分析だけでは反響が増えない理由 —— 分析と改修はセットで意味を持つ

左は閉じたままの「分析レポート」冊子、右は開いて付箋を貼りながらサイトを直しに使っているレポートの対比イメージ

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「分析レポートは受け取ったんです。ただ、その後、反響は特に変わらなかった——」

サービスページを見て、電話やLINEの手前で止まっている方から、このお話をいただくことが続いています。

正直に書きます。分析だけでは、反響は動きません。分析が悪いのではなく、そもそも分析は「現在地を映すもの」で、反響を動かすのは「サイトや導線を直す仕事」のほうだからです。

この記事は、御縁 GROWTH が分析だけのご依頼をお受けしていない理由と、分析と改修をセットにするとは実際どう進めるのか、費用が変わる理由まで、業種を問わず整理したものです。

先に見えるところまで見えてから、決めていただければと思っています。

左は閉じたままの「分析レポート」冊子、右は開いて付箋を貼りながらサイトを直しに使っているレポートの対比イメージ

1. 「レポートは届いたが、反響は変わらなかった」の正体

まず、この状態がなぜ起きるのかを書きます。

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、デジタル化を進めるうえで不足していると答えられた情報のトップが「成功事例・活用事例」の83.3%でした。「頼んでみたけど、その後どう動いた事例なのか」が見えないから止まっている——というのが実情に近いのだと思います。

そして、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのコラムでも紹介されている総務省 令和2年版 情報通信白書では、データ活用が必要と認識している企業の中で、成果が「十分に出ている」と答えた企業は3割程度という数字が出ています。認識と実感のあいだに、大きな段差があります。

この段差の正体を、御縁ではこう考えています。

分析はサイトの「いま」を映す仕事で、反響を動かすのは「直す」ほうの仕事。この2つの役割の違いが最初に共有できていないと、レポートは届いても数字は動かず、書類キャビネットに沈みます。

分析だけを受け取って反響が変わらないのは、当然の結果——という言い方が、いちばん正確です。

2. 分析と改修は、そもそも役割が違います

分析と改修の違いを、もう少し細かく分けて書きます。

2-1. 分析の仕事:現在地と、動かせる場所を並べる

分析でお渡しできるのは、この3つです。

  • いまの数字(訪問数・反響数・どこで離れているか)
  • 反響に近い流入と、遠い流入の切り分け
  • 手を入れる価値のありそうな場所の候補

これらは全部、「いま起きていることを言葉にする仕事」です。分析が終わった時点では、まだサイトの中身は1文字も変わっていません。

2-2. 改修の仕事:分析で見えた場所に、実際に手を入れる

改修は「分析で候補に上がった場所に、実際に手を入れる仕事」です。具体的には次のような作業を指します。

  • フォームの項目を減らす/並び順を変える
  • 問い合わせボタンの文言・配置・色を変える
  • スマホでの電話タップを増やす
  • サービス紹介ページの結論を冒頭に移す
  • 導線から不要なリンクを消す

これは分析ではなく、サイトの中身を1文字・1画像単位で直していく作業です。分析と改修はどちらも大事ですが、必要な時間も、必要なスキルも別です。同じ人・同じ会社が両方やる場合もあれば、別々の場合もあります。

2-3. 「分析→改修→また分析」の順で回るのが本来の姿

分析と改修は、順番に回して初めて意味を持ちます。

分析で「フォームで離脱している」と分かったら、改修でフォームに手を入れる。手を入れた後にまた分析で「離脱が減ったか」を見る。この回転が1周でも回っていないと、レポートは出ていても、サイトの中身は分析される前と同じままで残ります。

青い分析の帯と金色の改修の帯が交わって初めて右上に伸びる、分析と改修のセットを表した抽象イメージ

3. 「分析だけ」を頼むと起きる3つのこと

分析だけを外部に頼んだ場合、実際によく起きるのは次の3つです。

3-1. レポートが「開かれないまま」書類キャビネットに残る

分厚いPDFが月に1回届いても、社内で開ける人がいない——というケースが本当に多いです。「読める人がいない」のではなく、「読んだ後に何を直せばいいかが書かれていない」から、結果として開かれません。

3-2. 「次の一手」が言葉になっていない

分析結果として「フォームの離脱率が高い」まで書かれていても、「じゃあ、来週どこの何を、誰が、どう直すのか」までは書かれていないレポートが多いです。ここが空欄のままだと、社内で決めごとが止まります。

3-3. 3ヶ月経つと、また同じレポートが届く

改修が入らないままだと、サイトの中身は変わっていないので、翌月のレポートも似た形になります。「先月と同じ場所で離脱しています」という結果が3ヶ月続くと、レポートを受け取る側もだんだん開かなくなります。

これは分析の質の問題ではなく、分析だけを切り出して発注した設計に無理があるという話です。

問い合わせフォームの入力欄が印刷された紙に、赤ペンで改善メモを書き込みかけている手元の接写

4. 分析と改修をセットにすると、どこまで動くのか

数字で少しだけ触れます。具体的な数字は御縁の実測ではなく、公開されている業界の相場です。

  • フォームの改修:BOOSTTECH MEDIAの2026年EFOガイドでは、問い合わせフォームの離脱率は一般に65〜75%、完了率が20→40%に上がると送信数は2倍になる、という数字が紹介されています
  • 改修の実測事例:アドエビスのEFO事例では、フォーム改修前後で入力完了率が120〜123%程度に伸びた事例(再春館製薬所・リナビス)が紹介されています
  • A/Bテスト:コンバージョン改善に関する各種調査でも、A/Bテスト経由のCVR改善はサイトあたり数%〜10%台の中央値が示されています

これらは全部、分析だけでは決して発生しません。改修の実装が入って初めて起きる数字です。

フォーム完了率の目安(20%→30%→40%と上がると送信数が指数値100→150→200と伸びる目安・BOOSTTECH MEDIA 2026 EFOガイドの完了率×送信数関係を指数化)

御縁が案件でお引き受けするときも、「分析で見えた場所を、実際にサイトに反映する」ところまでを1つの区切りにしています。分析が終わった時点で契約が切れる形にはしていません。

5. こういうご相談は、お受けしていません

信頼を作るために、お引き受けしていないケースも先に書きます。

1. 分析だけのご依頼:分析レポートだけを渡す仕事は、御縁ではお引き受けしていません。分析→改修→再分析の1周が回らないと数字は動かないと分かっているため、分析だけを切り出して受注すると、後で期待値がズレます。分析を専門にしている調査会社さんがすでにあり、そちらの仕事とは分けています 2. 改修の権限が社内にも外注先にもない状態でのご相談:分析で「ここを直しましょう」までお渡ししても、サイトを触れる人が誰もいない場合、実装は止まります。ウェブ制作会社さん・サイト内製の担当さん・御縁側で手を入れる、のどれかが動ける前提でお受けしています 3. 「アクセスを2倍に」「反響を10件に」といった数値保証のご相談:これは分析でも改修でも約束していません。断言している業者はいますが、御縁ではやりません 4. 改修の内容を1つも変えずに、分析の結論だけを変えてほしいご相談:数字の見え方だけを整えるお手伝いは、御縁の仕事ではありません。数字を都合よく見せるのではなく、動かせる場所を並べる仕事としてお受けしています

これらは、お断りしているというより、お受けしても良い結果にならないことが分かっている領域です。初回相談で該当しそうであれば、その場でお伝えします。

2人が同じノートPCのGA4画面を見ながら、今月直す・翌月・保留の3枚の付箋に次の一手を書き分けている打ち合わせの一場面

6. 費用は「規模」ではなく「決まっていない項目の数」で変わる

具体的な金額は案件ごとに変わるため、この記事では書きません。代わりに費用が変わる理由だけお伝えします。

御縁の分析+改修の費用は、サイトの規模ではなく、決まっていない項目の数で変わります。

  • 「何を反響と呼ぶか」「どこから優先して直すか」がすでに言葉になっていて、窓口の方がひとりいる案件は、費用は小さくなります
  • 「そもそも何を追えばいいのかから一緒に決めたい」「どこから直せばいいのか手が付けられない」案件は、その分の伴走時間が要るため費用は大きくなります

これは会社の大きさの話ではありません。中身の決まり具合の話です。従業員100人の会社でも、目的が言葉になっていれば費用は小さくなりますし、5人の会社でも、決めごとを一緒に作るところから伴走するなら費用はそれなりに掛かります。

買い切りで区切って進めるか、月額で継続的に伴走するかは、状況によって向き不向きがあります。この判断軸は別の記事に譲ります。

7. 頼む前に用意しておくといいもの(無くても大丈夫)

初回相談の時点で、次のものが手元にあると話が早くなります。無くても大丈夫で、無い場合はこちらでご案内します。

  • GA4の「編集者」以上の権限:閲覧権限だけだと計測の点検と改修の反映確認が難しいため、後日でも構いませんので発行の可否だけ確認しておいていただけると助かります
  • サイトを触れる方の連絡先:社内・外注先のどちらでも構いません。分析の結果を実装に受け渡す先が最初に決まっていると、話が一段早くなります
  • 反響として数えているものの一覧(電話・フォーム・LINE・資料請求など、どこまでを「反響」と呼んでいるか)
  • 直近3ヶ月で起きたイベント(サイト改修、キャンペーン、広告出稿の増減、テレビ・雑誌掲載など。数字の急な動きを説明するのに使います)

このうち一番大事なのは、「サイトを触れる方の連絡先」です。分析で候補が並んでも、実装に受け渡す先がないと、レポートで止まる同じ場所に戻ります。

8. まとめ

分析でお渡しできるのは、「いまの数字」「反響に近い流入・遠い流入の切り分け」「動かせる場所の候補」の3つです。

そしてこの3つを反響という数字に翻訳するのは、分析ではなく改修の仕事です。この線引きが最初に共有できていれば、レポートが書類キャビネットに沈むことはありません。

分析は現在地を映すもの、反響を動かすのは改修のほう。この2つを1つの流れとしてお受けしているのが、御縁のスタンスです。

「まず、うちのサイトが分析と改修のどちらから手をつけるべきか聞いてみるだけ」から始めていただければ、十分です。

Masaharu Ishimoto

この記事を書いた人

Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)

上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表

GA4分析・AI検索(GEO)対策・サイト制作・公式LINE構築・現場事務所のバックオフィス支援まで、業種を問わず「本業に集中できる状態」を作るための実務支援をしています。

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