「LINEを買い切り型で1回作ったのですが、来場予約が思ったほど入りません」——新潟の住宅会社・工務店から、この相談をよくいただくようになりました。
トーク画面を見せていただくと、リッチメニューはきちんと6分割で作られていて、6つのボタンがちゃんと並んでいます。だから「作りが悪い」というより、6枠の使い方の設計の話であることがほとんどです。

目次
リッチメニューは「もう一つのホームページ」だが、6枠の重みは平等ではない
公式LINEのリッチメニューは、トーク画面下部に常時表示されるもう一つのホームページとして機能します。LINE公式アカウントのマニュアルによれば、大サイズ(2500×1686px)で最大6つのタップ領域を設置でき、これが業種を問わず住宅会社でも定番の使い方になっています(LINEヤフー for Business リッチメニュー作成マニュアル)。
タップ率のポテンシャルも高い媒体です。業界の解説メディアでは、リッチメニューのタップ率は配信メッセージの3〜5倍、さらに大サイズは小サイズの約1.5〜1.8倍タップされやすい、という数値が紹介されています(WEB FLEEK リッチメニュー完全ガイド)。

つまり「6分割で大サイズ」というだけで、媒体としてはすでに強い場所です。問題は、その6枠の使い方のほうにあります。
「6枠を平等に扱う」のが一番よくある失敗
リッチメニューの相談で一番多い失敗は、6つのボタンを全部同じ重みで扱ってしまうことです。
- 6マスすべて同じ色・同じフォント・同じ大きさで並ぶ
- 6マスの見出しが「資料請求」「来場予約」「モデルハウス」「施工事例」「LINE相談」「会社案内」と横並びで、どれが一番押してほしいのか読み取れない
- 6マスすべて別ページへの遷移で、押した先のゴールが揃わない
これだと、6つあるということ自体が、どれも押されない理由になります。業界の解説記事でも、「1配信に複数のCTAを詰め込むと、どれも押されないままスルーされやすい」と繰り返し指摘されているところです(FancyWebmate 工務店・注文住宅のLINE活用完全ガイド)。

住宅会社の場合、リッチメニューで最終的に取りたい成果は「来場予約」に集約されることがほとんどです。資料請求もモデルハウス紹介も施工事例も、最後は「一度来場していただく」への通り道として置かれています。
だとすれば、6枠の重みも同じ形になっているのが自然です。「来場予約」を1つの主役として真ん中に据え、残り5枠は主役へつなぐ脇役として控えめに置く——この構造にするだけで、リッチメニューの読まれ方はまったく変わります。
主役=来場予約に絞ったときの標準6分割
「主役を1つに絞る」を6分割に落とし込むと、次のような配置になります。左上を主役=来場予約に置くのがセオリーです。
視線はスマホ画面の左上から右下へ流れる(Zの法則)ため、タップしてほしいボタンほど左上に置くという原則が2026年時点でもそのまま通用します。業界の解説メディアでも、「予約ボタンを最も目立つ位置(左上)に配置し、ボタンの色をアクセントカラーにすることで、LINE経由の予約率が平均2.3倍に向上」という数値が示されています(WEB FLEEK リッチメニュー完全ガイド)。

住宅会社の6分割の標準形は、次のように左上を主役にして時計回りに脇役を並べるのがおすすめです。
- 左上(主役):来場予約(見学会予約・完成邸ルームツアー予約なども含む)
- 中央上(準主役):資料請求(カタログ・施工事例集)
- 右上(補助):モデルハウス案内(開催中のイベント・展示場アクセス)
- 右下(信頼補助):施工事例(写真ギャラリー・お客様の声)
- 中央下(相談導線):LINE相談(フォームではなくLINE内で完結)
- 左下(会社基本):会社案内(アクセス・営業時間・会社概要)
大事なのは、左上「来場予約」1マスだけを色・枠・アイコンでアクセント化し、残り5マスは白地の細字で控えめに置くことです。「6マスあるけれど、押してほしいのはここです」が、絵の設計だけで伝わる形になります。
5マスに載せる脇役の選び方
主役以外の5マスをどう埋めるかで、主役=来場予約に人が流れるかどうかが決まります。ここは「思いつく順」に並べてしまうと、5マスがバラバラのゴールを指してしまい、また平等に戻ってしまいます。
住宅会社の場合、5マスは「来場予約に至る前段」として選ぶのが自然です。
- 検討初期の人には:資料請求・施工事例(判断材料を渡す)
- 候補として絞りかけている人には:モデルハウス案内・LINE相談(触れる場所を作る)
- どのフェーズの人にも:会社案内(不安を消す)
つまり、5マスの脇役は主役=来場予約への「準備段階」を並べるという考え方です。「LINEショップ」「Instagramへのリンク」「メルマガ登録」など、来場予約の動線から外れる項目を6マス内に混ぜないこと——これだけで6分割は主役に人を集める形に変わります。
更新頻度は「季節×3ヶ月」で回すのが住宅会社の型
リッチメニューは一度作って終わりではなく、季節や開催中のイベントに合わせて更新する必要があります。ただし、住宅会社の実情に「毎週更新」は合いません。

業界の解説では、リッチメニューは月1回以上チェックし、新しいメニューを設定してから2〜4週間で効果を評価する、という運用サイクルが紹介されています(Web戦略ガイド リッチメニュー設計ガイド2026年版)。
住宅会社の場合、四半期(3ヶ月)ごとに大枠を入れ替え、月1回はイベント情報だけ差し替える運用がちょうど回りやすい頻度です。
- 春(3〜5月):完成見学会・引き渡し後の住まいの見学
- 夏(6〜8月):資金相談会・住宅ローン相談・土地探し相談
- 秋(9〜11月):土地探し・秋の完成見学会・見学ツアー
- 冬(12〜2月):完成邸ルームツアー・年始相談会・住宅性能の実感イベント
主役=来場予約の枠は固定で、変えるのは残り5マスの中身と、来場予約の中で案内するイベントの種類だけです。主役の枠まで動かすと、常連の友だちが「押す場所」を毎回覚え直すことになり、タップ率が落ちます。
効果は「LINE公式アカウントの分析画面」で月1回だけ見る
リッチメニューを更新したあと、効果を見るのはLINE公式アカウントの分析画面です。LINEヤフー公式のマニュアルで、指標の定義は次のように明記されています(LINEヤフー for Business リッチメニュー分析マニュアル)。
- インプレッション:リッチメニューが表示された回数
- インプレッションユーザー:リッチメニューを表示させたユーザー数
- クリック:リッチメニューがクリックされた回数
- クリックユーザー:リッチメニューをクリックしたユーザー数
- クリック率:クリックしたユーザー数を表示させたユーザー数で割った数
住宅会社が月1回だけ見るのは、主役=来場予約1マスの「クリック率」で十分です。
- クリック率が5%を下回っているなら、主役の絵・言葉・色・置き場所のどれかを見直すサインです(Web戦略ガイド リッチメニュー設計ガイド2026年版)
- 6マスすべてのクリック率が横並びなら、主役が主役になれておらず「詰め込み型」に戻っている可能性が高い
- 主役だけクリック率が飛び抜けて高いなら、設計は機能しています。あとは来場予約フォーム側の使いやすさへ焦点を移します
指定期間内のクリック者が20人未満だと、公式の分析画面では数値が非表示になる(同マニュアル)ので、友だち数が少ない住宅会社は月次ではなく四半期でまとめて見る、という頻度調整も必要です。
避けたい5パターン ── 「作られてはいるが押されない」典型
これまでご相談いただいたリッチメニューで、「作られてはいるが押されていない」典型を5つに整理すると、住宅会社ではだいたい次のどれかに当てはまります。

- ①6マス平等型:6マスとも同じ色・同じ大きさ・同じ強さ。主役がいない
- ②詰め込み型:6マスの中にInstagram・メルマガ・LINEショップ・電話・地図など来場予約の動線から外れる項目を混ぜる
- ③リンクだけ型:6マスすべて外部サイトへ飛ばし、リッチメニューが素通りされる中継地になっている
- ④ペルソナ不明型:見学会の告知が終わっているのに枠だけ残っていたり、季節と合っていないイベントが載ったまま
- ⑤放置型:初期構築のまま半年以上更新されていない。友だちにとって「変わらない=見なくてよい」という信号になる
リッチメニューは、作った瞬間ではなく「その後の3ヶ月」で成果が変わります。主役を1つに絞り、季節で残り5マスを差し替えるというリズムだけ持っていれば、上の5パターンには落ちにくくなります。
予約のその後 ── LINE内で予約完結までつなぐ
主役=来場予約のマスをタップしていただいた後、遷移先がWeb上の予約フォームだと、そこでもう一段離脱します。せっかくリッチメニューまで押していただいたのに、フォームの入力途中で戻られるのが一番もったいないケースです。
住宅会社向けのLINE活用ガイドでは、Lステップ等のカレンダー予約機能を使えばLINE上で日程調整まで完結でき、リマインドは前日と当日朝の2回配信が離脱防止のポイント、と紹介されています(FancyWebmate 工務店・注文住宅のLINE活用完全ガイド)。
- LINE内で日程を選ぶ(Webフォームへ飛ばさない)
- 前日と当日朝にリマインドを送る(来場忘れを防ぐ)
- 来場後にお礼メッセージと次の一歩の案内を1本入れる
この3ステップを主役=来場予約の後ろに置くと、「押していただいた反響が、実際の来場までつながる率」が上がります。買い切り型の初期構築では予約フォームの外部リンク接続までが範囲になっていることが多いので、LINE内予約が必要な段階なら月額型(Lステップ等)への切り替えを検討する、という順序になります。
月額型と買い切り型の費用構造は、住宅会社の公式LINE、月額型と買い切り型の費用比較で別途整理しています。まず買い切り型で6分割を主役型に組み直し、来場予約が実際に押されるようになってから月額型への移行を検討する——この順番が、住宅会社にとってはコストと成果のバランスが取りやすい入り方です。
決めておく3つのこと(設計に入る前に)
リッチメニューを組み直す・新しく作る前に、住宅会社側で決めておいたほうがいい項目が3つあります。

- 主役の1マス:来場予約・見学会予約・完成邸ルームツアーのうち、この3ヶ月で一番増やしたいもの1つを選ぶ
- 予約の受け方:Webフォームか、LINE内予約か、電話か。主役タップの後にどこへ着地させるかを先に決める
- 更新の担当と頻度:社内で誰が四半期に1回、絵を差し替えるかを決める。外注する場合も社内窓口を1人置く
この3つが決まらないうちに「とりあえず6分割で作りましょう」に進むと、必ず6マス平等型に戻ります。主役1つ・遷移先1つ・担当1人——この3点セットで設計するのが、住宅会社のリッチメニューでつまずかない一番シンプルな入り方です。
まとめ:主役を決めれば、6分割は動き出す
| 場所 | 役割 | 変える/固定 | |---|---|---| | 左上(主役) | 来場予約 | 固定(季節で中のイベントだけ差し替え) | | 中央上/右上/右下/中央下 | 資料請求・モデルハウス・施工事例・LINE相談 | 季節に合わせて差し替え | | 左下 | 会社案内 | 固定 |
住宅会社のリッチメニューは、「6つ何を並べるか」ではなく「1つ何を主役にするか」で決まる——これが、これまで見てきた成功と失敗の一番はっきりした違いです。
6分割そのものは、業界標準の強い枠です。主役を1つに絞り、脇役5マスは主役へつなぎ、季節で中身を差し替える——このリズムを3ヶ月回すだけで、「作ったのに押されない」から「押されて来場につながる」へ変わる住宅会社を、この2年間で何社も見てきました。
住宅会社の集客はホームページ・LINE・広告が組み合わさって回るので、LINE単独で判断しようとすると迷います。4媒体の役割分担と立ち上げ順序は住宅会社の媒体別集客マップで、LINE公式アカウントの本体と拡張ツールの費用構造は住宅会社の公式LINE、月額型と買い切り型の費用比較で、それぞれ別に整理しています。
「自社のリッチメニューを、主役=来場予約が押される形に組み直したい」という場合は、下記からご相談ください。現在のリッチメニュー・友だち数・成果地点を伺ったうえで、無理のない設計案と3ヶ月の更新リズムを一緒に描きます。
この記事を書いた人
Masaharu Ishimoto(御縁 GROWTH)
上級ウェブ解析士 / 御縁 GROWTH 代表
新潟の住宅会社・工務店を中心に、GA4計測の設計からAI検索(GEO)対策、サイト制作、公式LINE構築までを支援しています。
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