タグをGTMで設定する手順)。

落とし穴②:`tel_tap` を電話番号ごとに分けたい場合の設計

拠点が複数あって電話番号が複数ある住宅会社の場合、「本社の電話番号だけ商談に直結する/モデルハウスの電話番号は問い合わせ止まり」という違いが出ることがあります。

このときは、`tel_tap` を1つのイベントにまとめずに、トリガーを電話番号ごとに分けるか、イベントパラメータに `tel_number` を持たせる設計にします。パラメータで持たせる方が、あとから拠点を追加したときの手直しが少なくて済みます。

落とし穴③:3つのボタンが同一ページに混在するときのクリック順序

トップページや施工事例ページのファーストビューに3ボタン全部が並ぶことがあります。ユーザーが電話ボタンを一度タップして、通話せずに戻ってきて資料請求を送る、という動きも実際に起きます。

このときGA4上では「1セッションで `tel_tap` と `shiryo_seikyu` が両方発火した」ように見えます。キーイベントを「イベント数」で見るか「イベントごとのセッション数」で見るかで、数字の解釈が変わる点に注意します。月次で追いかけるなら「イベント数」の方が電話タップの実勢に近くなります。

まとめ:3本に分ければ、直す場所も3本に分けて考えられる

| ボタン | GTMトリガー条件 | GA4イベント名 | |---|---|---| | 電話 | Click URL 含む `tel:` | `tel_tap` | | 資料請求 | Click URL 含む `/contact/shiryo/`(またはClick Classes / ID) | `shiryo_seikyu` | | 来場予約 | Click URL 含む `/contact/raijo/`(またはClick Classes / ID) | `raijo_yoyaku` |

「反響が減った」を1つの塊で議論しないこと。これが3ボタンを別々に測ることの本質です。

3本に分けて見えれば、「電話は横ばいだけど資料請求だけ落ちた→フォーム導線を見直そう」「来場予約が伸びたけど資料請求が落ちた→検討段階が短くなった可能性を確認しよう」のように、次に手を入れる場所が3本のうちどこか、で自然に絞れます。

フォームの中でどこで離脱しているかまで踏み込んで測りたい場合は、GA4計測改修の前後で何が変わるのかで改修前後の見方を、毎月の運用でこの3ボタンをA4・1枚に落とすやり方は、月次でみるべき指標5つ+レポートテンプレを参照してください。

自社サイトのCVボタンを、種別ごとに分けて計測できる状態にしたいという場合は、下記からご相談ください。既存のGTM設定を確認したうえで、資料請求・来場予約・電話の3本を別々に測れるように組み直し、GA4のキーイベント登録まで一気通貫で仕上げます。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。

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資料請求フォームの離脱をGA4で特定する —— どこで何%落ちているかを可視化する手順

住宅会社のフォームを途中まで入力してスマホをデスクに置いたまま席を立った様子を俯瞰で捉えた不在のカット

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「資料請求フォームは置いてあるけれど、送信数が伸びない」——住宅会社のサイトでこの相談を受けたとき、最初にやるのは広告費や見出しの見直しではありません。

まずは、どこで何%の人が離脱しているのかを、感覚ではなく数字で切れる状態にすることです。数字で切れれば、次に手を入れるべき1箇所が具体的に決まります。フォームの入り口が細いのか、入力の途中で書き終われないのか、送信直前で止まっているのか——ここが分かるかどうかで、その後の1ヶ月の動きがまるで変わります。

住宅会社のフォームを途中まで入力してスマホをデスクに置いたまま席を立った様子を俯瞰で捉えた不在のカット

前提:業界平均のフォーム離脱率は6〜7割。感覚では改善できない

一般的なWebサイトの問い合わせフォームは、到達した人の6〜7割が送信までたどり着かずに離脱すると言われています(BOOSTTECH MEDIA)。10人がフォームまで来ても、実際に送信するのは3〜4人という水準です。

住宅会社の場合、資料請求は無料オファーなので相対的に完了率は高くなりやすいのですが、それでも来場予約や個別相談を絡めたフォームは項目数が多くなりがちで、離脱率が業界平均を上回ることも珍しくありません。

問題は、この離脱を「多分ここで離脱しているだろう」の感覚のまま、フォームの項目を減らしたり、送信ボタンの色を変えたりしても、当てずっぽうになってしまうことです。当たれば直りますが、外れれば数ヶ月分の打ち手が空振りします。

先にやるのは、GA4で4ステップに分解して、どこで何%落ちているかを数字で見える状態にすることです。数字が見えれば、直す順番が自動で決まります。

見るべき4つのステップ(住宅会社の資料請求フォーム)

住宅会社の資料請求フォームは、大きく4つのステップに分けられます。この4つのどこで何%落ちているかが分かれば、次の1手はほぼ自動で決まります。

  • ①サイト訪問(トップページ・LP・施工事例など、どこかに着地した状態)
  • ②フォームページ到達(資料請求フォームのURLを開いた状態)
  • ③入力開始(フォームのどこか1項目に手を触れた状態=`form_start`)
  • ④送信完了(送信ボタンを押して完了ページに到達した状態=`form_submit`)
サイト訪問からフォームページ到達・入力開始・送信完了までの4段階が階段状に細くなり、各段階の間で離脱者がこぼれていく様子を表した抽象データアート

①→②で落ちるのは「フォームに来ない」問題、②→③で落ちるのは「フォームを見て入りたくない」問題、③→④で落ちるのは「入り始めたけど書き終われない」問題です。原因が違えば、直す場所も変わります。ボタンの位置・フォームの見た目・入力項目の順序、それぞれ効くステップが違います。

手順①:GA4の拡張計測で `form_start` と `form_submit` をオンにする

GA4には「拡張計測機能」という自動計測があり、そのオプションに「フォームの操作」があります。これをオンにすると、標準的なHTMLの`form`要素であれば `form_start` と `form_submit` の2つのイベントが自動で記録されるようになります(GA4 Quick.com)。

  • `form_start`:セッション中に初めてフォームを操作した瞬間に1回だけ発火
  • `form_submit`:送信ボタンを押した瞬間に発火

設定手順は、GA4の「管理」→「データストリーム」→「ウェブ」→「拡張計測機能」を開き、「フォームの操作」のトグルをオンにするだけです。テーマを触る必要も、タグを追加する必要もありません。

GA4管理画面のform_startとform_submitイベントを至近距離で捉えたマクロ接写。付箋に何%落ちているかと書かれている

ただし、この自動計測は万能ではありません。次のようなケースでは `form_start` や `form_submit` が発火しないことが実務ではよくあります。

  • フォームが標準のHTMLの`form`要素で組まれていない(`div`とJavaScriptで独自実装されている)
  • 送信ボタンが`type="submit"`ではない(JavaScriptで`click`イベントを拾って送信している)
  • フォームが外部サービス(Googleフォーム・formrun など)に埋め込まれている(親サイトからは中の動きが見えない)
  • 入力から送信までがページ遷移なしのSPA構成(動的にDOMが差し替わって取れない)

このあたりは、公式ヘルプでも「自動計測が安定しないケースがある」と明記されています(GA4のフォームの操作の設定方法)。まずはオンにして数字が入ってくるか1週間見る、入らなければ後述の回避策に切り替える、という順序が安全です。

手順②:GA4のファネル探索で4ステップを設定する

`form_start` と `form_submit` が取れる状態になったら、GA4の探索メニューからファネル探索を開きます。ファネル探索は、登録したステップごとに「何人が次に進み、何人が離脱したか」を階段状のグラフで可視化してくれる機能です(ブンセキー)。

住宅会社の資料請求フォームなら、次の4ステップで組みます。

| ステップ | 条件 | |---|---| | ①サイト訪問 | イベント名 = `session_start` | | ②フォームページ到達 | ページパス = `/contact/`(フォームのURLに合わせて調整) | | ③入力開始 | イベント名 = `form_start` | | ④送信完了 | イベント名 = `form_submit`(またはサンクスページの `page_view`) |

サイト担当者と広報責任者がノートPCのGA4ファネル探索画面を一緒に指差しながらどのステップで離脱しているかを確認している

設定のコツは、ステップ間の接続条件を「次の間接ステップ」にすることです(ブンセキー)。「次の直接ステップ」だと、間に別ページを挟んだユーザーがカウントされず、実態より数字が低く出ます。住宅会社のサイトはトップ→施工事例→フォーム、のように寄り道するのが普通なので、間接で組んだほうが実態に合います。

期間は最低でも過去30日を取ります。フォーム送信は絶対数が少ないので、1週間だと数字が揺れて判断できません。

手順③:どのステップで何%落ちているかを読む

ファネル探索の階段グラフには、各ステップの残存率(%)が表示されます。ここを読み解くのが本題です。

住宅会社の資料請求フォーム4ステップにおける各段階の残存率(指数値・業種で変動)

住宅会社のサイトの実際の割合はサイト構成で大きく変わりますが、離脱が多い場所ごとに次に直す1手はほぼ決まっています。

| どこで落ちているか | 何が問題か | 次に直す1手 | |---|---|---| | ①→②で大きく落ちる | フォームまで導線が届いていない | CVボタンの位置・数・文言、ヘッダー固定など | | ②→③で大きく落ちる | フォームを開いたが入り始めない | 項目数・見た目の圧・ファーストビューの説明 | | ③→④で大きく落ちる | 書き始めたが送信までいけない | 必須項目・入力エラー・送信ボタンの位置 |

「反響が少ない」を1つの問題として抱えるのではなく、3つの別々の問題として切り分ける——これがGA4で見える化することのいちばんの効きどころです。切り分けができれば、限られた工数をどこに投下するかで迷わなくなります。

手順④:完了率が改善したときのインパクトを試算する

離脱ポイントが特定できたら、そこを直したときに送信数がどのくらい変わるかを、あらかじめ経営者と共有しておきます。

たとえば、②→③の入力開始率が現在30%だとします。ここを50%まで引き上げると、送信数は約1.7倍になります(他のステップの数字が変わらない前提)。③→④の送信率を20%から40%に上げるだけでも、送信数は2倍になります。

フォーム完了率が20%から40%に上がったときの送信数の変化を左右で対比するビフォーアフター。左は感覚での議論、右は数字での判断

この試算があるかないかで、社内での優先順位づけの説得力が変わります。「感覚で減らせそうな項目を減らす」ではなく、「このステップを直せば送信数がおよそ2倍になる見込みだから、今月はここに時間を使う」という判断ができるようになります。

拡張計測が取れないときの3つの回避策

手順①で `form_start` と `form_submit` が取れなかった場合の回避策を、実務でよく使う順に並べます。

回避策①:サンクスページの `page_view` を送信完了の代替にする

送信後にサンクスページ(`/contact/thanks/` など)へページ遷移する仕様なら、そのURLの `page_view` を「送信完了」の代わりに使えます。多くの住宅会社のサイトはこの構成なので、拡張計測が取れなくても送信数だけは確実に拾えます。

ファネル探索のステップ④を「ページパス = `/contact/thanks/`」に置き換えるだけで、ステップ①→②→④の3段階は測れる状態になります(③の入力開始は取れないままですが、送信数の推移と離脱の絶対量は分かります)。

回避策②:GTM(Googleタグマネージャー)でカスタムトリガーを設定する

より正確に取りたい場合は、GTMで「送信ボタンのクリック」を独自トリガーとして拾い、`form_submit` を強制的に発火させる方法があります。JavaScriptで独自実装されたフォームやSPA構成でも、要素のクラス名やIDでトリガーを組めば発火させられます(アユダンテ)。

ただしGTMのカスタムトリガーはサイト側の実装に依存するため、フォームのHTML構造が変わると計測が突然止まるリスクがあります。実装したら「トリガーが発火する条件」をメモとして残し、サイトを触る担当者と共有しておくことをおすすめします。

回避策③:外部フォーム埋め込みは、送信後の遷移先URLで拾う

Googleフォームやformrunなど外部サービスを埋め込んでいる場合、フォーム内部の操作は親サイトから見えません。送信後に自社サイトのサンクスページへリダイレクトさせる設定(多くの外部フォームサービスにこの機能があります)を入れて、そのURLへの `page_view` で送信数を拾います。

落とし穴3つ

落とし穴①:`form_submit` とサンクスページ `page_view` を両方コンバージョンに登録して二重計上

`form_submit` が発火するフォームで、さらにサンクスページの `page_view` も送信完了のキーイベント(旧コンバージョン)に登録すると、送信1回で2件カウントされます。片方をキーイベントに、もう片方はバックアップの検知用として残す、と決めておくのが型です。

落とし穴②:`form_start` は「セッションで初回のみ」の仕様を忘れる

`form_start` は、同じユーザーが同じセッション中に何度もフォームを触っても、最初の1回しか発火しません。「入力を始めたけど送信していない人」の実数を追いかけたいときに、`form_start` の数だけで議論しないよう注意します。あくまでもファネルの1ステップとして、他のステップと比率で読みます。

落とし穴③:ファネルを設定した直後の1週間で判断してしまう

フォーム送信は絶対数が少ないので、1週間の数字は日ごとの揺れが大きく、そのまま結論に持っていくと「たまたまその週に離脱が多かった」を施策の効果と誤読します。最低30日、できれば60日分のデータでトレンドを見てから、直す場所を決めるのが安全です。

まとめ:4ステップに分解できれば、直す順番は自動で決まる

| ステップ | 見るサイン | 効く打ち手 | |---|---|---| | ①サイト訪問 | 訪問数の絶対量 | 集客チャネル(SEO・広告・SNS) | | ①→② | フォームページへの到達率 | CVボタンの位置・数・文言 | | ②→③ | フォーム到達後の入力開始率(`form_start`) | 項目数・ファーストビューの説明 | | ③→④ | 入力開始後の送信完了率(`form_submit`) | 必須項目・入力エラー・送信ボタン |

「反響が少ない」を1つの問題として抱えないこと。これがGA4でフォーム離脱を可視化することの本質です。3つの別々の問題に切り分けられれば、限られた工数と予算をどこに投下するかで迷わなくなります。

GA4計測改修そのものを前後で比較したい場合の見方は、GA4計測改修の前後で何が変わるのかで整理しています。毎月の運用でこの4ステップをA4・1枚に落とすやり方は、月次でみるべき指標5つ+レポートテンプレを参照してください。

自社サイトの資料請求フォームがどこで何%落ちているかを一度切り分けたいという場合は、下記からご相談ください。現状のGA4設定を確認したうえで、4ステップのファネルを組み、次に直す1箇所まで一緒に決めます。

Masaharu Ishimoto

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Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

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新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。

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住宅会社のホームページで最初に見られる3ページ ── GA4データから見えた反響前の閲覧パターン

窓辺で30代後半の女性がノートPCのアクセス解析画面を見ながら一息ついているシーン

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「反響が入る前に、うちのサイトはどこを見られているのか」——住宅会社の広報担当者・経営者と話していると、この質問が出てくるのは決まって、GA4を開き始めた直後です。

多くの会社が、まず「トップページをどう改善するか」の議論から入って、そのまま止まっています。順序が逆で、先に見るべきは「実際に読まれている上位3ページ」です。GA4なら5分で出てきます。

窓辺で30代後半の女性がノートPCのアクセス解析画面を見ながら一息ついているシーン

「反響前の3ページ」を見ないと、直す順番を間違える

住宅会社のホームページで反響(資料請求・来場予約・電話)が発生するまでには、たいてい複数ページ・複数回の訪問が挟まります。SUUMOリサーチセンターの「住宅購入・建築検討者調査(2025年)」でも、ネットで下調べをしてから住宅展示場・モデルハウスへ動く動線が主流であることが定点調査で示されており(SUUMOリサーチセンター)、初回訪問でいきなり問い合わせが入るケースはむしろ少数です。

つまり、反響数だけを追いかけていると、その手前で「何ページを何回」読まれた末に反響につながったのかが見えないままになります。ここが見えないと、サイト改修の相談を受けても「では、まずトップページのファーストビューを直しましょう」という教科書どおりの提案しか出せません。

先に確認すべきは、いま現在のサイトで、反響前に実際にいちばん読まれている3ページはどこか。これがトップページとは限りません。多くの住宅会社サイトでは、施工事例のほうがトップページより長く読まれているというのが普通です。

GA4で「最初に見られる3ページ」を確認する2つの入り口

GA4で「よく読まれているページ」を見るには、実は2つの別のレポートがあります。両方見ないと、"反響前の3ページ"の実像はつかめません。

ページとスクリーン:どのページが何回読まれたか

1つ目の入り口は、「レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン」です。ここでは、サイト内のどのページが表示回数(PV)として何回見られたか、平均エンゲージメント時間はどれくらいか、を一覧で確認できます(インハウスプラス GA4レポート解説、株式会社クリエル GA4 PV数の見方)。

住宅会社サイトの場合、上位に並ぶのはトップページ/施工事例(一覧+主要な事例)/会社案内 or スタッフ紹介の3ジャンルになるのが典型です。上位10行の中でこの3種類がだいたい過半のPVを占める、というのが実務での目安になります。

ランディングページ:どのページから入ってきたか

2つ目の入り口は、「レポート → エンゲージメント → ランディングページ」です。こちらは「サイト訪問時に最初に開かれたページ」だけを集計します(アドエビス GA4ランディングページ分析、プリンシプル GA4ランディングページ実験)。

同じサイトでも、この2つのレポートで上位が入れ替わります。「ページとスクリーン」ではトップページが1位でも、「ランディングページ」では施工事例の個別ページが1位——というのはむしろ普通で、これは検索エンジンから直接、事例ページに着地している人が多いことを意味します。

オフィスの窓際で女性担当者がGA4のページとスクリーンレポートを見ながら振り返る動作スナップ

「うちのサイトのファーストビューを直そう」という議論に入る前に、この2枚を並べて見るだけで、直す優先順位が変わってきます。トップページの改修に半年かけるより、上位に来ている施工事例ページの1枚目を1画面ぶん整えるほうが、反響までの距離が短くなる会社は少なくありません。

住宅会社サイトで実際に上位に来やすい3ページ

「ページとスクリーン」の上位を見ていくと、住宅会社サイトの場合はほぼ次の3ジャンルに収束します。工務店・リフォーム会社向けのGA4活用解説でも、施工事例・お客様の声・会社案内といった主要ページが計測の中心になると整理されています(ゴッタライド 工務店・リフォーム会社向けGA4活用術、株式会社ベイス 住宅業界×GA4)。

住宅のシルエットからトップページ/施工事例/会社案内の3本の光の帯が伸びる抽象データアート

1位になりやすい:トップページ

トップページは、指名検索(会社名・代表者名)で入ってくる人と、サイト内で一度別ページを見た人が"戻る"人の両方が集まるため、PVが機械的に膨らみます。

ここで注意したいのは、トップページのPVが多い=トップページの見せ方が効いている、とは限らないということです。指名検索の受け皿として通過しているだけで、実際には次のページ(施工事例・お問い合わせ)へすぐ抜けているというパターンがよくあります。

トップページで見るべきは、PVそのものよりも、「トップページの次にどこへ行っているか」です。これはあとで説明する経路データ探索で追いかけます。

2位になりやすい:施工事例(一覧+個別)

施工事例ページは、検索エンジン経由でいきなり着地することが多いページです。「新潟 平屋 事例」「新潟 二世帯 施工例」など、検討者が具体的な条件で検索したときにヒットしてきます。

「ページとスクリーン」で見ると、施工事例の一覧ページと個別事例ページ数件が上位に混じっているのが普通で、合算するとトップページを上回っていることも珍しくありません。「ランディングページ」レポートでは、施工事例の個別ページが1位を取っているサイトも多いです。

反響前の検討者にとって、施工事例は「うちが建てたい家に近いものが作れる会社か」を判断する材料です。ここが上位に来ているということは、「読まれている」のは事実。問題は、その施工事例ページから次にどこへ動線が繋がっているかです。

3位に来やすい:会社案内/スタッフ紹介

会社案内・スタッフ紹介は、施工事例を数件読んだあとに「じゃあ誰が建てているのか」を確認しに来る、比較検討フェーズの終盤で必ず通過するページです。LIFULL HOME'S Businessの工務店向け解説でも、施工事例集の"次のステップ"としてファンをつくる会社案内の重要性が指摘されています(LIFULL HOME'S Business 工務店の会社案内デザイン)。

このページの平均エンゲージメント時間が1分を切っているなら、多くの場合、代表挨拶と沿革だけで終わっているか、現場で家を建てている人の顔と名前が載っていないサイトです。反響直前で信頼を積み損ねているサインなので、優先的に手を入れる価値があります。

ここでよくあるのが「うちの会社案内は読まれていない」という思い込みですが、GA4を実際に開くとほぼ必ず上位10行以内に入っています。読まれていないのではなく、読まれた結果、そこで止まっている——というのが実像です。

上位3ページで押さえるべきこと(反響直前でこぼさない)

3ページそれぞれに、この段階で最低限やっておきたい実装があります。新しくコンテンツを作る話ではなく、順序を整える話です。

トップページ:最初の1画面で「誰向けの会社か」を言い切る

トップページに来た検討者が最初に見るファーストビュー1画面で、「新潟の◯◯エリアで、△△な家を建てている会社」だと1行で分かるようにする。ここが「あたたかい家」「家族の笑顔」といったどの会社にも当てはまるコピーで埋まっていると、次のページに進む理由が消えます。

そのうえで、上部に「施工事例」「モデルハウス来場予約」「資料請求」の3本柱を目立たせる。トップページの役割は、次のページに送り出すことで、そこで完結させることではありません。

施工事例:一覧ページから絞り込めるようにする

施工事例で反響につながっているサイトは、延床・坪数・予算帯・エリア・こだわり(吹き抜け/二世帯/ガレージ等)で絞り込めるフィルタを持っています。「事例が並んでいるだけ」だと、検討者は自分に近い1〜2件を探せずに離脱します。

集客できる工務店ホームページの実装解説でも、事例・サービス・強みが連動していないと問い合わせにつながらないと整理されています(スリーカウント 集客できる工務店ホームページの作り方)。

個別事例のページには、同じ会社の別の事例への内部リンクを2〜3本張っておく。1件を読むと、自然にもう2件読める状態にすると、平均閲覧ページ数が変わります。

会社案内:現場で家を建てている人の顔と名前を出す

代表挨拶と沿革だけの会社案内は、「誰が建てているのか」の答えになっていません。反響直前の検討者が確認したいのは、設計士・現場監督・大工の顔と名前と役割です。

工務店ホームページ制作の解説でも、大工・現場監督・設計士の顔・役割・コメントを載せることで、相談時の心理的な安心感につながると整理されています(NTTタウンページ デジタルリード 工務店ホームページ制作)。

顔写真・氏名・役割・簡単な経歴・ひとことの5点セットが5〜10人分並んでいるだけで、滞在時間が2〜3倍になる会社もあります(自社GA4で改修前後を比較して確認する価値があります)。

住宅会社サイトの上位3ページが全ページビューに占める割合の目安
住宅会社サイトで上位3ページに集中しやすい閲覧比率のイメージ(自社GA4で置き換えて確認する用の目安)

上のグラフは、住宅会社サイトで上位3ページに閲覧が集中しやすい割合のイメージです。この3ページで全PVの7割前後を占めるサイトが多く、残り3割を"その他ページ"が分け合っている、というのが典型的な分布です。自社のGA4で同じ集計を出して、まず自社の3ページを確定させてください。

「上位3ページ」だけでは足りない。反響直前ページを別に見る

ここまでは「よく見られているページ」の話です。ただし、よく見られているページ=反響に効いているページ、とは限りません。トップページはPVが多くても、そこから反響ページに直接進んでいるかは別の話です。

反響に効いているページを特定するには、GA4の「探索 → 経路データ探索」を使います。終点に「resource_request(資料請求フォーム)」や「/thanks」などの反響ページを指定すると、その1歩手前にどのページがあったかが分かります(コアース・デザイン GA4経路データ探索、クロスエモーション GA4経路データ探索の使い方)。

女性経営者と女性コンサルタントがGA4のランディングページ一覧を一緒に覗き込みながら話している対話シーン

住宅会社サイトの実務では、反響直前の1歩手前ページは「施工事例の個別ページ」か「モデルハウス紹介ページ」のどちらかに集中していることがほとんどです。「ページとスクリーン」の上位3ページと、「経路データ探索」で出てくる反響直前ページを並べて確認すると、PVは多いのに反響につながっていないページ(=改修余地)が見えてきます。

たとえば、「ページとスクリーン」で1位のトップページが、経路データ探索の反響直前ページにはまったく出てこない——ということもあります。この場合、トップページの改修は後回しでも構いません。先に触るのは、経路データ探索に出てきているページです。

2段階で見ると、直す順序が決まる

住宅会社サイトのGA4分析は、「ページとスクリーン/ランディングページで上位3ページを確定させる」→「経路データ探索で反響直前ページを確定させる」の2段階で見るのが実務的です。

  • 1段階目(上位3ページ):トップページ/施工事例/会社案内の3ジャンルが上位に来ているか。それぞれの平均エンゲージメント時間はどうか。"読まれているが止まっている"ページがないか
  • 2段階目(反響直前ページ):資料請求・来場予約・電話の1歩手前は、実際にはどのページか。その上位3ページと重なっているか、それとも別のページか

この2段階で自社サイトを見ると、「まずどこから直せば反響数に効くか」の順序が自然に決まります。トップページを直すのは、この2つを確認したあとでも遅くありません。

住宅会社のサイト改修で反響数を伸ばすときに、最初にやるべきことは「新しいコンテンツを作る」ことではなく、「いま何が読まれ、何が反響につながっているかをGA4で確定させる」ことです。

御縁のGA4分析サービスでは、上記の2段階の見方でサイト全体を棚卸ししたあと、"次にどこから触るべきか"を順序の形で出しています。「アクセス解析は開いてはいるが、次に何をすればいいか分からない」段階の相談から入っていただけます。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。

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住宅会社の月次レポートは、A4・1枚でいい ── 毎月15分で終わらせる5項目と、その並べ方

5つの項目と次の一手の欄が並んだA4・1枚の月次レポートを真上から見た俯瞰写真

御縁 GROWTH ロゴ

「GA4は入れた。でも、毎月は見ていない」——住宅会社・工務店の経営者から、いちばんよく聞く状態です。

見ていない理由を伺うと、たいてい「何を見ればいいか分からないから」ではありません。一度は見ようとしたけれど、画面の項目が多すぎて、どこから手を付ければいいか分からないまま閉じた。翌月はもう開かなかった。この順序です。

月次レポートが続かない原因は、指標の知識ではなく「1回あたりの重さ」にあります。 だから対策も、覚える指標を増やすことではなく、載せる項目を減らすことになります。

5つの項目と次の一手の欄が並んだA4・1枚の月次レポートを真上から見た俯瞰写真

月次レポートが続かない理由は「項目が多すぎる」

GA4の標準レポートは、サイトの概況を素早く把握するために用意された定型のレポートです(やさしいGoogleアナリティクスブログ)。ただし「素早く把握できる」のは、どの画面のどの数字を見るかが決まっている人の話です。

決まっていない状態で開くと、集客・エンゲージメント・収益と並んだメニューを順に開いて回ることになります。15分で終わるはずの確認が1時間かかり、しかも結論が出ないまま終わる。 これが2ヶ月続けば、3ヶ月目は開きません。

社内で続く形にするなら、紙1枚に収まる量まで落とすのが先です。項目を5つに絞り、毎月同じ順番で同じ場所に書く。増やすのは、続くようになってからで間に合います。

この記事で扱わないこと

「それぞれの指標が何を意味するのか」「計測が正しく取れているか」は、別の記事で扱っています。

この記事は、すでに計測できている数字を、毎月続く形に落とす話です。

入口・中身・出口の3段階で数字が絞り込まれていく流れを表した抽象データアート

1枚に載せる5項目 ── 入口・中身・出口の順に並べる

並べる順番には意味があります。入口(どれだけ来たか・どこから来たか)→ 中身(読まれたか)→ 出口(何件になったか)の順です。

この順で並んでいると、数字が下がったときに「どこで落ちたのか」を上から順に追えます。バラバラに並んでいると、毎回どこから見るか迷います。

① セッション数 ── ただし、単体では判断しない

まず「何回訪問があったか」。ここは前月比と前年同月比だけ見れば十分です。

中小企業のサイトでは、月間5,000セッション以上が成果につながる期待値の高い水準とされています(イーネクスト)。ただし地域密着の住宅会社で、商圏が新潟県内に限られる場合、この数字を最初の目標に置くと届かない月が続きます。

セッション数は「増えた/減った」を見る欄であって、良し悪しを決める欄ではありません。 良し悪しは④で決まります。

② 流入経路(参照元/メディア) ── どこから来たか

GA4では「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開き、セッションの参照元/メディアを選ぶと確認できます(やさしいGoogleアナリティクスブログ)。

1枚に書くのは上位5件だけです。検索(google / organic)、SNS、ポータルサイト、広告、直接アクセス。この内訳が月ごとにどう動いたかを見ます。

チラシやイベント告知からの流入を分けて見たい場合は、URLにUTMパラメータを付けておく必要があります。付けていないと「直接アクセス」に混ざって、効果が判定できません。

③ エンゲージメント率 ── ページの種類ごとに見る

エンゲージメント率は、10秒以上滞在した/2ページ以上見た/キーイベントが発生したのいずれかに当てはまるセッションの割合です(インハウスプラス)。

ここが5項目のなかで唯一、サイト全体の平均を見てはいけない項目です。理由は次の節で書きます。

④ キーイベント(資料請求・来場予約・電話) ── 種別を分ける

2024年3月に、GA4の「コンバージョン」はキーイベントという名称に変わりました(FICIL)。機能は同じで、既存の設定を変える必要はありません。

住宅会社の場合、ここを1つにまとめてはいけません。資料請求・来場予約・電話は、検討の深さがまったく違うからです。

合計10件でも、その中身が「資料請求10件・来場予約0件」なのか「資料請求4件・来場予約6件」なのかで、翌月やることが変わります。合計だけ見ていると、いちばん大事な変化が見えません。

⑤ 入口になったページ 上位5件

訪問者が最初に開いたページです。ここにはサイト側の想定と、実際のズレが出ます。

トップページから読み始めていると思っていたのに、実際は施工事例の1ページ目から入っていた。そういうことが普通に起きます。入口が分かれば、そのページに次の導線を置けます。

アクセス解析画面のページごとの数値のうち1行を指差しているマクロ接写

エンゲージメント率だけは、平均を見ても意味がない

③で保留にした話です。エンゲージメント率にはページの役割ごとに違う目安があります。

トップページ78.4%、ブログ記事70%、料金・製品ページ57%、合格ライン50%を比較した棒グラフ

トップページは78.4%、ブログ記事は約70%、料金・製品ページは56〜58%が目安とされ、合格ラインは50%とされています(インハウスプラス)。

つまり、ブログ記事が多いサイトと、サービス紹介ページが中心のサイトでは、サイト全体の平均値がそもそも別の数字になります。全体平均が62%だったとして、それが良いのか悪いのかは、その内訳を見ないと言えません。

1枚に書くのは「全体平均」ではなく、「主要ページ3〜5枚それぞれの率」です。 モデルハウス紹介、施工事例、お客様の声、資料請求フォームのページ。この4枚だけでも、毎月並べていれば動きが見えます。

数字を並べるだけでは動けない ── 「次の一手」の欄を作る

ここが、テンプレートでいちばん大事なところかもしれません。

5項目の数字を並べただけの紙は、読んで終わります。翌月、同じ紙がもう1枚増えるだけです。1枚の下半分に、「今月の気づき」と「来月やること1つ」を書く欄を作ってください。

書くのは1つだけにします。3つ書くと、どれも手が付かないまま翌月になります。

住宅業界では、成約率の目標が従来の10%から13〜15%へ上がってきているという見方があります(LIFULL HOME'S Business)。また、資料請求をした方のうち約15%が来場に進んだという事例も報告されています(FancyWebmate)。

こうした数字は、自社の立ち位置を測る物差しにはなります。ただし他社の平均に自社を合わせにいくのではなく、先月の自社と比べて1つ動かす。月次レポートの目的はそちらです。

A4・1枚の月次レポートを挟んで二人が短い打ち合わせをしている動作スナップ

誰が・いつ・何分で見るか、まで決める

テンプレートを作っても、運用が決まっていないと続きません。次の3つを最初に決めてください。

| 決めること | 目安 | |---|---| | 誰が数字を埋めるか | 広報・ウェブ担当。1人に固定する(持ち回りにしない) | | いつ見るか | 毎月同じ日。月初の営業会議の冒頭など、既にある予定にくっつける | | 何分で終わらせるか | 15分。埋めるのに10分、話すのに5分 |

「既にある予定にくっつける」が要点です。月次レポートのためだけに新しい会議を作ると、まず続きません。

そして、この紙を経営者が見ること。担当者だけが見て終わる数字は、翌月の行動を変えません。1枚に絞った理由の半分は、経営者が15分で読めるようにするためです。

まとめ ── A4・1枚のテンプレート

| 欄 | 書くこと | |---|---| | ① セッション数 | 今月の数字/前月比/前年同月比 | | ② 流入経路 | 参照元/メディアの上位5件とセッション数 | | ③ エンゲージメント率 | 主要ページ3〜5枚それぞれの率(全体平均は書かない) | | ④ キーイベント | 資料請求/来場予約/電話を分けて記載 | | ⑤ 入口ページ | 上位5件 | | 今月の気づき | 2〜3行 | | 来月やること | 1つだけ |

項目を増やしたくなったら、3ヶ月続いてからにしてください。続いていないうちに増やすと、続かない理由がまた1つ増えるだけです。

計測がそもそも正しく取れているか不安な場合は、先に「GA4計測改修の前後で何が変わるのか」を確認してください。入っていない数字は、どんなテンプレートでも埋まりません。

Masaharu Ishimoto

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Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

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GA4分析を頼むと、何をどこまで見てもらえるのか

ノートPCのGA4画面の脇に「取れているか」「読み方」「次の一手」と書かれた3枚の付箋が並ぶ接写イメージ

御縁 GROWTH ロゴ

「GA4の分析、頼んだほうがいい気はしているんです。ただ、頼んだらレポートをもらって終わり——ですよね?」

サービスの説明ページを見て、電話やLINEの手前で止まっている方から、この言葉をよくいただきます。

「レポートをもらって終わり」というイメージが、頼む前の最大のブレーキになっている——というのが、いまいちばん強く感じているところです。

この記事は、御縁 GROWTH にGA4分析を頼んだときに、実際に何をどこまで見ているのかを、業種を問わず整理したものです。期待値のズレが起きやすい5つの領域と、お受けしていないご相談、費用が変わる理由まで含めて書きました。

先に見えるところまで見えるようにしてから、決めていただければと思っています。

ノートPCのGA4画面の脇に「取れているか」「読み方」「次の一手」と書かれた3枚の付箋が並ぶ接写イメージ

1. 「レポートをもらって終わり」が多いのは事実です

まず、GA4を取り巻くいまの状況から書きます。

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、デジタル化を進めるうえで必要な情報として不足していると答えられたのが「成功事例・活用事例」が83.3%で突出、「適切なベンダー・製品選定の情報」が79.8%で続きました。

GA4を含むデジタル化を進めるうえで必要な情報の不足(成功事例・活用事例83.3%が突出、ベンダー選定79.8%)

つまり、多くの経営者は「GA4を使うかどうか」で迷っているのではなく、「頼んでみたけど何が返ってくるのか」が事例として見えていないから止まっているのが実情です。

そして正直に言えば、「レポートをもらって終わり」の頼み方は、実際にたくさんあります。分厚いPDFが月に1回届いて、開いてみると数字と色つきのグラフがきれいに並んでいるが、「で、来週から何を変えるのか」が書かれていない——というやつです。

私が「GA4分析を頼むと、何をしてもらえるんですか」と聞かれ続けているのは、そのイメージが強く残っているからだと思います。ここを消すのが、この記事の役割です。

2. まず「数字を読む」より前に「取れているか」を見ます

御縁のGA4分析で、最初に見るのは分析ではありません。

そのサイトのGA4が、そもそも何をどこまで取れているかの点検から入ります。

具体的には、初回で必ず確認するのはこの4つです。

1. キーイベント(旧コンバージョン)が登録されているか:問い合わせ完了・電話タップ・資料請求などが、キーイベントとして正しく数えられているか 2. 参照元/メディアが分類されているか:Google広告・Yahoo!広告・SNSからの流入が「(not set)」や「(direct)」に落ちていないか 3. 除外設定がずれていないか:自社IPや社内チェックがカウントされていないか 4. 他ツールとの連携が生きているか:Google Search Console・Google広告との連携が切れていないか

GA4は初期設定のまま置かれていることが本当に多く、株式会社ミウのブログでも「Googleアナリティクスが難しくて放置」される中小企業の実態が指摘されています。

「数字が伸びていない」ように見えるのが分析の問題なのか、そもそも取れていないだけなのかを切り分けるところから始めないと、間違った数字を根拠に判断してしまうリスクが残ります。ここは分析の前工程として、必ず一度手を入れます。

5本の光の帯で、GA4の計測・分類・分析・次の一手の健全さの差を色と太さで表した抽象イメージ

3. 実際に見ている5つの領域(1ヶ月の目安)

計測の土台が整ったら、次の1ヶ月でこの5つを一緒に見ていきます。全部を最初から高解像度で見る必要はありません。優先度の高いところから順に絞ります。

3-1. どのページから来て、どこで離れているか

入口ページと離脱ページの2軸だけで、サイトの弱点はかなり見えてきます。

「トップページに人は来ているが、サービス紹介まで進まない」なのか、「サービス紹介までは進むが、問い合わせフォームで止まる」なのか——止まっている場所によって、次に手を入れるべき場所が全く違います。ここを言葉にできない状態で施策を打つと、体感的に「なんとなくやった」だけで終わります。

3-2. 反響に近い流入元はどれか

セッション数の多い流入元と、反響(キーイベント)に結びついている流入元は別物です。

たとえばSNSから100セッション来ていて反響ゼロ、検索から30セッションで反響3件、という結果はよくあります。この場合、追いかけるべきは30セッションのほうで、100セッションのほうは頑張っても数字にならないケースがあります。

「どのチャネルに時間と予算を使うか」の判断が、ここで根拠を持てるようになります。

3-3. スマホとPC、どちらで見られていて、どちらで反響が起きているか

「見られているのはスマホ8割、反響が起きているのはPC7割」というズレは珍しくありません。

このズレが大きいときは、スマホでの見え方に問題がある可能性が高い——問い合わせボタンが押しにくい、フォームが縦に長すぎる、電話番号がタップできない、といった話です。改修の優先度が変わります。

3-4. 曜日・時間帯の傾向

平日夜と週末で反響の入り方が違うサイトは多いです。LINE配信やメール配信を送る時間、電話番号を掲載する時間帯を、この傾向に合わせて調整します。

BtoBのサイトなら、平日9〜17時の外の反応がゼロに近いなら、そもそも夜の広告出稿は減らしていいかもしれません。

3-5. 「反響から逆算した1ページ」の重要度

反響が起きたユーザーが、その前に見ていたページを辿ります。GA4の「経路データ探索」で、キーイベントを起点に来た道を逆算します。

多くのサイトで、この逆算をかけるとトップページとサービス紹介のあいだに「事例ページ」や「代表挨拶」が入っている——というパターンが見えます。反響を増やしたいなら、そのページを最初にテコ入れするのが素直です。

4. 「レポートを渡して終わり」にしていない理由

御縁のGA4分析では、PDFレポートを毎月送りつけて終わり、という形は取っていません。

理由は3つあります。

1. 数字は見る側の解釈で意味が変わるため、渡すだけでは伝わらないからです。同じ「セッション数減少」でも、原因が季節性なのか、Googleのアルゴリズム更新なのか、自社の広告停止なのかで、次の手が全く違います 2. その場で一緒に画面を見て確認する時間を作らないと、「なぜそう読めるのか」が言葉として残らないからです。3ヶ月経ったときに社内で再現できません 3. レポートは分析の目的ではなく、次の一手を決めるための道具だからです。次の一手が決まっていないレポートは、書類キャビネットに沈むだけです

なので御縁では、レポートの提出とは別に、月1回・30〜60分の画面共有ミーティングを組みます。そこで「先月何が起きたか」「今月どこに手を入れるか」を一緒に決めるところまでを、GA4分析の1セットとしています。

分厚いレポートが置き去りにされた左と、2人で画面を指差しながら次を決める右の対比イメージ

5. こういうご相談は、お受けしていません

信頼を作るために、お引き受けしていないケースも先に書きます。

1. 「アクセスを2倍に」「反響を10件に」といった数値保証のご相談:GA4分析は現状を正しく見るための仕事で、数値を約束する仕事ではありません。断言している業者はいますが、御縁ではやりません 2. 既存の分析会社を隠したまま並行で頼まれるケース:数字の解釈が二重に走ると、社内で判断が止まります。事前に一言お伝えいただくだけで大丈夫です 3. サイトの中身を一切変えないという前提での分析ご依頼:分析だけしても、そこから何かを直せる余地がなければ数字は動きません。分析結果を受けて、少しずつでもページやフォームを直せる体制があることを前提としています 4. 社内に窓口をひとりも置けないご相談:週に10〜15分でいいので、社内で決めごとに返事をくださる方が1人必要です。ここが不在だと、良い分析をしても実装が止まります

これらは、お断りしているというより、お受けしても良い結果にならないことが分かっている領域です。初回相談で該当しそうであれば、その場でお伝えします。

6. 費用は「規模」ではなく「決まっていない項目の数」で変わる

具体的な金額は案件ごとに変わるため、この記事では書きません。代わりに費用が変わる理由だけお伝えします。

御縁のGA4分析の費用は、サイトの規模ではなく、決まっていない項目の数で変わります。

  • 「何を反響と呼ぶか」「どのキーイベントを追うか」がすでに決まっていて、窓口の方がひとりいる案件は、費用は小さくなります
  • 「そもそも何を追えばいいのかから一緒に決めたい」「反響の定義から議論したい」案件は、その分の伴走時間が要るため費用は大きくなります

これは会社の大きさの話ではありません。中身の決まり具合の話です。従業員100人の会社でも、目的が言葉になっていれば費用は小さくなりますし、5人の会社でも、決めごとを一緒に作るところから伴走するなら費用はそれなりに掛かります。

買い切り型で単発診断だけ頼むか、月額で伴走してもらうかも、状況によって向き不向きがあります。この判断軸は別の記事で書きます。

7. 頼む前に用意しておくといいもの(無くても大丈夫)

初回相談の時点で、次のものが手元にあると話が早くなります。無くても大丈夫で、無い場合はこちらでご案内します。

  • GA4の「編集者」以上の権限:閲覧権限だけだと計測の点検ができないため、後日でも構いませんので発行の可否だけ確認しておいていただけると助かります
  • サイトのURL(複数ある場合は主にどれを見てほしいか)
  • 反響として数えているものの一覧(電話・フォーム・LINE・資料請求など、どこまでを「反響」と呼んでいるか)
  • 直近3ヶ月で起きたイベント(広告出稿の増減、ページ改修、キャンペーン、テレビ・雑誌掲載など。数字の急な動きを説明するのに使います)
2人が同じノートPCの画面を一緒に指差しながらGA4の数字を確認している打ち合わせの一場面

このうち一番大事なのは、「反響として数えているものの一覧」です。ここが人によって違っていると、後の分析の精度が全部そこに引きずられます。書き出せる範囲でメモしていただければ十分で、完璧である必要はありません。

---

「GA4分析を頼むと、何をどこまで見てもらえるのか」——この記事に書いた範囲が、御縁の標準的なスコープです。

レポートを渡して終わりにしない、次の一手が決まる形で1ヶ月を組む。そこまでが、GA4分析という仕事の輪郭だと考えています。

「まず、うちのGA4がどう見えるか聞いてみるだけ」から始めていただければ、十分です。

Masaharu Ishimoto

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Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

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GA4計測改修の前後で何が変わるのか — 住宅会社サイトで見るべき5つの数字

住宅会社のオフィスでサイト担当者と経営者が並んでノートPCのGA4管理画面を見ながら話し合っている

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「GA4を新しく入れ直しました」——住宅会社のサイト運用でこの改修をしたあと、本当に見るべきなのは「反響が増えたかどうか」ではありません。

まず見るのは、これまで見えていなかった数字が、意思決定できる粒度で見えるようになったかです。反響数の増減は、そのあとに読むものです。順番を間違えると、改修そのものが目的化して「入れ直したけれど、何を根拠に次を打つのか分からない」まま数ヶ月が過ぎます。

住宅会社のオフィスでサイト担当者と経営者が並んでノートPCのGA4管理画面を見ながら話し合っている

前提:GA4計測改修で「増えた」ように見える数字の多くは、"見えていなかっただけ"

住宅会社のサイトでGA4を入れ直すと、コンバージョン数が改修前より増えて見えることがよくあります。これは施策が当たったからではなく、改修前は取れていなかった送信イベントが、改修後に正しく取れるようになっただけ、というケースがかなりの割合を占めます。

Google公式のヘルプでも、GA4の「拡張計測機能」でフォーム操作(`form_start` / `form_submit`)を自動計測できるようになった一方、フォームの実装によっては自動計測が安定しないと明記されています(GA4 Quick.com)。実際、Googleアナリティクスのコミュニティにも、「`form_start` は記録されるのに `form_submit` だけが0のまま」という相談が住宅・不動産・BtoC事業者から複数上がっています(Google アナリティクス コミュニティ)。

つまり「昨月の反響は3件、今月は8件」というGA4の数字は、「反響が5件増えた」ではなく「これまで見えていなかった5件がやっと見えた」のかもしれません。前後比較の一番大事な仕事は、この2つを取り違えないことです。

住宅会社サイトで、前後比較で見るべき5つの数字

前後比較の目的は「良くなったかどうか」を白黒つけることではなく、次の1手を数字で決められる状態にすることです。住宅会社のサイトでは、次の5つの数字を並べて読みます。

GA4計測改修で見えるようになる5つの数字(反響数・フォーム完了率・参照元別セッション・経路データ探索・拡張コンバージョン)を5本の光の帯で表現した抽象データアート
  • ①反響数の実測ベースライン(改修後にやっと出た「本当のスタート地点」)
  • ②フォーム完了率(到達→送信までの落ち幅)
  • ③参照元別セッション(`(not set)` や `(direct) / (none)` が減ったか)
  • ④経路データ探索の離脱ポイント(どこで検討者が消えているか)
  • ⑤拡張コンバージョンの適用差(広告経由の反響のうち、どれだけ回収できていなかったか)

順番にそれぞれ何を見るかを整理します。

①反響数の実測ベースライン:改修後の数字を"新しい基準"にする

住宅会社の場合、コンバージョンは通常「資料請求フォーム送信」「来場予約フォーム送信」「電話タップ」の3種類です。改修前は、このうち少なくとも1つが正しく取れていないことが実務では珍しくありません。

  • 資料請求フォームだけが `form_submit` を吐いていて、来場予約フォームは取れていない
  • 送信後にJavaScriptで別ドメインへ遷移する仕様でイベントが飛ばない
  • サンクスページが1つのURLに集約されていて、どのフォームからの送信か区別できない

改修後は、この3つを分けてキーイベント(旧コンバージョン)に登録し、改修翌月のデータを「新しい基準」として扱うのが原則です。前年同月比・改修前同月比で並べても、計測条件が違う数字を並べているだけで意味を持ちません。

GA4のダッシュボードでコンバージョン数が0件と表示されている画面を至近距離で捉えたマクロ接写。付箋に本当に0なのかと書かれている

改修前の数字は「前はこう見えていた」という参考値に格下げして、意思決定は改修後3ヶ月〜6ヶ月のトレンドで判断します。この判断軸をあらかじめ経営者と合意しておくと、「先月より落ちた・上がった」で毎月一喜一憂する打ち合わせから抜けられます。

②フォーム完了率:フォーム到達→送信までの落ち幅を見る

反響数の実数だけ見ていると、「フォームまでは来ているけれど送信で落ちている」のか、「そもそもフォームに到達していない」のかが分かりません。前後比較で必ず見るのが、フォーム到達数(`form_start` またはフォームページの `page_view`)と送信数(`form_submit` またはサンクスページの `page_view`)の比率です。

業界の調査では、問い合わせフォームの離脱率は一般に65〜75%程度と言われています(BOOSTTECH MEDIA)。つまりフォームに10人到達しても、送信まで至るのは2〜3人という水準です。

フォーム到達数を100とした場合の完了率が変わったときのコンバージョン数の変化(指数値)

フォーム完了率が20%から40%に上がるだけで、送信数は2倍になります。ボタン配置や広告費を動かす前に、まずこの完了率を測れる状態にしておくのが、改修の最初の仕事です。

計測実装のコツとしては、次の2つを両方仕掛けるのが安全です。

  • `form_submit` イベント(GTMの「フォーム送信」トリガーまたは拡張計測)
  • サンクスページの `page_view`(サンクスページのURLを分けて発行し、フォームごとに区別)

どちらか片方だけだと、フォームの実装変更やSPA化で計測が突然止まるリスクがあります(GA4 Guide)。両方取っておけば、片方が壊れてももう片方で検知できます。

③参照元別セッション:`(not set)` と `(direct)` が減ったかを見る

住宅会社のサイトを触ると必ず出会うのが、セッションの参照元が `(not set)` や `(direct) / (none)` に大量に落ちる問題です。

これは、次のような設定が抜けていることで起こります。

  • クロスドメイン計測が設定されていない(本サイト→予約サイトへの遷移で参照元が失われる)
  • UTMパラメータがバラバラ(広告と自社バナーで表記ルールが揃っていない)
  • リファラー除外リストが未設定(決済代行や外部フォームからの戻りが「参照元」扱いになる)

改修前後で見るべきは、「Google / organic」「Google / cpc」「Instagram / referral」など、意味のある参照元別セッションの割合が、全セッションのうち何%になったかです。改修前は50%が `(not set) + (direct)` で埋まっていたものが、改修後に20%まで減っていれば、それだけで広告・SNS・SEOのどれが効いているかを議論できる土台が整ったことになります。

反響数の増減より先に、この「参照元がまともに取れるようになったか」を確認します。これが取れていない状態で広告を止める・増やすの判断をすると、当てずっぽうで媒体費を動かすことになります。

④経路データ探索:どのページで消えているかを見る

住宅会社のサイトは、トップ→施工事例→モデルハウス→来場予約、のように「複数ページを回遊してから反響に至る」のが一般的です。この回遊のどこで検討者が消えているかは、GA4の経路データ探索(Path Exploration)で見えるようになります。

経路データ探索は、ユーザーの動きを始点から終点、あるいは逆方向で視覚的に確認できる機能です(株式会社クリエル)。ファネル探索とセットで使うと、コンバージョンに至る経路のどのステップで何%が離脱しているかがステップごとに評価でき、ボトルネックになっているページが特定できます(ga4.guide)。

住宅会社のサイトで最初に見るのは、次の3つの流れです。

  • トップページ → 施工事例一覧 → 個別事例 → 来場予約フォーム
  • 検索経由 → 商品ページ → 資料請求フォーム
  • 広告経由 → LP → スマホ電話タップ

どの流れが一番CV率が高いかを見つけて、そこに追加投資する、という順で意思決定します。改修前は経路データそのものが取れず、この議論が「担当者の感覚」でしかできなかったはずです。

⑤拡張コンバージョン:広告経由の反響がどれだけ回収されていなかったか

広告(Google Ads / Meta広告 など)を回している住宅会社では、拡張コンバージョン(Enhanced Conversions)の適用有無で、記録される反響数がまとまって変わります。

拡張コンバージョンは、フォーム送信時に取得したメール・電話番号などをハッシュ化してGoogleに送り、Googleのログイン済みユーザーと突き合わせて広告クリックと反響を紐づける仕組みです。Cookieの制限やクロスデバイス(スマホで見て、あとでPCで送信するなど)で失われていた広告成果を拾い直せます。

Googleが公開している事例では、拡張コンバージョンの導入で平均5〜17%の測定改善、EC事業者では最大28%の改善が報告されています(groas.com)。住宅会社の広告は、検討期間が長くクロスデバイスが常態化する商材なので、拡張コンバージョンの効きは一般より大きく出やすい領域です。

改修前は拡張コンバージョンを入れていなかった場合、改修後に「広告経由の反響が急に増えた」ように見えるのは、施策の成果ではなく「これまで取りこぼしていた分がやっと計上された」ことが大半だと考えたほうが安全です。

前後比較で必ず見落とすポイント

落とし穴①:改修前のデータを「消して」しまう

GA4のプロパティを作り直したり、キーイベントの定義を変えたりすると、過去の数字が新しい定義で見えなくなることがあります。改修前に、少なくとも以下は手元にエクスポートしておきます。

  • 過去12ヶ月の月次セッション・コンバージョン数(キーイベント別)
  • 主要ページのページビュー・平均エンゲージメント時間
  • 参照元別のセッション比率

CSVで手元に残しておけば、「改修前は何が見えていて、何が見えていなかったのか」の会話があとから可能になります。

落とし穴②:サンクスページのpage_viewと`form_submit`で"二重計測"する

`form_submit`とサンクスページの`page_view`の両方をキーイベントに登録すると、送信1回で2件カウントされます。キーイベントとして採用するのはどちらか片方に決めて、もう片方は「バックアップの検知用」として残すのが実装の型です。

落とし穴③:改修直後1週間で判断してしまう

計測改修は、設定した瞬間から1〜2週間はデータが揺れます(設定ミス→修正、拡張計測のオン/オフ、リファラー除外の追加など)。改修後の意思決定は、運用が安定してから最低3〜4週間分のデータが揃ってからでないと、揺れをトレンドと誤読します。

まとめ:改修の目的は「増やす」ではなく「意思決定できる状態にする」

| 見るべき数字 | 改修前 → 改修後で確認すること | |---|---| | ①反響数の実測 | 3種のCVを分けて計測できているか | | ②フォーム完了率 | 到達→送信の落ち幅を数字で言えるか | | ③参照元別セッション | `(not set)`と`(direct)`の割合が減ったか | | ④経路データ探索 | どのページで消えているかが特定できるか | | ⑤拡張コンバージョン | 広告経由の反響がどれだけ回収されていなかったか |

GA4計測改修の前後を左右で対比するビフォーアフター。左は空欄やnot setだらけで意思決定できず、右は数字が揃って話せる状態

GA4計測改修の前後比較は、「反響が増えたか」ではなく「意思決定できる粒度で数字が揃ったか」を見るためのものです。数字が揃った瞬間に、次に手を入れるべき1箇所が具体的に決まります。フォーム完了率が低いのか、参照元が取れていないのか、広告経由の反響が取りこぼされているのか——ここが分かれば、限られた予算をどこに置くかで迷わなくなります。

自社サイトの詰まりを先にGA4で切り分けたい場合は、「アクセスはあるのに問い合わせがない」をデータで切り分けるを参照してください。改善の全体的な順序は、住宅会社のホームページ集客 完全ガイドで整理しています。

自社のGA4が「本当に見えるべきものを見えている状態」になっているかを一度確認したいという場合は、下記からご相談ください。現状の計測実装を診断し、前後比較で「意思決定できる数字」まで最短で持っていく手順を一緒に決めます。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。

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